LoginSignup
15
6

More than 3 years have passed since last update.

1.1 MATLABによる画像処理の基本

Last updated at Posted at 2020-03-31

目次へのリンク

MATLABによる画像処理・コンピュータービジョン入門目次

概要

MATLABによる画像の取扱いを見ていきます。画像は行列操作とみなせますのでMATLABが得意な領域です。

対応ファイル:I1_01_commandline.m

四則演算、代入、セミコロン

MATLABはインタプリタ型の言語ですので、コマンドウィンドウでリターンキーを押すことで結果をすぐに見ることができます。

MATLABコード
2+3
実行結果
ans = 5

変数定義不要です。

MATLABコード
a=2+3
実行結果
a = 5

セミコロンを付けると結果を表示しません。

MATLABコード
a=2+3;

行列操作による画像の取扱い

ここでは、magicという関数を用い、1から25の数を一回ずつ使い、縦・横・斜めどこを足し合わせても、同じ数になる、魔方陣という行列を生成してみます。

MATLABコード
>> magic(5)      % 先ず、5行5列の行列を生成します。
実行結果
ans = 5x5    
    17    24     1     8    15
    23     5     7    14    16
     4     6    13    20    22
    10    12    19    21     3
    11    18    25     2     9

行列を変数Aに代入

MATLABは変数の定義が必要ありませんので、このように、変数Aに代入することで変数が自動的に作成されます。

MATLABコード
A=magic(5) 
実行結果
A = 5x5    
    17    24     1     8    15
    23     5     7    14    16
     4     6    13    20    22
    10    12    19    21     3
    11    18    25     2     9

行列を画像として表示

MATLABには、可視化用の様々な関数が用意されています。 ここではimshowという関数を用いて表示したいと思います。 1が真っ黒・最大値の25が真っ白として表示します。

MATLABコード
imshow(A, [],'InitialMagnification','fit');

figure_0.png

このように画像が表示されますが、行列のそれぞれの要素の値が、各Pixelの明るさに対応していて、2次元行列と画像が1:1に対応していることが分かります。

10以下のものを除去し、10より大きなものは残す

MATLABでは行列のまま取り扱えますので、簡潔な記述で処理をすることができます。MATLABでは、行列に対する様々な便利な演算子が用意されており、例えば、行列の各要素と、数値10を比較したいときには、比較演算子が使えます。

MATLABコード
B=A<10
実行結果
B = 5x5 の logical 配列    
   0   0   1   1   0
   0   1   1   0   0
   1   1   0   0   0
   0   0   0   0   1
   0   0   0   1   1

このように、行列と数字10を比べてやることで、10よりも小さい要素位置には1、10以上のところは0になった行列を得ることができます。

MATLABでは小かっこで要素を指定

例えば、行列のAの第1行・1列目を指定するには小かっこを用います。

MATLABコード
A(1,1)
実行結果
ans = 17

要素の指定には行列を使うことも可能

要素指定部分に、B行列をつかうとB行列の1のところの要素のみ取り出すことができます。

MATLABコード
A(B)    
実行結果
ans = 9x1    
     4
     5
     6
     1
     7
     8
     2
     3
     9

B行列の1の要素に対してのみ処理を実行

要素指定部分にB行列を使い、代入を行うことも可能です。

MATLABコード
A(B)=1
実行結果
A = 5x5    
    17    24     1     1    15
    23     1     1    14    16
     1     1    13    20    22
    10    12    19    21     1
    11    18    25     1     1

可視化して確認

画像解析の機能が豊富な、imtoolという別のツールを使ってみます。

imtool(A, []);

figure_1.png

灰色部分が値1になり真っ黒になっていることが分かります。右下に、マウスの座標やその位置の値が表示されます。定規アイコンで距離を測ることもできますし、イメージ の下の ピクセル領域 というメニューを使うと、このように各Pixelの明るさの値を表示することもできます。カラーの場合は、3つの値が表示されます

行列をスカラーと同様に扱える

MATLABコード
A+10
実行結果
ans = 5x5    
    27    34    11    11    25
    33    11    11    24    26
    11    11    23    30    32
    20    22    29    31    11
    21    28    35    11    11

MATLABコード
sin(A)
実行結果
ans = 5x5    
   -0.9614   -0.9056    0.8415    0.8415    0.6503
   -0.8462    0.8415    0.8415    0.9906   -0.2879
    0.8415    0.8415    0.4202    0.9129   -0.0089
   -0.5440   -0.5366    0.1499    0.8367    0.8415
   -1.0000   -0.7510   -0.1324    0.8415    0.8415

飽和処理も自動で行ってくれる

符号なし8bit整数型(uint8)はデフォルトで飽和処理が有効になっています。意図しないオーバーフローを防いでくれます。

MATLABコード
a = uint8(255)
実行結果
a = 255
MATLABコード
a + 1
実行結果
ans = 255

論理インデックスの活用

A行列と10を比べて作ったB行列を画像として表示してみます。

MATLABコード
B
実行結果
B = 5x5 の logical 配列    
   0   0   1   1   0
   0   1   1   0   0
   1   1   0   0   0
   0   0   0   0   1
   0   0   0   1   1

MATLABコード
imshow(B,[],'InitialMagnification','fit');

figure_2.png

10よりも小さい要素は白、10より大きい要素は黒の二値画像になっていて、大小比較演算だけで2値画像が作れることが分かります。その他にも、例えば、ある行列の一部を0にしたい場合は下記のように~(論理否定)が使えます。

MATLABコード
B                % このようなB行列の1のところを、先ほどのように1にするのではなく0にしたい場合
実行結果
B = 5x5 の logical 配列    
   0   0   1   1   0
   0   1   1   0   0
   1   1   0   0   0
   0   0   0   0   1
   0   0   0   1   1

MATLABコード
~B               % チルダで、行列の0, 1を反転
実行結果
ans = 5x5 の logical 配列    
   1   1   0   0   1
   1   0   0   1   1
   0   0   1   1   1
   1   1   1   1   0
   1   1   1   0   0

MATLABコード
A                % A行列を確認
実行結果
A = 5x5    
    17    24     1     1    15
    23     1     1    14    16
     1     1    13    20    22
    10    12    19    21     1
    11    18    25     1     1

MATLABコード
A .* ~B          % チルダB の各行列の要素同士の掛け算 (*の前に.を置くことで出来ます)
実行結果
ans = 5x5    
    17    24     0     0    15
    23     0     0    14    16
     0     0    13    20    22
    10    12    19    21     0
    11    18    25     0     0

目次へのリンク

MATLABによる画像処理・コンピュータービジョン入門目次

参考

謝辞

本記事は@eigsさんのlivescript2markdownを使わせていただいてます。

15
6
3

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
15
6