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人工生命をPythonで作ってみる

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はじめに

皆さん人工生命を作ってみましょう!

人工生命、ご存知でしょうか? 英語で書くとArtificial Life、ALです。
最近話題の人工知能、Artificial Intelligence、AIと似ていますね。
Lを小文字にするとAlで、フォントによっては見分けがつきませんし、まあ見方によっては同じようなものです。

冗談です。
でも、人工生命と人工知能には共通点があります。どちらも、生命や知能の本質を理解しようとする試みであり、コンピュータサイエンスと他の学問分野が交わる学際的な領域です。人工生命と人工知能は、ともに生命と知能という根源的な問いを探求する、挑戦的で魅力的な研究分野だと言えるでしょう。

人工生命は、コンピュータ上で生命のような振る舞いをするシステムを創造し、研究する分野です。自然界の生命を模倣するだけでなく、新たな生命のあり方を探求することが目的です。生物学、物理学、化学、ロボット工学など、様々な分野の知見を取り入れながら、生命現象の理解に新しい視点をもたらします。

どうでしょうか?
わくわくしてきませんか?

目的

本記事では、Pythonを使って人工生命システムを実際に構築する方法を紹介します。プログラミングを通して、生命の設計論に触れてみましょう。シンプルなルールから複雑で興味深い振る舞いが生まれる過程を体験し、人工生命研究の面白さを味わっていただければと思います。

人工生命をプログラミングしてみよう!

コードは以下にあります。実際に触ってみてください。

生命のはじまり

人工生命を作るといってもどうすればよいのでしょうか?
まずはとても単純なことから始めてみましょう。

以下のプログラムです。
Google Colabを開いたら最初のコードブロックを実行しましょう。

life = True
print("人工生命の誕生!")

以下のように出力されたでしょうか?

人工生命の誕生!

おめでとうございます。最初の人工生命が誕生しました!
聖書ならアダムとエバにあたるものです。アダムとエバならアダムの方です。

.......と言い張ることもできるかもしれません。でもこれでは物足りませんね。
大丈夫です。これは人工生命のはじまりです。それに、'自然'生命のはじまりは、これより単純だったかもしれません。

まずは、今回のプログラムを説明します。
人工生命を作るには、「生命」という概念をプログラム上で表現する必要があります。ここでは最もシンプルな形で、「生命」をlifeという変数として、真偽値(Trueまたは False)で表してみました。

それでは、ここから生命を進化させていきましょう。

生命の属性

生命には、様々な属性があります。例えば、年齢や健康状態などです。
次のコードブロックを実行して、人工生命に属性を追加してみましょう。

life = True
age = 0
health = 100

print("人工生命の誕生!")
print(f"年齢:{age}、健康状態:{health}")

出力結果を確認してください。

人工生命の誕生!
年齢:0、健康状態:100

agehealth という変数を追加し、初期値として0と100を代入しました。これで、人工生命に年齢と健康状態という属性が加わりました。

属性は、生命の状態を表現するための重要な要素です。現実の生命も、年齢や健康状態、さらには性別、種類、大きさなど、様々な属性を持っています。これらの属性は、生命の個性を形作り、その振る舞いに影響を与えます。

生命の振る舞い

生命は、時間とともに変化します。年齢が増加し、健康状態が変動するかもしれません。
次のコードブロックを実行して、人工生命に振る舞いを追加してみましょう。

def age_up(life, age, health):
    if life:
        age += 1
        health -= 10
        print(f"人工生命は{age}歳になりました。健康状態は{health}です。")
    else:
        print("人工生命は存在しません。")
    return life, age, health

life, age, health = age_up(life, age, health)

出力結果を確認してください。

人工生命は1歳になりました。健康状態は90です。

age_up 関数は、人工生命の年齢を1歳増やし、健康状態を10減らします。この関数を呼び出すことで、人工生命に時間の経過による変化を与えることができます。

振る舞いは、生命の本質的な特徴の一つです。生命は、環境からの入力に応じて状態を変化させ、外部に出力を返します。この一連のプロセスが、生命の振る舞いを形作ります。

生命のシミュレーション

では、人工生命の一生をシミュレーションしてみましょう。次のコードブロックを実行してください。

while life and health > 0:
    life, age, health = age_up(life, age, health)

出力結果を確認してください。

人工生命は2歳になりました。健康状態は80です。
人工生命は3歳になりました。健康状態は70です。
人工生命は4歳になりました。健康状態は60です。
人工生命は5歳になりました。健康状態は50です。
人工生命は6歳になりました。健康状態は40です。
人工生命は7歳になりました。健康状態は30です。
人工生命は8歳になりました。健康状態は20です。
人工生命は9歳になりました。健康状態は10です。
人工生命は10歳になりました。健康状態は0です。

人工生命は、健康状態が0になるまで年を重ねていきました。そして、10歳で一生を終えました。

このように、属性と振る舞いを定義し、それらを時間の経過とともに変化させることで、生命のようなシステムをシミュレーションできます。

より複雑な人工生命へ

ここまでの例は、非常に単純化されたものでした。しかし、この基本的なアイデアを発展させることで、より複雑で興味深い人工生命システムを構築することができます。

例えば、以下のような要素を加えることができます。

  • 複数の個体を導入し、個体間の相互作用をモデル化する
  • 個体の遺伝情報を導入し、世代を超えた進化のプロセスをシミュレートする
  • 環境との相互作用を導入し、個体の適応度に基づく自然選択のプロセスを再現する
  • ニューラルネットワークを導入し、個体の学習と意思決定の過程をモデル化する

これらの要素を組み合わせることで、自然界の生命現象により近い人工生命システムを作ることができます。そして、そのプロセスを通じて、生命の本質的な性質や、進化のメカニズムについての理解を深めることができるのです。

おわりに

本記事では、Pythonを使った人工生命の構築方法を、非常に簡単な例を通して紹介しました。

人工生命研究は、生命の本質を探求するための強力なアプローチです。コンピュータの中に生命をシミュレートすることで、我々は生命の設計原理について新たな洞察を得ることができます。

皆さんも、ぜひ自分なりの人工生命を作ってみてください。

この記事はここで終わりですが、人工生命の記事はまだ書きます。
次の記事をお待ちください。

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