本記事は、サムザップ Advent Calendar 2019 #1 の12/3の記事です。
サムザップでエンジニアのマネージャをしている野口といいます。
この記事では、マネジメントに関するある書籍を少し紹介し、その中の一部課題について自分の組織にあてはめて考えてみた内容について、ちょっと書いてみようと思います。
#読んでみた書籍
"マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント 沢渡 あまね (著), 白井匠 (イラスト)"
こちらの問題地図シリーズは他にもいくつか出版されています。
以前に別PJでエンジニアマネージャをされている方からこちらの本をいただく機会があり読んでみたのですが、いろいろな観点からマネージャ(管理職)のあるべき姿について書かれています。
自分も現在、現場のマネジメントをしているにあたって、
やり方は正しいのか色々悩んだり、抱えている問題についてどう解決するのが良いのか、そもそもどこに課題があるのかと考えることがありますが、
こちらの本を読んで頭の中がスッキリ整理されたような感じがしました。
また、"ここは割り切っていいんだ"と少しホッとした感覚になりました。
職種に関わらず、いまマネージャ職をされている方には刺さる内容だと思います。
#ちょっと概要
この本は、マネージャが1人で頭を抱えて疲弊する今日を、チームのみんなが笑顔で成長する明日に変えるための本です。
いまマネージャ職はいろいろなミッションを求められ、疲弊している。
一言にマネジメントといっても領域は幅広く、
・業務に必要なコミュニケーションをつくる
・必要なリソースを特定し、調達する
・日々の業務を効率化し、課題解決する仕組みをつくる
・メンバーに成長機会を提供する
・組織にブランド価値をつくる
これらをマネージャ個人の経験やスキル、メンタルによってなんとかしている状況。
その結果、若手が誰もマネージャになりたがらず、かつマネージャ自身も成長しない悪循環に陥いる。
これらを1人のマネージャが全てやる必要はない。
管理職がなんでもできる必要はない。
全体像を把握し、足りていないものについてチームや外の力を借りて解決すれば良い。
===
各マネジメント領域について、かなり細かく掘り下げられ、それぞれに実践的なアドバイスが記載されています。
自分の場合はゲーム業界ですが、課題感が当てはまるケースが非常に多く、読んでいる最中に何度も「そう、これこれ」と思わされました。
#自分の組織に当てはめる
自分のPJにはプロジェクトマネージャー(PM)がいますが、その業務内容の定義は確かに曖昧になっていると感じます。
PJ全体のロードマップ/タスク管理といった主要タスク以外に、メンバーの勤怠管理、一部リソースの外注管理、外の事業部とのやりとり、懇親会の設定や弁当の配布まで受け持っていたことがあります。
いまは一部の仕事を若手に任せたり、
タスク管理を別の人間が担当してある程度分散できていますが、
PM、開発ディレクター、xxマネージャといった名称から業務内容が曖昧になる管理職は、
会社として役割の定義を再確認/定義し、
本来するべきタスクの確認と、定期的な棚卸しを意識しなければならないと思いました。
また、書籍を読んでいると何度か「勇者待ち」というワードが出てきました。
課題の解決を、ボランティア意識や、改善スキルのあるメンバーに依存し、属人的になんとか回せている状態を指している言葉です。
あらためて自分の組織も、勇者達によって支えられている部分がいくつもあるなと実感します。
これをきっちりマネジメントし、組織/システムで解決できている状態にしなければなりません。
#さいごに
自分自身が育つつもりと、メンバーを育てるつもりのないマネージャは失格
文中のこの言葉が頭に残っています。
これまでは"自分自身が育つつもり"という観点がなぜかすっぽり抜けていました。
マネジメント業務に追われて、技術的なキャッチアップや自分の成長に不安を覚えることもありました。
あらためて、それは組織にとって良くないことだと実感しました。
1人で抱え込んでも不全に陥るだけで、なによりそのような状況では、
若手がマネージャになる土壌を育てることができないなと考えさせられました。
明日は @RyotoKitajima さんの記事です。