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半二重のコリジョンと全二重のフロー制御

Last updated at Posted at 2021-08-19

概要

**「スイッチハブだとコリジョンが発生しない」という説明に、「そうなの!?」**と思っていたので、そのまとめ。


結論

スイッチハブだとコリジョンは発生しないが、再送が必要になるフロー制御は発生する。

つまり、
半二重な世界のリピータハブでは**「コリジョン検知/再送」と呼んでいたのが、全二重が標準のスイッチハブの世界では、より広範な意味の「もう少しゆっくり(通信速度を落して)送って」とかも意味として含まれるようになったので、「フロー制御」**と呼ばれるようになっている。
・・・・ということだと思う。

そもそも半二重の時代からコリジョン検出とかとは呼ばずにフロー制御と呼んでもよかったのかもしれない。


半二重と全二重

  • 送信と受信が同時に行えないのが、半二重
  • 送信と受信が同時に行えるのが、全二重

半二重

han20.png

全二重

zen20.png


4芯と8芯

  • 4芯は、半二重のみ
  • 8芯は、全二重も可能。全二重対応

リピータハブ全盛の時代の時は、全二重である必要性はなかったので、4芯のLANケーブルでもよかった。


余談

LANケーブルを交換したら回線速度が倍どころじゃない速度になった話

「4芯のケーブル(半二重のみ)」を「8芯のケーブル(全二重可能)」にとり替えれば、そりゃそうなるわなぁ~。という話。

私も20世紀末の大学生時代の頃は、10Mbpsのリピータハブ全盛で、研究室のネットワークとかに4芯のケーブルはありましたよ。
・・・今は見ないけど・・・


リピータハブと、スイッチハブ

リピータハブは、通信できるチャンネルは一つだけど、スイッチの場合は複数の機器で同時に通信ができる。

リピータハブ

reperter0.png

スイッチングハブ

switch0.png

リピータハブは、半二重のような性格を持っている


CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection[搬送波感知多重アクセス/衝突検出])、コリジョン検出

昔のイーサネットは、半二重通信が前提となっており、同時に通信が発生した場合、それを検知して再送する仕組みが必要になる。

それが**「CSMA/CD」**

仕組みは単純で、

  • **(コリジョン|衝突|混線)**を検知したら、送信を即時停止して、しばらく(ランダムな時間)待機して再送する

だけ。


CSMA/CDとリピータハブ

hub11.png

リピータハブは、コリジョンを検出したら、全てのポートにジャム信号を送信する

送信中に、ジャム信号を受信したら、送信を即時停止して、しばらく待機してから再送する

ちなみに4芯なら、ジャム信号を受信するというより、混線するので混線が検知される。


CSMA/CDとジャム信号

32bitらしい。


スイッチングハブでコリジョンが発生する場合(フロー制御)

switch2.png

まぁ、コリジョンではなくて、フロー制御なんだけどねぇ~...

hub10.png

1:1の場合でも、例えば、1GBps→スイッチ→100Mbpsというような接続形態でもフロー制御は必要になるでしよう。

まぁ、コリジョンではなくて、フロー制御なんだけどねぇ~...


スイッチングハブでは、コリジョンとは呼ばずにフロー制御と呼ぶ

単純に**(コリジョン|衝突|混線)**というよりは、通信帯域がいっぱいになっているだけなので、通信速度を落してもらうとかで対処できるので、フロー制御と呼ばれる方が適切でしょう。

ということで、**スイッチングハブでは、コリジョンは起きないがフロー制御は起きる。**ということ。


フロー制御のフレーム

使われるのは、PAUSEフレーム。

  • 宛先はマルチキャストアドレス : 01-80-C2-00-00-01
  • MAC制御タイプ(フレームタイプ) : 0x8808
  • MAC制御命令コード(PAUSE命令) : 0x0001

参考


以上

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