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Host ヘッダとIPアドレス漏えい

Last updated at Posted at 2019-02-14

はじめに

こんな感じで、Hostヘッダのない HTTP1.0通信でIPアドレスが漏れる。

ipMore.png

グローバルIPアドレスならいいけど、プライベートIPアドレスだと、少しセキュリティ上の問題になる。

仕組み

  • HTTP/1.0 の話
  • HTTP/1.0 では Host ヘッダはオプション(あってもなくてもよい)
  • まぁ、大抵のWebブラウザでは、HTTP/1.0でもHostヘッダは付けるけど、つけなくてもよい
  • 大抵の Web サーバは、仮想ホスト機能に対応している
  • Hostヘッダのない HTTP リクエストは、どの仮想ホストに対応させていいか分からない
  • しかも、ディレクトリに対して最後の「/」がないという「no TrailingSlash」状態
  • Location で再リクエストを要求したいけど、フルパスURLのホスト名が分からない
  • しょうがないので、NICのIPアドレスつけちゃえ

という感じ

対策

仮想ホストを設定する

  • 運用しているホスト名の仮想ホストの設定をする
  • それ以外の既定の設定は、無効にする。
    • または空のルートディレクトリだけを用意する
    • 全てアクセス禁止にする

とあれば、Host ヘッダのない HTTP リクエストは、既定の設定になり、上記のようなリダイレクトメッセージは送出されなくなる

つまり元々、仮想ホスト機能は、一つの Webサーバで複数のWebサイトを運用するための機能だけど、

074.png

一つのWebサイトでもいいジャン・・・そして、既定のWebサイト(設定されたものとは当てはまらなかったホスト名(ホストヘッダ無も含))の設定をエラー/禁止/無意味(空のPublicRoot)にすれば、リダイレクト要求のレスポンスが送出されないようにできる

075.png

仮想ホストを設定するのデメリット

  • ぶっちゃけ面倒じゃない!?
  • DNSが壊れた時、緊急で IPアドレスの URL でアクセスしようとしてもできなくなる
  • DNSが壊れた時、Hosts ファイルで名前解決すればアクセスできるけど・・・

上記のデメリットがデメリットでない環境であれば、仮想ホストを設定するのが王道かと思う

Nginx の場合

ググレばいくらでもあると思う

Apache の場合

ググレばいくらでもあると思う

IIS6 の場合

iis1a.png

デフォルトだと「ホストヘッダ」の値が空欄なので、なんでも受け付ける

iis4.png

仮想ホストの設定で、「ホストヘッダ」を限定させる

iis2a.png

すると、こんな感じになる

iis6.png

Hostヘッダがないと、アクセスできなくなる(Bad Requestになる)

IIS7 の場合

iis5a.png

こんな感じで「ホスト名」を空欄から特定値に設定する

iis3.png

Hostヘッダがないと、アクセスできなくなる(Not Foundになる)

仮想ホストを設定する以外の対策

Nginx の場合

設定ファイルの「server_name」を適切に設定し、「server_name_in_redirect on」にする

nginx.png

すると、こんな感じになる。

「server_name_in_redirect on」の弊害

仮想ホスト環境でも、唯一の「server_name」がリダイレクトURLのホスト名になってしまう事だが、そういう環境の場合は、上記の仮想ホストを作る対策(既定は無効なWebサイト)でいいので、そちらにすること。

Apache の場合

設定ファイル(httpd.conf)の「ServerName」ディレクティブを設定する

centos3.png

すると、こんな感じになる。

Apache2.4 系の場合

そもそも 2.4 系列からは、IPアドレスではなくて、「hostname」コマンドで指定された値が返されるようになったらしい。

cebtos2.png

こんな感じ
localhost.localdomain」って、CentOS の既定値だな。

それでも、おかしな値を hostname コマンドで指定すると、IPアドレスが出てしまう事もある。

centos1.png

この画面例は IPv6 アドレスだけどね。

IIS の場合

IIS4.0/5.0/5.1の場合、メタベースなど変更

これも、ググってくれ

この設定で、IPアドレスの代わりにコンピュータ名が使われるようになるが、コンピュータ名とNTドメイン名(ActiveDirectoryドメイン名)を工夫すると、コンピュータ名とはいいながら適切な FQDN として出力させる事もできるので、工夫してくれ

IIS の場合 URLScan を使う

IIS の場合 sISAPILocation を使う

昔、ISAPIフィルタ「sISAPILocation」を作った。

これには、特定の値(例えば今回の事象で漏れてしまうプライベートIPアドレス)を、別の値(例えばFQDNの文字列)に書き換える機能があるので、それが使えると思う。
というか、このために作った。

IIS の場合 トレイディングスラッシュの強制

という HttpModule を作ってみた。

これは、「no TrailingSlash」なディレクトリ要求を「TrailingSlash」にして、IISに渡す HttpModuleなので、今回のような事象は発生しないようにしている。

加えて
「no TrailingSlash」→「リダイレクト要求」→「TrailingSlashで再度リクエスト」→「求めていた結果」ではなく、
「no TrailingSlash」→「TrailingSlashにしてIISに渡す」→「求めていた結果」なので、通信上もメリットがあると思う。

IIS の場合(蛇足)

これ以外にも基本認証を有効にしていると IPアドレスが漏れる場合があるので、注意。

リンクと書籍

蛇足

ときどき、全ての正常なページ遷移(リンク)が「no TrailingSlash」な場合があるけど、これは
「no TrailingSlashな要求」→「30x リダイレクト要求」→「TrailingSlashにして再要求」→「求めていた結果」となるので、通信が2往復かかるので、ネットワークに無駄な負荷がかかるので、パフォーマンス上も「no TrailingSlashな要求」はよくないと思う。

今回のメインテーマは、パフォーマンス上もなにも、プライベートIPアドレスが知りたいので、あえて実行しているので、この項の正常なページ遷移とは異なるテーマなんだけど、一応書いておいた。

以上

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