BTKCollectionViewFlowLayoutのチューニング #iOS

前回に続いて、UICollectionViewFlowLayout拡張の話です。
UICollectionViewFlowLayoutの拡張

Sticky Sessionの実装方法

UICollectionViewFlowLayoutのレイアウトは静的なもので、スクロール時にレイアウトの再計算は必要ありません。しかし、Sticky SessionではHeader/Footerの位置がスクロールに応じて変化するため、スクロールに応じてレイアウトを再計算する必要があります。
このような場合には、shouldInvalidateLayoutForBoundsChangeからYESを返すことで、常にレイアウトを再計算することができます。

- (BOOL) shouldInvalidateLayoutForBoundsChange:(CGRect)newBounds

あとは頑張ってHeader/Footerの位置を計算するだけです。
contentInsets、sectionInsets、header/footerの有無を考えてコードを書く必要がありますが、順につぶしていけば実装できます。

パフォーマンス上の問題

このアプローチで実装すると、sticky view使用時のフレームレートが半分以下に落ちます。
いままで不要だったレイアウト計算が毎回必要になるので、当然の結果ですね。しかし、エンジニアとしてフレームレートが半分になるのは我慢できません。できませんよね？

解決策

原因がはっきりしている以上、解決策も簡単に思いつきます。スクロール時にはHeader/Footerのみを再計算すればいいわけです。これが思ったより面倒でした。
関係するコードを抜粋します。

鍵になるのは[self invalidationContextForBoundsChange:CGRectZero]で空のcontextを作っている部分です。これを元にheader/footerを追加することで、header/footerだけを更新するcontextを生成しています。

- (BOOL) shouldInvalidateLayoutForBoundsChange:(CGRect)newBounds{
    UICollectionViewLayoutInvalidationContext *context = [self invalidationContextForBoundsChange:CGRectZero];
    [self invalidateLayoutWithContext:context];
    return [super shouldInvalidateLayoutForBoundsChange:newBounds];
}

- (UICollectionViewLayoutInvalidationContext *)invalidationContextForBoundsChange:(CGRect)newBounds
{
    UICollectionViewLayoutInvalidationContext *context = [super invalidationContextForBoundsChange:newBounds];
    NSInteger numOfSections = self.collectionView.numberOfSections;
    NSMutableArray *indexePaths = NSMutableArray.new;
    for(NSInteger s = 0 ; s < numOfSections ; s++ ){
        NSIndexPath *indexPath = [NSIndexPath indexPathForItem:0 inSection:s];
        [indexePaths addObject:indexPath];
    }
    [context invalidateSupplementaryElementsOfKind:UICollectionElementKindSectionHeader
                                      atIndexPaths:indexePaths];
    [context invalidateSupplementaryElementsOfKind:UICollectionElementKindSectionFooter
                                      atIndexPaths:indexePaths];
    return context;
}

互換性

UICollectionViewLayoutInvalidationContextで、個別のSupplemental Viewを指定する機能はiOS8からしか使用できません。
そのためiOS7用ではパフォーマンスが落ちるかと思ったのですが、「指定できない＝＝常にすべて更新」という意味らしく、新メソッドを呼び出さないようにするだけで動作しました。

最後に

BTKCollectionViewFlowLayoutのコードを見てもらうとわかりますが、実際には結構面倒な作業でした。Apache Licenseなので、よかったら使ってみてください。
BTKCollectionViewFlowLayout on GitHub

余談

PodspecがiOS6.0からになってる。。orz
iOS7.0以降でしか動きません。