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身近なものを測ってみよう~定量化恐怖症からの脱却~

Last updated at Posted at 2022-12-07

グロービスでスクラムマスター、テックリードなどをしている@tom_bo_meganeといいます。
今回はメトリクスをもとにした改善への第1歩を書きます。

はじめに

仕事をしていると定量的表現を考える機会があると思います。
むしろ、定量的に話すことを求められることが増えていますね。
「しっかり定量的に根拠を出して納得してもらわないと」とプレッシャーを感じることはないでしょうか?
「定量的に改善効果を把握して、根拠を示したい」と思われている方もいるかもしれません。
そのような方に、すぐにできるアプローチをお届けします!
実際に私が経験したチームの改善事例も紹介しますので、ぜひ第1歩を踏み出していただければ幸いです。

身の回りのものを測ってみよう

小学校の算数で定規を持っていろいろな物の長さを測る感じです。
普段、仕事をしていて測れるものを探してみてください。
以下のようなものがあるのではないでしょうか?

  • 届いたメールの数
  • 出席した会議の時間
  • タイピングした文字数
  • 対応した問い合わせの件数

割合を使ってみる

先ほど探した測れるものに割合を使ってみます。

  • 1日に届いたメールの数
  • 1日に出席した会議の時間
  • 1時間にタイピングした文字数
  • 1か月に対応した問い合わせの件数

こうすると考える幅が出てきます。

  • 1日に届いたメールのうち、読んだメールの数
     -> 読まなくても良いメールが届くのを減らしたい
  • 1日に出席した会議のうち、自分の発言や判断が必要だった会議の時間
     -> 出なくてもよい会議を減らしたい
  • 1時間にタイピングした文字数の1日の変化
     -> 多くタイピングできる時間帯に作業を集中したい、会議を入れたくない。
  • 1か月に対応した問い合わせのうち、多かった内容
     -> FAQを作って、対応しなくても大丈夫にしたい

このように直接測れるものに割合を入れると課題調査や改善策を考える取っ掛かりになります。

改善事例

ここからは私が経験した改善事例の取り組みを紹介します。
自社サービスの開発・運用(顧客対応含む)・セールス支援の対応を行うチームの事例です。
順調に開発を行えるチームになり、お客様も増えだしたころ、予定した開発が終わらないようになっていきました。
図のようにバーンダウンチャートの残作業がにならないことが続く状況です。
バーンダウンチャート.jpg

ふりかえりをして感覚的に、以前よりも開発に時間を取れていない気がするとの声が出ました。
感覚をより正確に調べようということで、何にどれだけ時間を使っているか?を記録するようにしました。

2週間測定したところ、図のようにおおよそ開発:開発以外=2:8という割合でした。
感覚では開発:開発以外=5:5ぐらいは・・・と思っていたので衝撃でした。
もはや、これ以上の開発はできないと絶望したほど。。。

稼働割合(改善前).jpg

この結果をもとにふりかえりをして、改善の対象を開発以外の作業に焦点を当てることにしました。
「開発以外の割合を減らして、開発の割合を増やす」ことを目指したからです。

顧客問合せのFAQ作成、セールス支援作業の自動化、属人作業の解消などに取り組み、開発以外の作業割合を減らしていきました。
3か月で図のようにおおよそ開発:開発以外=6:4まで回復し、予定どおりの開発を行えるようになりました。
生産力だけで見ると改善前の約3倍です。

稼働割合(改善後).jpg

何にどれだけ時間を使っているか?を測っていなければ、開発作業に焦点を当てて改善を検討していたかもしれません。
さらに、属人作業の解消のコツを得たことで、開発作業の効率も上がっていくようになりました。

おわりに

改善のスタートは感覚からかもしれません。
そこから調査するために定量的な考察に抵抗があると、なかなかチームを巻き込んで改善をすすめることができません。
「身近なものを測る、同じやり方でチームのみんなにも測ってもらう」のうち、身近なものを測ることから第1歩を踏み出してみませんか?

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。

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