1.企業が考える英語力とは
2.ビジネスパーソンが考える英語力とは
3.トーイックテストとは何か
4.英検とは何か
5.トーイックと英検の違いについて
6.ビジネス英会話と日常英会話の違いについて
7.仕事で使える英語はビジネス英会話で学ぼう
1. 企業が考える英語力とは
現代において、仕事で英語を使う機会はたくさんあると思います。日本で仕事をしていると大抵は日本語でのコミュニケーションだと思いますが、多国籍の外資系企業や海外の取引先と英語でのやり取りを行う場合、又、TOEICや英検の取得が昇進・昇給の対象となっている場合などは英語を使ったり、英語学習をしたりすると思います。
少し前の調査になりますが、IIBCの「英語活用実態調査2019」によると、英語の使用状況について現在は「英語は海外との取り引きがある部署だけで使われる」が61.0%と使用状況理由の中で最多だが、3年後の見通しでは38.8%と大幅に減少しています。一方で、「人材採用時、配属部署の決定や異動時に、一定の英語力が求められる」は現在18.0%だが、3年後の見通しでは36.7%と大幅に増加しています。つまり、現在は海外との取り引きがある部署などを中心に英語が使われていますが、今後はより多くの場所やシーンで英語が使われ、採用や人事異動でも英語力が重要視されるのです。
企業が考える重要なスキルについても英語力が82.6%と最多で、続いてコミュニケーションスキルが80.7%でした。又、不足しているスキル・今後強化する必要がある知識やスキルについても英語力が67.0%と最多であることから、今後仕事で英語が使えることはビジネスパーソンにとって重要なことであると企業は考えているのです。
2. ビジネスパーソンが考える英語力とは
20代~50代のビジネスパーソンを対象にした、英語に対する意識調査でも「英語は海外との取り引きがある部署だけで使われる」「社内で英語を使うことはない」など英語を使う人が限られており、日常的に英語を使う人は多くないようです。又、自身の英語スキルについても「挨拶が出来る」「取引先や海外支店とメールでやり取りが出来る」「簡単な業務連絡が出来る」など、初中級者程度の英語スキルであると考える人が最も多いようです。
企業が「仕事で英語を使えることはビジネスパーソンにとって重要である」と考えていても、そのビジネスパーソンが英語力の向上として抱える課題について「仕事で英語を使う機会がない」「学生時代に身に付けるべき英語力が身に付いていなかった」「仕事量が多く、英語を学ぶ時間が取れない」「やる気が続かない」など、企業とビジネスパーソンのそれぞれに英語学習の課題があるように思います。
そのような課題がある中でも、昇進・昇給のためにTOEICや英検の学習を行い、スコアを獲得しようと奮闘する方もいれば、外資系企業や英語を使って仕事をする環境に転職する為に英語学習を進める方もおり、海外出張や取引先の関係で英語を使う環境に身を置かれた方もいると思います。特に多いのは、仕事で英語を使う機会は少ないけれど、昇進・昇給を考えてTOEICや英検のスコア取得を目指す方々ではないでしょうか。
実際に多くの企業がTOEICや英検を採用や昇進・昇給の指標としていることも多いです。インターネットで求人サイトを閲覧すると「TOEIC・英検資格保持者歓迎」や「TOEIC600点以上又は同レベルの英語力」などといった文言が、求めている人材として募集要項に記載されているのを見かけます。又、待遇・福利厚生や研修制度として「資格取得支援制度有り」「社内TOEIC」「社内語学研修」と記載されている企業もあります。
3. トーイックテストとは何か
それではまず、多くの企業が指標としているTOEICテストとはどのようなものなのでしょうか。TOEICテストとは、日常生活やグローバルビジネスにおける活きた英語の力を測定する、世界共通のテストです。聞く・読む力を測るListening & Reading Testと、話す・書く力を測るSpeaking & Writing Testsにより、4技能(聞く・読む・話す・書く)全ての英語コミュニケーション能力を表します。特徴としては、結果は合否判定ではなく、スコアで評価されます。世界160ヵ国で実施されており、特定の文化を知らないと理解出来ないような問題を除いているのでグローバルスタンダードとして広く活用されているのです。
4. 英検とは何か
次に、英検とはどのようなものなのでしょうか。英検とは「実用英語技能検定」といい、日常生活からビジネスまで、多岐にわたる分野の英語力を測定出来るようにつくられています。1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つの級があり、自分の実力に見合った級を選んで申し込みます。1級~3級は、4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)を測定し、4級・5級は、リーディング・リスニングの2技能のみを測定します。結果は合否判定で通知されます。
