先日、July Tech Festa 2019が開催されました。
ちょうど人、組織に関して興味が出始めた時期にサイトをみたら、
面白そうなセッションがたくさんある!と思い、行ってみましたので、そのレポートです。
July Tech Festa 2019 とは?
インフラエンジニアの祭典ともいえるイベントとのことです。
今回はエンジニア x 文化をテーマに開催されました。
イベントの詳細は、こちらをご参照ください。
セッション一覧
計7つのセッションをみました。
タイトルを聞くだけで、ワクワクするのは僕だけでしょうか。
各々45分ですが、正直どれもあっという間に終わってしまいました。
- 「ペパボっぽい」エンジニアカルチャーを創る言葉と仕組み
- 心理的安全なチームづくり ~リーダーシップとしての心理的柔軟性とは
- Design Proposal は文化を創る
- 「極める、伝える、教える」の調和
- 人生100年時代の学び方
- エンジニアはアウトプットによって成長できるのか?
- LINEのEngineer Culture
ここから、各セッションの概要と、感想を記載します。
量が多いので、資料に書いてあることは基本的に記載しません。
先に各資料を読むと、続きを一層理解できますので、**視ましょう!!!**視ましょう!!!
「ペパボっぽい」エンジニアカルチャーを創る言葉と仕組み
概要
エンジニア文化とはなにか。ペパボの事例を含めて発表されてました。
ざっくり言うと、エンジニア文化とは
「知識・価値観・行動様式が標準化されている」です。
エンジニア文化を作るための仕組みとして、以下の3つがあります。
- 新卒研修
- 社内イベント
- 全エンジニアが立候補可能な職位制度
特に、職位制度組織は、組織を強化し、競争力を高めるため、変化し続けてます。
また、アウトプットを重視し、
知識の整理→フィードバックを得る→研鑽する・・・
このサイクルを繰り返し、成長し続けるようにしたいとおっしゃってました。
感想
社内って、顔を合わせて話す人って意外といないんですよね。
チャットや電話で離したことはあるけど、顔はわからない、なんてこともあります。
特に、社内イベントでは話すけど、その後は特に・・・ということもあり、非常にもったいないなと。
弱い関係から、お悩みごとを聞いて解決できる可能性もあるので、
関係を引き出すようにしたいです。
今の会社があるのは、先輩方ががんばってくれたおかげ。
昔の様子、イベント、を調べてみるのはありですね。
心理的安全なチームづくり ~リーダーシップとしての心理的柔軟性とは
スライド非公開のため、概要が長くなってます。ご了承ください
概要
心理的安全性とはなにか。日本での「心理的安全性」の条件は?
心理的安全なチームをつくるためには?の発表です。
心理的安全は海外で定義されており、研究が進んでいます。
一方、日本で心理的安全なチームを作る場合、どのような条件が重要なのか。
以下の4点が重要です。
1. 話しやすさ:何をいっても大丈夫
チーム内で、感じたこと、気づいたことを自由にシェアできる
知らないことを知らないと言える
2. 助け合い
相談にいったら、いつでも相談に乗ってくれる雰囲気がある
問題が起きたとき、人を攻めるのではなく、建設的に言える
3. 挑戦
チャレンジすることは得なこと
サントリーの「やってみなはれ」精神
4. 新奇歓迎
新しいもの、奇をてらったものを受け入れる
では、心理的安全性をどう醸成するか。
実は、どのチームにも当てはまるのはなく、柔軟に対応できる力、
心理的柔軟性が必要になります。
心理的柔軟性とは、
正論ではなく、役に立つことを重視することです。
プライベートで辛いことがあったメンバーに対して、
金もらってんだから、仕事ちゃんとやれよ は正論です。
メンバーの望ましい行動を増やすためのことをしましょう、ということです。
さらに、明日から役に立つ実践編も紹介がありました。
1.話しやすさ
-
会議の人数を減らす。会議にいらない人を「念のため」に呼ばない。
-
意見があったら、紙に書いてもらう。
書いたものでいいので、読み上げてもらう。 -
「立場」があると、発言しやすい。「課長」などの公的な役職でなくてもOK※
※もちろん、勝手に名乗っちゃいけませんが・・・ -
「このチーム、絶対いいチームにしましょう」
2.助け合い
-
あなたも、わたしも、完璧超人ではない!「のび太力」をあげていく!
