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22年度高専祭Web班・中夜祭ライブ配信システムについて

Last updated at Posted at 2022-12-11

内容

第五十七回鈴鹿高専高専祭 中夜祭 配信システムの設計について書きました。
このシステムには oman10(おまんじゅう)という名前がついています。
入場管理システムはmonaqa(もなか)です。
一応校内のネットワーク(R4年度9月のネットワーク仕様変更に対応)や各種配信機材について覚えている限りでまとめました。

自己紹介

  • 4年 電子情報工学科 です
  • ロボコンやってた      これ↓
  • 今年は高専祭実行委員会 web班 責任者
    というわけで今年度はロボコンを引退しまして高専祭のweb班(?)としていろいろな仕事をしてました。

ちょこっと小噺

実はweb班は僕含めて4名いたんですが、

  • 僕以外の3名:入場管理システムの開発
  • 僕:入場管理に関わる各所との調整・中夜祭配信システムの運用・謝罪
    という役割分担になっていました
    高専祭当日は万が一システムが落ちたら誠意を持って謝罪するためにスーツで行きましたがその必要がなくてよかったです。

なぜ中夜祭の配信システムが必要だったのか

中夜祭を

  • 場所:本校第一体育館
  • 参加人数:全学生を想定すると1000人程度
  • 時間:夕方〜夜
    という状況において、学校から人数を半分程度に絞れとのお達しがあり、高専祭上層部の判断で3~5年生のみ入場するという形式に決定されました。
    一時は1,2年生の中夜祭への参加は全く認めないという方針でしたが、配信機材を利用したらなんらかの形で1,2年生にも参加してもらえるのではないか、という話になり配信システムの構築が決定しました。
    設計・交渉・発注までほぼ僕1人しか担当者がいない部署でしたが数々の妥協の上にギリギリ形になったようでよかったです。

(当日配信のセッティングや手伝いをしていただいたロボコンプロジェクトの関係者・クラスメートの方々、ありがとうございました。)
DSC03471.jpeg

ソフトウェア

使用したソフト

  • OBS
  • ATEM SoftwareControl
  • Chrome
    • YouTube
  • VLC MediaPlayer

ネットワーク・配信手法

配信の方法を検討する上で、一番ボトルネックになったのは校内のネットワークです。
第一体育館にWi-Fiの設備がない関係で校内の有線LANしか使えない上に校内のネットワークはプロキシやネットワークの仕様の関係で様々な手法に制限がかかります。

鈴鹿高専の校内のインターネットには二種類あり、一般の学生が普段利用しているのは校内無線LANになります。
校内有線LANは学生の私的な端末では接続できず、学校の管轄している端末で事前に登録を済ませると接続できます。
厳密には認証の種類によってさらにいくつかに細分化できますが、ここでは有線LANと無線LANというジャンル分けをします。

当初はYoutubeではなく各教室で配信を見ることを想定していたので、RTPやらRTMPやらをOBSで校内のローカルLAN経由で各教室のLANポートを利用してマルチキャストで配信することを想定していましたが、 情報処理センター長のある先生(その節はお世話になりました。)と詳細に詰めたところ、かけるコストに対して得られるものが小さい(わかりやすく言えばコスパが悪い)ことがわかってきたので、Youtubeを用いた配信に切り替えました。

OBS-YouTube

通常、OBSを用いて配信をする際、OBS上からストリームキーやらアカウント連携などで配信するのが普通ですが、OBS→YouTubeの中で使われているであろうRTMプロトコルがプロキシによって撥ねられましたので、一度OBSの仮想カメラで出力した後、ChromeのYouTubeから配信しました。
この方法はRTMPで直で配信するより不安定になり、品質も落ちるので通常なら絶対にお勧めしません。
(後からセンター長に聞いたら交渉してくれたら一時的に制限を解除してパケットを通しても良かった みたいな話だったので僕の相談不足でした)

