はじめに
UART関連で不具合に苦しんだ筆者は、原因調査のためオシロスコープを欲した。
しかしながら、巷で売られているまともなオシロは数万円と極めて高価である。
そこで、ebayで2500円程度の安物オシロを購入してみた。
Orignal Tech DS0150 15001K DSO-SHELL (DSO150) Digital Oscilloscope With Housing
本記事では、こいつの使用感をレビューする。
外観
到着時の外観は、このようである。
DIYキットのため、スルーホール部品は全て自分ではんだ付けしなければならない。
ネットでは抵抗の値が読みにくくて辛かったというレビューがあるが、現行版では全てチップに置き換わっているため、抵抗を自分ではんだ付けする必要はない。
このため、実装作業は手順書に従いつつ特に苦労もなく完了するはずである。
なお、組み立て完成品も販売されており、ebayで3800円、秋月では3450円である。
悲しいことだが、今や日本よりも中国の方が人件費が高いのだ(嘘)。
また、組み立て説明書を見て分かる通り、Step4やStep5で動作確認やキャリブレーションの工程がある。
それほどいい加減な製品ではないことは想像できるだろう。
ハードウェア仕様
主なハードウェアの仕様は下記の通りである:
明記はされてないが、入力は1CHのみである。
電源は9V。USBポートから9V電源を得られるデバイスを買えば、重宝する。
DC-DC USB 5V to 9V DC Jack 5.5mmx2.1mm Step-up Power Module Converter Cable Cord
ソフトウェア仕様
ソフトウェアの機能として次が挙げられる:
- 電圧分解能の調整機能
- 1DIVの電圧を下記から選択可能
5mV, 10mV, 20mV, 50mV, 0.1V, 0.2V, 0.5V, 1V, 2V, 5V, 10V, 20V
- 1DIVの電圧を下記から選択可能
- 時間分解能の調整機能
- 1DIVの時間幅を下記から選択可能
- $t\times 10^{n} ;\mathrm{ms}$ where $t=1,2,5$ and $-2\leq n\leq 5$
- つまり、
10us, 20us, ..., 200s, 500s
- 1DIVの時間幅を下記から選択可能
-
トリガー機能
- 電圧レベルを指定し、立ち上がり/立ち下がりの好きな方でトリガーをかけることができる
- トリガー位置前後で40DIV程度の時間幅を記録できるので、多くの用途で事足りる
- 2つの動作モードを利用可能
- Normal mode: 連続してトリガーが掛かる
- Single shot: 1回掛かったら、リセットするまでHoldされる
- まあこれさえあればオシロとしては十分機能を果たせるだろう
- 波形の記録機能
- 1画面分だけ、波形を内部EEPROMに保存できる
- 保存した波形は、いつでも画面上に呼び出せる
- あまり使い途は思い浮かばない
使用感
自分はデジタル工作しかしないので、その観点からのみ言えば:
- 38400bpsくらいの信号なら、まあキレイに観測できる
- それ以上いくと、ちょっと波形が怪しくなる(でも信号があることは見える)
- なぜか1DIVを20us以下にすると、うまくトリガーにかからなくなってしまうため……
- 原因不明(下図は115200bps)
- なぜか1DIVを20us以下にすると、うまくトリガーにかからなくなってしまうため……
- 一応921600bps(921kbps)でもなにか信号が出ていることは観測できる
- それ以上はTeraTermの上限を超えるので試せていないが、サンプル周波数が1MS/sであることを考えれば、難しいだろう
マイコン工作をしていて、なんかうまくいかない、そもそもUART信号出てるのかコレ……というシチュエーションには十分使えると思われる。
まとめ
- 3千円オシロスコープを購入して組み立てた 簡単だった
- 趣味のマイコン工作には十分実用に耐えうる性能を持っている
- 買い!