のび太くんはすぐ「ドラえも〜ん!!」と言いますよね。あれです。 -
心理的安全性向上につながる言動があったら「ありがとう」に理由をつける。
-
トラブルが起きたとき、頭の中、チームの中で「ちょーどよかった」
- 起きたことは変わらない。学ぶいい機会なので、「ちょー度よかった」
3.挑戦
- 〜してみませんか? 今月だけしてみませんか?
4.新奇歓迎
- 自分の立場「だからこそ」を目指す
新卒の子「飲みに行くのではなく、もっと業務を覚えたい」とか・・・
感想
-
お金払ってでも、もう1回プレゼンみたい!と思いました。
単に心理的安全性を説明するだけでなく、具体的な実践方法もあり、 一番有用でした。 -
具体例であった、「発表することに自信がない」という問いに対して、
「悩んでいるなら、姿勢、アイコンタクト等、行動を変えたほうがいい」と
おっしゃってました。- 「自信がない」ことへの回答で、
「慣れ」と回答していたことにに反省してます。
今思うと、「慣れ」というのは、
繰り返し周りからの意見を取り入れた結果であり、解決策ではありません。
何を変えるべきか、一緒に相談して解決すべきでした
- 「自信がない」ことへの回答で、
-
トラブル起きたら「ちょーどよかった」、頭の中で言い続けます。
Design Proposal は文化を創る
概要
ドキュメントをしっかり書けば、周りは動く
Kubanetes Design Overview をみて、ドキュメントがたくさんある!
- どういう組織があって、役割があって。。。会社よりしっかりしてる!
- 意見がオープンに見える、かつ、誰がやってもいい。
- 社内で使えそう!!
というのがきっかけで、色々ドキュメントを作成したという発表です。
作成にあたり、世の中にあるテンプレを利用したり、
運用後ちゃんと使われているかの確認等を考えてされてました。
また、Wantedlyさんの事例も紹介されてました。
感想
-
ポストモーテムで、他部門、お客様向けの情報は展開できているが、
部内での対策となると、まだまだ弱いな・・・と思ってます。 -
ミッション、自分の業務を明確にするために、Design Proposal使うのはありですね。
-
過去、ナレッジを溜め込む場所を作りましたが、執筆者が自由に書いてる状態です。
このタイミングで整備して、良いドキュメント
にします。
「極める、伝える、教える」の調和
概要
フロントをやっていたが、インフラ、Linuxに興味を持ち始めた。
IT土方で、目先の案件対応に追われ、新しい技術をキャッチアップできない…
焦りを感じ始め、社内・外で勉強会始めた。縁があり、専門学校で教育者に。
ただ、課題も・・・
- 実績のないものは知識の伝達になってしまう。
- 「うまいこと言ってるけど、現場知らないでしょ?」と思われてしまう。
- 案件やりだすのもありだが、もとの生活に戻ってしまう。。。
エンジニアで本番環境で技術を学びつつ、調和をとっていきたい!!
という想いで、やってきたことを紹介されてました。
感想
「焦りを感じている」点は、まさに今の自分だなと思います
目の前の仕事に忙殺されて、新しい技術取れなかったり、学習できなかったりしているなと。。
まずは **極める!**ここからですね。
Kubernetesについての説明が多かったので、取り組みます。
人生100年時代の学び方
概要
- 60歳で定年退職して、酒をやめたら、東大の大学院に入った話。
- 日本の平均寿命から、20代で就職して、60代で定年退職という時代は終わった。
- 60歳で定年退職しても、残り20年は生きていける
- 定年後を想像すると、酒好きなので、昼からお酒を飲んでるんだろうなあと・・・
- これはいかんと思い、禁酒した。
- 禁酒して、本読んだり、色々興味が湧いてきて、大学院に入学した。
世の中にはパラダイムシフトがあり、最近深層学習ブームが来ています。
- 深層学習の論文数は2012年から急速に増えていました。
- 新しいことが起きますが、当時は気づけてないひとがほとんどでした。
「定年退職は引退ではない」という、新しいパラダイムシフトが起きてきている一方、
仕組みはパラダイムシフトに追従しません。そのため、自分で考えていく必要がありますし、
変化し続ける必要があります。
感想
前に考えた、「10年後の自分どうなってる?」を彷彿させる内容でした。
学習せず、このまま10年過ごしたら、時代に追いつけず、
吉岡さんの言う「老害」になってしまうのではないでしょうか。。。
当たり前ですが、「日々学習することが大事」と痛感しました。
エンジニアはアウトプットによって成長できるのか?
