はじめに
最近JP1/AJS3(v13)を構築する機会があったので、構築手順を簡単にまとめてみました。
※本記事では動作確認のための最低限の設定しか行っていません。詳しい構築手順や設定方法は公式ドキュメントをご参照ください。
前提
- 検証用のため製品版ではなく評価版を利用する
- Amazon EC2で同じVPCにサーバ2台を構築する(構築手順は割愛)
- ネットワークやセキュリティグループのルール設定を適切に行う(設定手順は割愛)
- スーパーユーザー権限を所有するOSユーザー(root)で作業を行う
動作環境
- JP1/AJS3バージョン
- v13(評価版)
- マネージャーホスト
- os: Red Hat Enterprise Linux 9
- ami: ami-0014871499315f25a(64 ビット (x86))
- Viewホスト
- os: Microsoft Windows Server 2016 Base
- ami: ami-0f09363f613061e8c (64 ビット (x86))
JP1インストーラのダウンロード
下記URLからv13評価版をダウンロードします。(ダウンロードするには個人情報等を記載する必要があります)
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/jp1/evaluate/jp1/index.html#v13_010
下記インストーラをダウンロードします。
マネージャーホスト,エージェントホスト,JP1/AJS3 - Viewホスト,およびWeb ConsoleサーバのOSの言語設定が,JP1/AJS3で使用する言語と同じである必要があります。
言語設定が誤っている場合、文字化けが発生したり、定義データが書き換わってしまったりすることがあるようですが、今回はすべて英語環境(en_US.UTF-8)を使うので、localeなどは変更しないことにします。
JP1/Baseのインストール
まず、マネージャーホストに前提製品となるJP1/Baseをインストールします。
事前に必要なパッケージをインストールします。
yum install zip net-tools sysstat libnsl libnsl.i686 glibc.i686 libstdc++.i686
インストーラをLinuxサーバに配置して、解凍します。
unzip JP1AJS_1300L01.zip
isoファイルを/mediaにマウントします。
mount -t iso9660 JP1AJS_1300L01_P1.iso /media
インストーラを起動します。
/media/x64lin/setup /media/
ウィザードに従ってインストールを進めます。
インストール中にターミナルウィンドウのサイズを変更するとインストールが失敗してしまいますので、変更しないようにしましょう。
インストール完了後、インストーラの初期画面で「L」を入力すると、インストール済みのソフトウェアを確認することができます。
JP1/Baseを新規にインストールするとJP1ユーザーやユーザーマッピングなどが自動で初期設定されます。詳しく公式ドキュメントをご参照ください。
https://itpfdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/30213L4100/AJSZ0038.HTM
今回は初期設定のままで動かします。
JP1/AJS3 - Managerのインストール
上記「JP1/Base」のインストール手順を参考にJP1/AJS3 - Managerをインストールします。
JP1/Baseの起動
システムの起動/停止時にJP1/Baseが自動で起動/停止するように、JP1/Baseの自動起動/停止スクリプトを作成します。
cd /etc/opt/jp1base
cp -p jbs_start.model jbs_start
cp -p jbs_stop.model jbs_stop
以下コマンドでJP1/Baseを起動します。
/etc/opt/jp1base/jbs_start
サービスの状態を確認します。
/opt/jp1base/bin/jbs_spmd_status
KAVB3690-I Processing to report the status of JP1_BASE has started.
Display the running processes
process name process ID
jbscomd 1239
jbsroute 1240
jcocmd 1241
jbssessionmgr 1242
jbsplugin 1243
jbshcd 1244
jbshchostd 1245
jbssrvmgr 1282
jbslcact 1283
KAVB3691-I All the processes have started.
JP1/AJS3 - Managerの起動
システムの起動時にJP1/AJS3 - Managerが自動で起動するように、JP1/AJS3 - Managerの自動起動スクリプトを設定します。
viなどのテキストエディターで「/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start
」を開き、「/opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd」が記載されている行の先頭の「: # 」を削除します。
- 変更前
: # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd >/dev/null 2>/dev/null
- 変更後
/opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd >/dev/null 2>/dev/null
以下コマンドでJP1/AJS3 - Managerを起動します。
/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start
サービスの状態を確認します。
/opt/jp1ajs2/bin/jajs_status
KAVS0829-I Reporting the effective information of JP1/AJS has started.
<Logical host basis information>
Logical host JP1_DEFAULT
Status active
Start time Apr 06 2024 07:27
DB construction standard
Scheduler log file in use /var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log1.log
Alternate scheduler log file /var/opt/jp1ajs2/log/ajs-host-log2.log
<Logical host service information>
DB service count 1
DB service _JF0
Status active
Start time Apr 06 2024 07:26
restart count 0
Host service
Status active
Start time Apr 06 2024 07:26
restart count 0
Agent service
Status active
Start time Apr 06 2024 07:27
restart count 0
Scheduler service count 1
Scheduler service AJSROOT1
Status active
Start time Apr 06 2024 07:27
restart count 0
EmbedDB setup ID _JF0
KAVS0830-I Reporting the effective information of JP1/AJS has terminated.
JP1/AJS3 - Viewのインストール
インストーラ(JP1AJS_1300L01.zip)をWindowsサーバに配置して、解凍します。
「JP1AJS_1300L01_P2.iso」をマウントします。(ダブルクリックすればマウントされます)
JP1/AJS3 - Viewを選択して、「インストール」をクリックします。
インストールが完了したら、「Job Management System」を起動します。
JP1ユーザー名&パスワード、ホストを入力してログインします。
初期設定のままのため、下記ユーザー&パスワードになります。
ユーザー:jp1admin
パスワード:jp1admin
ホストはJP1/AJS3 - ManagerサーバのIPアドレスを指定します。(セキュリティグループの穴あけが必要です、デフォルトではTCPの20244番ポートが使われます)