QGIS 3.20 Odense
いつのまにか QGIS 2.x の最後のバージョンである QGIS 2.18 のマイナーバージョンを越えましたね。
さて QGIS 3.20 から少し変わったことがあります。少し検索しましたが英語も含めほとんど情報がみつからなかったので簡単にですが説明しておきます。
なお、機能に関してはの話ではありません。機能面については Visual Changelog を参照してください。
Release Candidate
スプラッシュ画像にもあるように現時点でリリースされている 3.20.0 は RC 版( Release Candidate; リリース候補版)となっています。
あまりちゃんと広報はされていないようですが、 3.20 から X.YY.0 はリリース候補版という位置付けで、開発版というわけではないですが広く問題点や意見などのフィードバックを受け付けるバージョンとし、本格的なリリースは X.YY.1 からとするようです。
詳しくは下記メーリングリストの投稿を参照。
インストーラがでっかくなったよ
QGIS 3.20 から Proj に Proj8 がパッケージされたほか、 Proj-data も一緒に同梱されるようになりました。 PROJ-data だけでも 500 MB あります。
Proj は座標変換を行うライブラリですが、統一的な計算式で変換できない局地的なパラメータのデータで、日本でいえば国土地理院が公開している日本のジオイド2011が含まれています。(測量法に基づく許諾は取得されています。)
このデータは高精度のジオイド高データであり、楕円体高から高精度な標高値を求める際に使用されます。すなわち EPSG:6667 - JGD2011 (latitude, longitude, ellipsoidal height) から EPSG:6697 - JGD2011 (latitude, longitude, vertical height) に変換できます。
詳しくは PROJ 7.2 の標高変換をご覧ください。
とはいえ GNSS 測位の座標処理のためユーティリティとしての Proj を使うならまだしも、 QGIS でどのくらい使うかというと疑問です。もしかしたら今後分離されるようなこともあるかもしれません。
OSGeo4W ( Windows 版ネットワークインストーラ)
従来 testing と呼ばれていたリポジトリがデフォルトになりました。
詳しくはダウンロードページをみてください。