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商の導関数の公式って積の導関数の公式で行けるよね、の証明

Last updated at Posted at 2016-09-26

※このエントリはSchemeの例題を解くにあたって必要に迫られ、数学3の微分(導関数)をやり直した記録です。


\frac{f(x)}{g(x)}

って

f(x)  \times g(x)^{-1}

と書き直すことが出きるので、商の導関数の公式は積の導関数の公式で行けるはずだよね、と思ったのですが、その証明に手間取ったので記録。「そんなんネットに転がってるだろ」とググりまくったんですが、見付けられないものですなぁ。
さてまずの前提。

・積の導関数の公式

y=f(x) \times g(x)

ならば、yの導関数、y'は

y'=f'(x) \times g(x) + f(x) \times g'(x)

・商の導関数の公式は

y= \frac{f(x)}{g(x)}

ならば

y'= \frac{f'(x) \times g(x) - f(x) \times g'(x)}{{g(x)}^2}(式1)

さて証明すべきは


y = \frac{f(x)}{g(x)}

すなわち

y=f(x)  \times g(x)^{-1}

を積の導関数の公式で微分した式が、商の導関数の公式(式1)と一致すれば良いわけですな。では積の導関数の公式にしたがって展開してみましょう。

y' = f'(x) \times g(x)^{-1} + f(x) \times [g(x)^{-1}]'(式2)

(式1)の分母、分子に

g(x)^{-2}

を掛けると

y' = f'(x) \times g(x)^{-1} - f(x) \times g'(x) \times g(x)^{-2}(式3)

ところで

y=\frac{1}{g(x)}

のとき

y' = \frac{1' \times g(x) - 1 \times g'(x)}{g(x)^2} = -\frac{g'(x)}{g(x)^2} = -g'(x) \times g(x)^{-2} = [g(x)^{-1}]'(式4)

なので(式3)を

y' = f'(x) \times g(x)^{-1} - f(x) \times g'(x) \times g(x)^{-2}
   = f'(x) \times g(x)^{-1} + f(x) \times [-g'(x) \times g(x)^{-2}]

と変形して(式4)を代入すると

y' = f'(x) \times g(x)^{-1} + f(x) \times [g(x)^{-1}]' 

よって

y = \frac{f(x)}{g(x)} 

を商の導関数の公式にしたがって微分した式、(式1) = (式3)は、積の導関数にしたがって微分した式、(式2)と等しい。
QED.

余談(もしくは、「波よ、俺の苦心を聞いてくれ」)
・2週間くらい暇を見付けては、紙に鉛筆でごにょごにょ書いて、あーでもないこーでもないと試行錯誤した。
・肝は

y=\frac{1}{g(x)}

を微分すると

y' = -\frac{g'(x)}{g(x)^2}

となることに気付いて、(式4)を導き出せたことですな。まあ某古書店で立ち読みした「チャート式数学3」に記してあるのを発見したわけですが実は。
しかし2週間ほど試行錯誤を重ねていたからこそ、この式を見た瞬間、閃いたに違いない。
というわけで誰か頑張った私を褒めてください。(厚かましい)

追記1

@ma-oshita さんがコメントで対数微分法の使用を提案されていたので
「あー、対数微分法ねー。対数微分法ってアレかー、アレだよねー……モスバーガーの新メニューのアレだっけ?」
状態になったのでまたチャート式数学3を立ち読みして勉強し直しました。もう高校数学の軽い復習本くらい買っとこうかしら。

では


y = f(x) \times g(x)^{-1} (式1)


y = \frac {f(x)} {g(x)}  (式2)

を対数微分法で微分した式が一致したら、商の導関数の公式が積の導関数の公式でも代用可能としましょう。(これでいいのか?)

式1のとき


\log y = \log (f(x) \times g(x)^{-1})\\

\begin{align}
\frac {y'} {y} &= \log (f(x) \times g(x)^{-1})' \\
&= ( \log f(x))' + ( \log g(x)^{-1})' \\
&= ( \log f(x))' - ( \log g(x))' \\
\end{align}

よって


y' = y \times [( \log f(x))' - ( \log g(x))'] ──A

また、式2は


\log y = \log \frac {f(x)} {g(x)}\\

\begin{align}
\frac {y'} {y} &= [\log \frac {f(x)} {g(x)}]' \\
&= ( \log f(x))' - ( \log g(x))' \\
\end{align}

よって


y' = y \times [( \log f(x))' - ( \log g(x))'] ──B

よって、式1を対数微分した式、Aと、式2を対数微分した式、Bは同値。Q.E.D.

……本当にこれで証明になっているのか疑問ですが、あの、間違っていたらコメント等で指摘していただけると幸いです。

追記2

@7shi さんにコメントで、私のゴチャゴチャした証明を、すっきりと証明しなおしていただきました。
展開した式をどうまとめるかばかりに気が向いてしまい、式の展開に気をつかえば良かったのですね。
ありがとうございました。

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