金谷一朗氏の本の読書ノートから
#クォータニオンとは
クォータニオンは回転軸(三次元ベクトル)と回転角を表現できる。
A=(w;\quad x\quad y\quad z)=(w;\quad v)
みたいに表記されるが、ベクトルと角度がそのまま入っているわけではなくて、ベクトルが(x y z)、角度がθの時は
A=\left( \cos { \frac { \theta }{ 2 } } ;x\sin { \frac { \theta }{ 2 } } \quad y\sin { \frac { \theta }{ 2 } } \quad z\sin { \frac { \theta }{ 2 } } \right)
という様になっている。
回転の合成はクォータニオン同士を掛けあわせることで実現し、
A=(a;\quad U)\\ B=(b;\quad V)\\ AB=(ab-U・V;\quad aV+bU+U×V)
となる。
なぜこのような計算で表すことが出来るのか、ということをメモしておく。
#前準備:二次元上の回転
##定義
###複素代数
[[a,b]]≡a+ib\quad (a,b∈R)
と定義する
また Z=[[a,b]] の時
共役
Z^{ * } ≡ [[ a,-b ]]
ノルム
\left\| Z \right\| ≡\sqrt { a^{ 2 }+b^{ 2 } }
逆数
Z^{ -1 } ≡ \frac { Z^{ * } }{ \left\| Z \right\|^2 }
指数
expZ ≡ \sum _{ i=0 }^{ \infty }{ \frac { Z^{ i } }{ i! } }
とする。
###行列
指数
expM≡\sum _{ i=0 }^{ \infty }{ \frac { M^{ i } }{ i! } } \quad (M^{ 0 }≡E)
##複素数の行列表示
I^2=-E
となる行列Iを考える。ここでは
I≡\begin{bmatrix} 0 & 1 \\ -1 & 0 \end{bmatrix}
とする。また次の行列を考える。
[[ a,b ]]_{ M } ≡ aE+bI \quad (a,b∈R)
これは[[a,b]]と演算規則は同じであり、つまり同じものと見ることが出来る。よってオイラーの公式もそのまま成り立つ。
exp(I\theta )=E\cos { \theta } +I\sin { \theta }
##二次元の回転行列
時計回りを正とすると以下のように書ける
\begin{pmatrix} x' \\ y' \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \cos { \theta } & \sin { \theta } \\ -\sin { \theta } & \cos { \theta } \end{pmatrix}\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}
この時回転行列T(θ)は
T(\theta ) = [[ \cos{ \theta } ,\sin{ \theta } ]]_{ M }
と書けることが分かる。
##複素平面上での回転
X=[[a,b]]のとき
[[ a',b' ]] = [[ \cos { \theta } ,\sin { \theta } ]] [[ a,b ]]
と書ける。回転行列と違い、回転するものとされるものが同格になっていることがわかる。