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MATLAB/SimulinkAdvent Calendar 2020

Day 5

物理屋vsソフト屋の戦いと第三国の僕

Last updated at Posted at 2020-12-04

今日は僕の仕事の話。MATLAB関係ないですが日にちが空いてたのでねじ込みました。

Qiitaを見てくれていたり各SNS等でつながっている人は僕が電磁波の専門であることはわかると思いますが、今一体何してるのか紹介したことなかったなと思ってこんな記事を書いてみました。

記事内にはオープンな情報しか書きません。

今何やってるか

とりあえず今どういうところで働いているかというと、Simulink過激派の方と同じ会社でMATLAB原理主義者として所属しているわけですが、部署的には自動運転の開発支援系の仕事です。

自動運転開発にはいろんな部署があって、センサのハードを作る人、アルゴリズムを作る人、コーディングする人、センサ情報を使って状況判断などを行う脳味噌のあれこれを作る人などなど。
その中に僕はいるわけですが立ち位置がちょっと特殊で、以下のサイトをまずはみてほしいです。

自動運転では物凄い数のセンサが使われ、極端なことを言えば自動車の全てのセンサを統合して状況判断して最適解を見つけるわけです。当然センサ統合処理の開発をする前にセンサごとにいろんな開発が行われるのですが、「センサとして良い物を作っても全体システムに組み込んでみたらオーバースペックでした」みたいなことが起きかねないです。
そうなる前にあらかじめ仮想空間上に自動運転システムモデルを構築しておき、今自分たちが作ってるセンサやシステムが全体システムにどう影響するのかを解析できるようにしておこうというのが上のサイトのメインテーマで、僕の仕事の概要です。

記事のタイトル

じゃあこの記事のタイトルに迫って行こうと思います。僕が何やっているかはオブラートに包んで説明しますが、センサ開発などをがんばってやってきた人たちには2種類いて、それが物理屋とソフト屋です。

前者はセンサに関わる物理現象にすごく知識のある人で、特殊な環境において起きる現象などをもれなく把握しています。後者はセンサ内のソフト的な処理にすごく詳しく、プログラム的な工夫やアルゴリズムのことに長けています。しかし、仮想空間でセンサのモデルを作りましょうとなった時、2者が寄ってたかっても空白になる部分があって、それが物理現象の計算方法です。

仮想空間でのセンサ解析では高速正確な物理現象の解析が必要になるのですが、解析手法特有の問題点というのがどのセンサにもあって、そこをどう解決するかという点でこの2者は以下のように割れてしまうのです。

  • 計算式や計算アルゴリズムの穴なので、式や計算フローを見直して行こう派
  • 特定環境での問題なので、場合わけでそれ専用の処理を入れよう派

いくら柔軟な意見を求めても結局この2つの意見の戦いになってしまいます。僕としては計算式見直しは「そう簡単にいうなよ」と思いますし、場合わけは「他の問題がでたらどうすんの?キリないがや」と思っちゃいます。

僕は高速演算で精度を上げるという水と油を乳化させるような担当なので、第三国の立ち位置

  • 現象の特徴を掴んで計算式を自力で構築し、余計な処理をしないように手計算をして理論構築する派

になろうとしています。というよりならなきゃいけない。まるで研究者みたいな立ち位置。

辛いところ

この立ち位置はすごく重要で、僕自身も満足しています。ただ一つだけ大変なところがあるとしたら、周りに意見を募れないこと。「物理屋に理論を聞いてソフト屋に高速演算のノウハウを聞けばいいじゃん」と思うかもしれませんがそうもいかず、まずそもそも仮想空間での解析においては「どんなシチュエーションにも対応する」ことが重要で、かつ現実との乖離があってはならないのです。特に事故シーンなどテストできないパターンに対しては仮想解析が神様になるわけです。
そんな重要なモノにおいて、特定の物体にだけ特殊な処理が入っているなど言語道断だと僕自身は思っていて、経験上ですが、ソフト屋さんはそういう言語道断なやり方を割と平気で推奨してくるところがあります。では物理屋はどうかというと、現象の原因などはよく理解してくれるのですが、それを計算する手法をゼロから生み出すのが不得意なところがあり、解決の糸口が生まれずに終わってしまうことが多いのです(僕もどっちかというとそう)。
で結局僕が在宅をいいことに散歩でもしながら「ああでもないこうでもない」と言いつつアイデアを出すのです。

辛いところ2

文句をたれつつ計算の高速化に成功した僕ですが、その中身はもう本当に研究者みたいな感じで、解説ドキュメントは数式の嵐、微積やベクトル演算を駆使しているのでイメージでの解説にはもう限界がきて、「もう詳しく知りたければ頑張って読んでくれ!!」と何回言ったことか。

結局概要だけは理解してもらえるのですが、ドキュメントを読む人は少なく、後になって質問されるパターンが割とあります。え?式まで解説しないと理解できないよ??1から詳しく教えたら1時間くらいはかかるけどいいの???

仲間が欲しい

今のところこの内容に共感してくれる人ってすごく少ないと思うのですが、やっぱり会社のカラーなのか僕が特殊みたいで、物理現象を簡素化して計算することに長けた人っていないんですよ。いたら弊社に入社して!!まじで!!

最後に

すっごいグチみたいな記事ですね。。。いやまぁいいんですよ。それぞれの土俵でやってきたプロの皆さんなので。僕は今の仕事楽しいので、この第三国ポジションのプロになってやればその道で重宝されるだろうなぁ。と思いながら今日も頑張ります。

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