ハードウェア

使用した機材類

  • 配信用カメラ
  • ミラーレス一眼
  • ミキサー
  • スイッチャー
  • モニター*4枚
  • PC*2台
  • ケーブル達
  • スイッチングハブ

配信用カメラ

毎度お世話になっているうちの学校の配信機材、Panasonic AG-CX350です。お借りしました。
image.png
4Kの綺麗な配信から高倍率のズーム、HDMIのでの出力までなんでもできます。
本当はライブ配信用ではなく撮影用らしいんですが使えるのでOKです。
メーカー定価で50万円くらいします。

こんな感じで撮影してました。

ミラーレス一眼

α6100を選択。
一回のファッションショー用ステージの配信のため設置(どこから撮影して欲しいと要望があった)
ズームの必要もなかったのでこれ。
AG-CX350と色合いに違いがありましたが前日の晩に気合で調整してなんとかしました。
ダウンロード.jpeg

ミキサー

YAMAHAの MG10XUを選択。

ミキサーというより音声のゲインや周波数の調整で利用。
ついでにXLRを入力用のイヤホンジャックへ変換。

スイッチャー

image.png
ATEM MINI PRO
今回一番お世話になりました。
AG-CX350とα6100の映像をHDMIで引いてきて、こいつに入力
ボタンを押すことでワンタッチで映像のソースを切り替えることができます。
ミキサーから来た音声もこいつで合成を行いました。

その他の機材はありきたりなので端折ります!!!!

ケーブルの長さについて

配信において

  • 50mの有線LANケーブル
  • 30mの音声ケーブル
  • 30mの映像ケーブル
    が必要でした。
    一つ一つ現実的なのかを考えていくと、

50mLANケーブル

体育館の舞台袖から配信ステーションまで適当に測るとほぼ50mだったので「足りなかったらスイッチングハブあるしどうにでもなるだろう」という甘い考えで適当に買いました
エレコム50mLANケーブル
適当に見積もったせいで、50mギリギリになり、配信ステーションを若干舞台袖に近づけて対応しました。
冷静に考えるとスイッチングハブの電源のこと考えてなかったので足りなかったら車でヤマダ電機走る羽目になってました。

30m音声ケーブル

先述したとおり、音声は会場中心の音声ミキサーから配信ステーションがある2階まで引いてくる必要がありました。
こちらも適当に計算したら大体30mくらい 
30mも引いたらノイズが怖かったのでXLRケーブル(キヤノンケーブル)に即決
400px-Xlr-connectors.jpeg
こいつは常識的な範囲(100m程度)ならノイズが乗らない優れもののケーブル
こういう場合音声引き回すなら実質これ以外選択肢がないので自動的にこれに決まる
ちなみに案の定3mほど足りなくなって職員さんの私物を分けてもらって継ぎ足した

30mの映像ケーブル

一階のα6100から2階まで映像を運ぶのに使用しました。
こいつが一番の悩みの種でした。
なぜなら30mという距離は映像にはあまりにも中途半端だから
通常映像を送るためにはHDMIケーブルを利用するのが一般的です。
ですが、HDMIでデジタル信号を30mも送ったらどうなるかわからないし何より規格がサポートしていない。
50m,100mの距離なら諦めてSDIケーブルという長距離伝送用のケーブルを使うのですが、HDMI信号との変換が面倒。
(この辺は高専ロボコン地区大会の設営準備の時にNHKの技術者さんにいろいろ聞きました ありがとうございました。)

サンワサプライ 30mHDMI イーサネット
どうにかならないものかとネットの海をこぎまわっていたところ、HDMIの信号をイーサネットに変換して伝送できるケーブルを見つけました。
お値段は30mで60,000JPYでした。(高かった)

機材の接続など

image.png

最後に

以上で大体の構成が書けたかと思います。
配信に際して、多くの方のご協力をいただきました。
改めてご協力いただいた方々に感謝申し上げます。
ありがとうございました。

多くのことを学べました。

## 写真達
DSC03471.jpeg
DSC03460.jpeg
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DSC03472.jpeg
DSC03457.jpeg

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