何となくスマホアプリを作りたくなったので、Flutter に手を出すことにしました。というわけで、Chromebook + Android Studio でハローワールドまでの流れを説明していきます。
以下の以下の公式ページに沿って進めただけ (かなり親切でした) なのですが、英語なのと微妙にハマりどころ (見落としとか) があったので、一通り書いていこうと思います。
https://flutter.dev/docs/get-started/install/chromeos
flutter をインストールする
適当なディレクトリに git clone で flutter を配置します。私は /opt/flutter となるように配置しました。
/opt$ git clone https://github.com/flutter/flutter.git
次に flutter と dart コマンドを実行できるようにパスを通します。私は .bashrc に記述を追加しました。
# /opt/flutter とした場合
export PATH=$PATH:/opt/flutter/bin
flutter コマンドが使えることを確認するために flutter doctor コマンドを実行します。初回実行では SDK をダウンロードするらしく、ちょっと時間がかかります。また、flutter doctor コマンドは flutter の実行環境が整っているか確認するコマンドです。Android Studio などの開発環境がなければ、例えば以下のようにエラーが出るはずです (今回は使いませんが、私の環境にはもともと IntelliJ IDEA が入っているので、読んでる方と表示が違うかもしれません)。
$ flutter doctor
...
Doctor summary (to see all details, run flutter doctor -v):
[✓] Flutter (...)
[✗] Android toolchain - develop for Android devices
✗ Unable to locate Android SDK.
Install Android Studio from: https://developer.android.com/studio/index.html
On first launch it will assist you in installing the Android SDK components.
(or visit https://flutter.dev/docs/get-started/install/linux#android-setup for detailed instructions).
If the Android SDK has been installed to a custom location, please use
`flutter config --android-sdk` to update to that location.
[✗] Chrome - develop for the web (Cannot find Chrome executable at google-chrome)
! Cannot find Chrome. Try setting CHROME_EXECUTABLE to a Chrome executable.
[!] Android Studio (not installed)
[✓] IntelliJ IDEA Community Edition (version 2020.3)
[✓] VS Code (version 1.51.1)
[!] Connected device
! No devices available
! Doctor found issues in 4 categories.
エラーは出ていますが、とりあえずこれで flutter コマンドが実行できている状況なので、このまま進めていきます。
Android Studio をインストールする
以下の公式ページをもとに進めていきます。
https://flutter.dev/docs/get-started/install/chromeos#android-setup
まずは以下のページから Android Studio をダウンロードしてインストールします。
https://developer.android.com/studio
インストールが終わったら Android Studio を手動で起動します。おそらくインストールが終わっても勝手には起動しません。初回起動時に Android SDK 等をインストールするか聞かれるので、そのとおり進めていきます。ウィザードどおり進め終わってメインメニューが表示されたらドキュメントどおりに以下コマンドを実行します。
# Android license をセットアップするコマンドのようです。
$ flutter doctor --android-licenses
# 再度現在の flutter 環境を確認します。
$ flutter doctor
Doctor summary (to see all details, run flutter doctor -v):
[✓] Flutter (...)
[✓] Android toolchain - develop for Android devices (Android SDK version 30.0.3)
[✗] Chrome - develop for the web (Cannot find Chrome executable at google-chrome)
! Cannot find Chrome. Try setting CHROME_EXECUTABLE to a Chrome executable.
[✓] Android Studio (version 4.2)
[✓] IntelliJ IDEA Community Edition (version 2020.3)
[✓] VS Code (version 1.51.1)
[!] Connected device
! No devices available
flutter docker コマンドは Android toolchain と Android Studio にチェックがついていればここでは OK のはずです。Chrome は Flutter を Web 対応させたいときのデバッグで必要となるようですが、今回はいらないかと思います。
Chrome OS で Android アプリをデバッグできるようにする
Chrome OS で Android アプリが実行できるのはご存知かと思いますが、任意のアプリを実行する (デバッグする) には ADB という設定を有効化する必要がありますので、以下 URL を進めていきます。
https://flutter.dev/docs/get-started/install/chromeos#deploy-to-your-chromebook
ADB を有効化して Chrome OS を再起動したら、ターミナル上で以下コマンドを実行します。
# Flutter でのデバック用のデバイスを検索するコマンドです。
$ flutter devices
(... 出力メモるの忘れましたがすんなり終わるはず)
# 再度 Flutter の設定状況を確認します。
$ flutter doctor
Doctor summary (to see all details, run flutter doctor -v):
[✓] Flutter (...)
[✓] Android toolchain - develop for Android devices (Android SDK version 30.0.3)
[✗] Chrome - develop for the web (Cannot find Chrome executable at google-chrome)
! Cannot find Chrome. Try setting CHROME_EXECUTABLE to a Chrome executable.
[✓] Android Studio (version 4.2)
[✓] IntelliJ IDEA Community Edition (version 2020.3)
[✓] VS Code (version 1.51.1)
[✓] Connected device (1 available)
! Doctor found issues in 1 category.
flutter doctor で Connected device にチェックが付いていれば OK です。
Android Studio でアプリをデバッグ
Android Studio に flutter プラグインを導入します。以下ページのとおりです。
https://flutter.dev/docs/get-started/editor
Android Studio を起動し、画面右下の configure -> plugin から flutter というプラグインを検索してインストールします。インストールが終わると Android Studio が再起動し、メインメニューに Flutter のプロジェクトを作成する選択肢が追加されているので、これをクリックして順次進めていきます。以下ページのとおりです。
https://flutter.dev/docs/get-started/test-drive
なお、Flutter SDK の Path という項目があると思いますが、ここは最初に Clone して作った Flutter のフォルダ (私の場合には /opt/flutter) を指定したら特に問題なく通りました。
プロジェクトの初期化が終わったら Run (画面右上にある緑色の右矢印) を実行すると、時間経過後 (結構初回ビルドに時間がかかります) にHello world アプリが起動するはずです。
ここでうまくいった方はお疲れさまでした。残念ながら私は "Running Gradle task 'assembleDebug'" というメッセージが出たまま全然起動しませんでした。
初回ビルドにはかなり時間がかかり、またビルド後のデバッグ開始までにも結構時間がかかるのです (Chromebook は低スペが多いと思うのでそれもあると思います) が、もし永遠に終わらないようだったら、上記のメッセージ (Running...) でググってみてください。あるあるらしく、結構いろんな解決策が出てきます。
私の場合は File -> Project Structure の Project SDK が空になっていたので、こちらをプルダウンして Android SDK を設定し、再度 Run したらいけました。
感想
まだ Hello World 以外何もやっていないのですが、パッと見た感じ開発しやすそうな感じがしています。というか、Chromebook でエミュレータを使わずそのままデバッグできるのは最高ですね。私は Pentium の安価 Chromebook なのですが、こんなのでもサクサク開発できそうです。
若干 React Native より Hello world までが面倒な気もしましたが、開発は何となくしやすそうな感じがしています。
話題の Windows 11 では Android のエミュレータが動いて Android アプリが動くらしいので、Android はこれから面白そうな気がします。ガンガンアプリ作ってきましょう。