https://qiita.com/advent-calendar/2022/kddi-tech
の14日目です。
感性派の私がテック企業に転職したら、エンジニアの常識が理解できず外国に来たかのような気持ちになったが、魔法のツール(DiSC理論)によってコミュニケーションがスムーズになった話、について綴ります。
(その前に)私がテック企業に入るまで
これまでtoC向け企業で約10年ほど広報職をやったのち、toB向けテック企業(今の会社)に広報職として入社しました。前職では社員の半数が営業職でしたが、今のテック企業は8割弱が技術職(エンジニア)という社員構成に。
さらに軽く自己紹介すると、女子校出身で小学校から大学まで吹奏楽部というとにかく調和を必要とする環境に身を置いていました。また、話すときには身振り手振りを交えて感情を話す感性派で、自分の頭の中を整理する前に感じたまま話してしまう癖があり、よくも悪くも素直な人に見えると思います。
入社してぶち当たった壁、エンジニアの常識についていけない
ひとつ目がコミュニケーションの仕方。今の会社に入ってから、仕事はもとより普段の会話でもロジカルに話すことを求められる機会が多くなりました。感覚でふわっと話す私の言葉は「何を言っているかわからない」「それは何の意味があるの?」と単刀直入に言われ、私の豆腐メンタルにグサッと刺さります…(もちろん相手は私を傷つけようとしているわけではない)
二つ目がテック知識。テック業界に初めて飛び込んだため毎日知らない単語が飛び交います。エンジニアさんに質問すると、「このくらいなら知っているだろう」「わかるだろう」というところまで噛み砕いて話してくださるのですが、それでも私には難しく初耳ワードが。Googleで調べながらなんとか会話についていこうとしますが、調べた先の言葉もまたわからない。わからないわからないの連鎖で私の思考回路は完全にショート。。。orz
テック知識は身に付けていくいかないのでこれからも日々精進のみですが、エンジニアさん達の「当たり前」や「簡単にできる」ことが、「私にはできない」という事実の積み重ねで、自己嫌悪に陥るようになり、コミュニケーションを取ることが怖いとさえ思うようになってしまいました。
魔法のツールを手に入れた!ヒトの取扱説明書「DiSC理論」
そんな中、入社して数か月後に「DiSC研修」というものを受講しました。行動心理学を使ったコミュニケーションスキルの研修で、自分と他社のコミュニケーションパターンを知ることで、自分にあった適切なコミュニケーション方法の習得を目指します。
私は研修を受けるまで知りませんでしたが、「DiSC理論」というコミュニケーション理論は、1920年代にアメリカのウィリアム・M・マーストン博士が提唱しました。彼はウソ発見器の生みの親としても知られています。この理論では、人の行動傾向を以下の4タイプに分類します。
D(Dominance) =主導型
i(influence) =感化型
S(Steadiness) =安定型
C(Conscientiousness)=慎重型
このDiSC理論が私にとって、魔法のようなツールとなったのです・・・!
4つのタイプの言語特性
このタイプ別に良し悪しや優劣はありません。複数の行動傾向をもつ人もおり細かく分けると12タイプに分かれますが、4つの大分類タイプについて、シンプルに言語特性を説明すると以下になります。
D(主導型):直接的で決断が早い
意志が強く、勝気でチャレンジ精神を持つ。行動的で結果をすぐに求める傾向。
口ぐせ「だか:ら何?」「要点は?」結論を求める。
i(感化型):楽観的で社交的
社交的で人を励ましたり楽しませることを好む。発想が豊かなムードメーカーでもある。
口ぐせ:「誰がいってた?」誰なのかを求める。感情表現が多い。
S(安定型):思いやりがあり、協力的
人への配慮があり、協調性のあるタイプ。一貫性があり聞き上手。
口ぐせ:「どう?」を求める。物事のやり方や手順を聞く。
C(慎重型):緻密で正確
論理的に考えることが得意。正確さや合理性、計画性を持ち、仕事の質の高さを重視。
口ぐせ:「なぜ?」を求める
当社のタイプ別統計値
当社は全社員がこのDiSC研修を受けており、自分がどのタイプか診断されてます。
そこで、当社全社員の統計値を出してみました。結果がこちら。
「C」タイプ(慎重型)が全体の約4割!日本人は「D」タイプ(主導型)が1割、「i」タイプ(感化型)が2割、「S」タイプ(安定型)が4割、「C」タイプ(慎重型)が3割とのことなので、当社の特徴がでていますね。
当社社員は8割弱がエンジニアではありますが、さらに職種別に統計値を出してみました。
・事業を推進していく営業部門
「i」タイプが半数を占めています。巧みな営業トークが目に浮かびます。
前の会社は営業職が半数以上でしたので、もしかすると「i」タイプの割合が全社的にも多かったのかもしれません(※あくまで仮説)。
人事・総務・経理などの管理部門
「C」タイプがなんと8割!緻密で正確な作業を要する業務ですので、まさに適材適所。
ちなみに、当社社長は「S」タイプ。社員の自主性や積極性を大切にしてくれる素晴らしい方です。
DiSC理論からの学び
診断の結果、私は「i」タイプでした。予想通りですねw
「i」タイプは楽観的で、行動の優先事項は「行動」「熱意」「協力」。7割程度の完成度でも先に進めようとする傾向があり、チーム力を活かして楽しんで仕事をしようとします。マイナス面として、正確性や論理的思考をおざなりにする傾向にあるため、たとえば「C」タイプの人からすると、なぜ不完全な状態で前に進めるのだろう、この目的が曖昧なものは何なのだろうか、と思われがちだったのです。
(ちなみに「i」タイプの適職のひとつに広報担当者が入っています。嬉しい!)
DisC理論を学んでからは、同じ内容を伝えるにしても、タイプ毎の特徴に合わせたコミュニケーションをとるようにしました。
「D」タイプの人には、雑談は最小限にしてすぐに本題に入るように。「i」タイプの人には、相手への興味を伝えて相手のアイデアや考えを聞くように。「S」タイプの人には、急かさず積極的に意見を求めるように。「C」タイプの人には、根拠を示してなるべく論理的に。
そして、私に欠けている正確性や論理的思考を習得できるよう意識して業務に励んでいます。すぐには習得できないので、これも鍛錬あるのみですね。
自分自身の特性を知り、さらに相手を理解することで、否定的ではなく肯定的にその人の発言や行動特性を捉えることができるようになりました。そして、日々のコミュニケーションがとてもスムーズになっていきました。ありがとう、ウィリアム博士!
おわりに。
コミュニケーションは仕事を進めていく上で不可欠です。そんな中、相手を理解することは意識しないとなかなかできません。そうなると、お互いに「自分の言っている意味を理解してくれない」とういう想いが生じてしまうことがあります。しかし、それは大きな誤解であり、重んじている行動の動機や優先順位が異なるだけだったと気づきました。
仕事に限らず、人間関係は家族、カップル、友人、近所の人、、、などなど、たくさんの繋がりがあります。もしコミュニケーションに悩んでいる人がいましたら、DiSC理論におけるコミュニケーション術を実践してみてはいかがでしょうか。