Excel VBA（マクロ）でセルの内容を読上げ-その1

動画にナレーションを入れるのに、無料の音声合成を使っていました。

ただ、いろいろな制約で、オンラインでの音声合成は不可。
無料ソフトでも、Admin権限を持たせてもらえないので、インストールも不自由。

したがって、
Balabolkaのポータブル
を使っていました。
かなり、使えるソフトなのですが、Windowsの標準で入っているHarukaしか選択できないのが不満。
Windows標準機能のナレータでは、Ayumi、Sayaka、Ichiroも選択できるのに。

Excel2019が入っているＰＣなので、Excel VBA（マクロ）で、可能にする様にしました。

声を選択できるようにする

以下の設定で、声を変数に入れます。

    '声を入れるためのオブジェクト変数
    Dim HarukaVoice, AyumiVoice, SayakaVoice, IchiroVoice, ZirVoice As Object
    'SpeechAPIのSpVoiceおよびSpObjectTokenCategoryの変数
    Dim sapi, cat As Object

Private Sub voice_object()
    'SpeechAPIの設定
    Set sapi = CreateObject("SAPI.SpVoice")
    '読み手の分類設定
    Set cat = CreateObject("SAPI.SpObjectTokenCategory")
    '分類の参照先をSpeechフォルダからSpeech_OneCoreに変更
    cat.SetID "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Speech_OneCore\Voices", False
    '読み手の名前を参照し、オブジェクト変数に収容
    For Each token In cat.EnumerateTokens
        'はるか
        If token.GetAttribute("Name") = "Microsoft Haruka" Then Set HarukaVoice = token
        'あゆみ
        If token.GetAttribute("Name") = "Microsoft Ayumi" Then Set AyumiVoice = token
        'さやか
        If token.GetAttribute("Name") = "Microsoft Sayaka" Then Set SayakaVoice = token
        '一郎
        If token.GetAttribute("Name") = "Microsoft Ichiro" Then Set IchiroVoice = token
    Next
    '英語のZirは、Speech_OneCoreに無いので、Speechの中の英語(409)を指定
    Set zirVoice = spi.GetVoices("language=409")(0)
    Set cat = Nothing
    Set sapi = Nothing
End Sub

これで、 voice_object をCallすることで、声を選択できます。

使い方：

Sub 読上げ()
    '話し手の設定
    Call voice_object
    '音声合成エンジン設定
    Set spai = CreateObject("SAPI.SpVoice")
    '読み手　一郎
    Set sapi.Voice = IchiroVoice
    '現在地の内容を読上げ
    sapi.Speak ActiveCell

    Set sapi = Nothing
End Sub

Balabolkaのポータブル
で可能だった、読上げスピードやピッチ（声の高低調整）をすることも可能です。
TTS（Text To Speech）で基準となっている内容で、前後に「<Rate speed=""> </Rate>」
「<Pitch middle=""> </pitch>」を置くことで調整可能です。
speed, middleの後の「””」の中には、-10～10の値が入ります。0が標準。

    '現在地の内容を読上げ
    sapi.Speak "<Rate speed="3"><Pitch middle="-5">" & ActiveCell & "</Pitch></Rate>"

とすることで、速さが+3され、ピッチが5 低くなります。
ちなみに、ピッチについては、24で1オクターブ上下する規格になっています。
±10しか許されていませんが。

その２ -読上げ内容を音声ファイルに保存する- へ続く