TORETA BizDev Night (2016/05/19開催)に参加してきました。イベントのテーマは事業開発(Business Development)。海外では比較的タイトルとして確立している印象を持っていますが、日本国内ではまだまだ定着しているとはいえない立ち位置について、実際に日々どんな業務を行っているかを赤裸々に語る座談会となりました。
事業ステージによってBizDevは異なる
(1)起業直後などゼロからイチ、事業を生み出す事を目的とした新事業開発
スタートアップの期初はここであり必ず通過しなければならない。事業軸を決定、確立させ、人材採用や徹底したビジョン創出などあらゆる活動。方向性的にはInternal Business Developmentと言えると思います。
(2)事業開始後、その事業を成長させるための事業開発
パートナーシップ、アライアンス、M&Aなど膨大なパートナー候補から交渉、提携活動を行ったりという諸活動。こちらはExternal Business Developmentと言えそうです。
(3)事業基盤を成熟したのちに、ニーズや変化に合わせて事業を再構築
大企業のオープンイノベーションのように破壊的な変革だったり、既存事業のテコ入れなどを狙った事業開発活動。ここは表現は難しいですが、Open Innovationがひとつの近しい考え方だと思います。
Biz Devは触媒
セールス、デザイナー、プロデューサー、エンジニア、財務、HR、としてCEOや取締役。社外パートナーなど関係者の間で広く実業を見ながら触媒のように動くことである。また、その人材像としてはMっ気のある人。様々な状況や数値を見ながら、時には窮地に立たされたり、批判を浴びることもあるがその困難を乗り換えることに価値を見出し、情熱を持って推進できる。逆に、技術やプロダクト志向のCEO、CTOなどと比べた場合、猪突猛進さが必ずしも必須ではないとも言えるかもしれない
今回のMF、メルカリ、WiL、トレタの皆さんに共通して感じたのは、随所にバランスを意識されている点。例えば、著名なエンジニアやCTOなどは自分自身の技術や、揺るぎない軸を持って自身をブランディングしたりする場合がありますが、事業開発ではバランスがとても大切。態度も低姿勢であるべきだが、決して迎合するわけではなく、自分自身が事業で実現したいゴール、ビジョンを常に情熱的に語れる事が求められる。
最近、大企業でオープンイノベーションが推進されている事にも起因されてか、スタートアップ、大企業を含めた協業模索、もしくは大企業や様々な企業の共通プラットフォームになるようなビジネスモデルのスタートアップも多数出ている印象があります。
その点、今回の登壇者に多かったキャリアパスのように大企業、特にレガシーで固めの会社での実務経験も、ビジネス開発における重要なベーススキルであると感じられました。