5. トーイックと英検の違いについて
それでは、TOEICと英検の違いは何でしょうか。TOEICは就活生や社会人を対象にしているので、ビジネスシーンやビジネスの話題が多く出題される傾向にあります。そのため、仕事で英語を使う人や就職活動時のアピールをしたい人、昇進・昇格を目指す人などに向いている資格だと考えられます。
一方、英検は幅広い分野の話題が出題されるので、受験者も小学生~社会人までと幅広いです。英検は4技能のレベルを測定出来るので、自身の英語力を総合的に確認することが出来、英語学習をしている学生や入試をひかえた受験生に向いている資格だと考えられます。
英検はTOEIC同様、就職活動において有利になる傾向にありますが、英検は日本独自の資格のため、仕事で使える英語を学びたい人や、外資系企業への就職・転職を考えている人は英検だけでなくTOEICも受験すると良いと言えるでしょう。
このように、TOEICも英検もそれぞれ特徴があり、必ずしもどちらがいい、と断言出来るわけではありませんが、自身が英語学習をする目的を考えつつ、その目的に見合った英語学習をする必要があります。
6. ビジネス英会話と日常英会話の違いについて
それでは、「仕事で使える英語」を学びたい人はどの英語学習をすればいいのでしょうか。それは、個人的にはTOEICであり、英検であり、日常会話であり、ビジネス英会話であると思っています。前述したように、TOEICはビジネスシーンを想定した話題が多く出題されるし、英検も日常生活からビジネスシーンまで幅広く想定しています。仕事中であっても仕事以外の話もするでしょうから日常英会話も出来るといいと思いますし、ビジネス英会話はその名の通りビジネスシーンに焦点を当てて学習するのでいいと思います。どの勉強法も英語学習としては遠からずですが、個人的に一番おススメなのはビジネス英会話を学ぶことです。
ビジネス英会話と日常英会話の違いは実は大きな違いはないのです。仕事をする上で、どの分野でも専門的な用語や言い回しを使うと思うので普段見慣れない単語や表現が出てくることもあると思います。ただ、基本的な文章の作り方はどちらも同じなのです。ビジネスシーンで使う日本語は丁寧語や尊敬語などを使って丁寧な表現で表しますが、英語でも同様にビジネスシーンではカジュアルな表現は避け、丁寧な表現を使うことが好まれるのです。
では、ビジネスシーンで使う丁寧な英語表現とは実際にどのようなものなのでしょうか。ビジネスシーンで使う丁寧な英語表現とは、基本的に省略形や短縮形、スラングなどを使わずに文章を作って受け答えする表現のことです。例えば日常会話でよく使われる5W1H(What/When/Where/Why/Who/How)はCould や Would などをつけて丁寧な表現にする必要があります。
また、ビジネスシーンでは専門用語をよく使います。専門用語を使う際にも省略や短縮はせず、丁寧な表現を使えば良いのです。専門用語を使うと聞くと一見難しそうな印象を持ちますが、全ての分野の専門用語を覚える必要はなく、実際は自分の専門分野の用語や自分の仕事に関わる用語を覚えれば良いのです。独特な表現が多くても、自分の専門分野の用語であればよく使うので耳にすることも多く、覚えやすいですね。
このように、ビジネス英会話と日常英会話の違いとは、基本的に大きな違いはないものの、ビジネスシーンでは省略形や短縮形、スラングを使わずに丁寧な表現を使うことと、専門用語の英語表現を学ぶことです。
7. 仕事で使える英語はビジネス英会話で学ぼう!
以上のことから、「仕事で使える英語」はTOEIC、英検、英会話教室など色々な勉強法がありますが、私はビジネス英会話で学ぶことをオススメします。なぜなら、ビジネス英会話は名前の通り、ビジネスに特化して学ぶことが出来るからです。何となく、「日常英会話よりもビジネス英会話の方が難しいんじゃないか…」というイメージがありますが、実はビジネス英会話の方が勉強しやすいのです。1つにビジネスではシーンやテーマが限られているので会話の内容を推測しやすく、その推測に基づいてある程度の受け答えを事前に学習することが出来るのです。専門用語を覚える必要はありますが、逆にそれさえ覚えてしまえば日常業務の経験から会話の内容が推測しやすく、その推測をもとに学習しやすいのです。2つ目はビジネスシーンでは丁寧で正確な表現を求められるので定型表現が多く、覚えやすいのです。電話での対応や会議、プレゼン、取引先との対応などの表現はある程度決まっているので、しっかりと覚えてしまえば一通りの業務を英語で対応することはそう難しくありません。
こうした観点から、「仕事で使える英語」を学びたいと考えている方は、ビジネス英会話で学ぶと良いことが分かります。
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