Clangは公式サイトでWindows用のバイナリが配布されていますが、このバイナリは特定バージョンのVisual Studio(以前はMinGW gcc)に依存しているため導入が面倒です。配布されているバイナリは利用せずに、Msys2のパッケージとしてClangをインストールすると依存関係を勝手に解決してくれるので楽できます。ここではMsys2の導入からClangでコンパイルできるようになるまでの手順をざっくり説明します。
Msys2をインストールする
Msys2はWindows上で動くunixライクな開発環境です。
公式サイトに従い、Msys2をインストールしてください。
Clangをインストールする
ClangはMsys2のパッケージマネージャーpacmanでインストールします。
きっと c:\msys64 にあるmsys2_shell.cmdを起動し、次のコマンドを入力してください。
pacman -Ss clang
ずらずら出てくるパッケージのうち、必要なものをインストールします。
64bitのclangはmingw-w64-x86_64-clang、32bitのclangはmingw-w64-i686-clangです。
pacman -S mingw-w64-x86_64-clang
pacman -S mingw-w64-i686-clang
依存関係がなんたらかんたらと出てきますが、とりあえずyesすると依存するパッケージもインストールしてくれます。
パスを通す
64bitのClangは C:\msys64\mingw64\bin、32bitのclangはC:\msys64\mingw32\bin にインストールされている。ここにパスを通せばどこからでもClangを利用できます。
コンパイルしてみる
stdio.hやらiostreamをインクルードした適当なコードを作りコンパイルしてみます。
clang test.c -o test1.exe
clang++ test.cpp -o test2.exe
無事コンパイルできたらおしまいです。お疲れ様でした。