はじめに
この記事は、入社後のパソコンセットアップで躓かないようにするためのガイドです。特に、macOS Catalina以降でデフォルトとなったZshと、開発環境の構築に欠かせないHomebrewのインストール方法について解説します。新しい環境でスムーズにスタートを切るための参考にしてください。
zshとは
Zsh(Z Shell)は、ターミナルでコマンドを実行するためのシェルの一種です。
例えばターミナルでlsと入力すると、以下の流れでシステムが動作します
1. シェルがコマンドを解釈する
ユーザーが入力したlsというコマンドを、Zsh(または他のシェル)が認識します。
シェルは「lsという名前の実行可能なプログラムがどこにあるか」をPATHという環境変数を使って探します。
2. シェルがOSにリクエストを送る
シェルが見つけたlsというプログラムを実行するように、OSにリクエストを送ります。OSはこのリクエストを受け取り、lsプログラムを起動します。
3. OSが結果を返す
lsプログラムは、指定されたディレクトリの内容を読み込みます。これをファイルやフォルダのリストとして、OSを通じてシェルに返します。
4. シェルが結果を表示する
シェルは受け取った結果(ファイルやフォルダのリスト)をターミナル上に表示し、ユーザーに見せます。
デフォルトシェルの確認
Catalina以降でデフォルトシェルはZshとなっています。今年入社するエンジニアに支給されるM1以降のMacのデフォルトシェルはZshです。本記事ではM1以降のMacを使う際のセットアップ方法を解説します。
#デフォルトシェルを確認するためのコマンド
echo $SHELL
# 結果 zshの場合
/bin/zsh
設定ファイルのzshrcを作成する
touch コマンドで空の .zshrc ファイルを作成します。
touch ~/.zshrc
zshrc は、ターミナルを開いたときや新しいZshセッションを開始したときに読み込まれます。
例: 読み込まれるケース
ターミナルアプリを開いたとき。
ターミナルでzshを実行して新しいZshセッションを開始したとき。
homebrewのインストール
公式サイト通りに下記コマンドを実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
brew -vでHomebrewのバージョンを確認しようとすると下記のように表示されます。
brew -v
zsh: command not found: brew
brew コマンドが見つからない(zsh: command not found: brew)のは、Homebrewをインストールした後にPATHの設定が適切に反映されていないためです。
PATHを適切に設定する
brew コマンドを実行すると、Zshがそのコマンドの実行ファイルを探します。その場所を決めるのが PATH という環境変数 です。Homebrewをインストールすると、brew コマンドは/opt/homebrew/binにインストールされます。PATH環境変数にHomebrewのインストール先を追加することでシステムがbrewコマンドの実行ファイルを正しく認識できるようになります。これにより、ターミナルから直接Homebrewを使ったパッケージ管理やツールのインストールが可能になります。
1.~/.zshrc を開く
open ~/.zshrc
2.パスを設定
# Homebrewのパスを設定
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
/opt/homebrew/bin/brew shellenv
は、Homebrewのパスを通すために必要な環境変数を生成するコマンドです。
3.設定を反映
~/.zshrc を保存して閉じた後、以下のコマンドを実行して設定を反映させます
source ~/.zshrc
4.動作確認
brewコマンドが正しく動作することを確認します
brew -v
#バージョンは異なる場合があります
Homebrew 4.4.14
まとめ
この記事では、Macのセットアップでよくあるつまずきポイントを解消するために、ZshとHomebrewの基本的な設定手順について解説しました。この記事を参考にセットアップを進めることで、開発の初期段階からスムーズに作業を始めることができるでしょう。もしわからないことがあれば、設定を見直したり、周囲のエンジニアに相談してください。新しい環境での成功を願っています!