概要
-
アウトプットの質を高めましょう。
アウトプットとは、発信と受信がマッチすることで、
発信→影響→達成 という流れがあります。- 他者に与える影響:これやってみよう!
- 自分に与える影響:話すことで有名になるとか
- 達成:お互い成長したよね
-
学んだことを発信しよう
- 「需要ない」と思ったとしても、特定のテーマなら需要あるかも。
- 誰かに教えたことで、同じ悩みを抱えている人はいる。
-
個人がアウトプットできるよう、組織は協力すべき
登壇資料、業務時間につくっていいよ。。。とか。
感想
-
「Qiita」に投稿する時って、肩の荷が重いことありますよね。
それは、「影響」を考慮せず、投稿することがゴールになっていて、
面倒だなと思っているのかもしれません。 -
今までの知識を、「Qiita」に公開するのはいいですね。
同じことで詰まっている人もいるかもしれないです。
少なくとも、僕も悩んだらQiita、公式フォーラムなどを調べています。
LINEのEngineer Culture
概要
池邉さんのこれまでの経歴、LINEの成り立ちを紹介された後、
LINEのエンジニア文化とは、大事にしていることはなにか、発表されました。
LINEの主なEngineer Cultureは以下の3つです。
1.Take Ownership
- 自分ごととして捉えて開発する。1ユーザーとして、UI使いやすいか等考える。
決まったものを実装するだけでなく、他部門と話をして、やりたいことをやる。 - LINEで雪降らすとかは、エンジニア発。
遊び心大事だね、ということから実装された。
2.Trust & Respect
- LINEは様々な国籍の人たちが働く。
- コードレビューで厳しい指摘はある。
- これまでの信頼と尊重がないとできないし、
ある程度の緊張感があるこそ、お互いを高め合い、切磋琢磨できる
- これまでの信頼と尊重がないとできないし、
3.Be Open
- 全員のメッセンジャー、GitHubを見れる。
- 社員のアクティビティをオープンにしている。
- 人ベースもあれば、プロジェクトベースもオープン。
- 「このプロジェクトに関わっているのはAさんか。
プロジェクトに対して言いたい」時に言える - エクセルだった座席表をWeb化。席替えしたら、各々が更新する。
- 「このプロジェクトに関わっているのはAさんか。
最後にLINE Style という、LINE全体で
大事にしていることの紹介がありました。
このうち、Enjoy the challenges!
が一番大事と思っており、
いろんなことがあって大変だけど、楽しくやるべき。困難を楽しんでいきたい。
というメッセージで締めくくられました。
感想
当たり前といえば、当たり前ですが、
普段仕事をしていると、抜けていることがあります。
本来、自分たちが考えたものを実装すべきなのに、
周りから言われて実装したりと。。。
一日を過ごしてみて
過去参加したイベントで、一番おもしろかったイベントでした。
一方で、今の時代学習しないと乗り遅れるし、現に乗り遅れていると、
セッションを聞きつつ、ひしひし感じました。
今の時代、専門学校でKubanetesを学んでるんですよ?
「Kubernetes?なにそれ美味しいの?(^q^)」と、ボケをかましている余裕は正直ないと思います。
また、単に発信するだけでなく、「人に影響を与え、成長させる」ことを、
アウトプットのゴールにすべきだと、改めて思いました。
アウトプットしても反応がないよ・・・と思う時は、まさにゴールが異なるんだなと。。。
人に影響を与える(相手に行動してもらう)という点は、ペパボの山下さんの発表にあった、
ピーマンのプレゼント
につながっていると、帰り道気づきました
このアウトプットが他の人に影響を与えているか気になりますが、
フィードバックを得られるよう、読み手に行動してもらいたいことを考えて、
アウトプットしていきます。