はじめに
Linux MintでGoogle Driveを直接ファイルシステムとしてマウントする方法を解説します。
この方法により、Google Driveを通常のローカルフォルダのように扱うことができます。
rcloneを使用したCLIでの操作の為、他のディストリビューションでもある程度効果が期待できます。
動作環境
- OS: Linux Mint 22.1 x86_64
- Shell: zsh 5.9
- Terminal: gnome-terminal
方法1: rclone を使用(推奨)
1. rcloneのインストール
sudo apt update
sudo apt install rclone
2. Google Driveの設定
rclone config
設定手順:
-
n
を入力(新しいリモートを作成) - 名前を入力(例:
drive
) - ストレージタイプで
drive
を選択 -
client_id
とclient_secret
は空白のままEnter -
scope
は1
(フルアクセス)を選択 -
root_folder_id
は空白のままEnter -
service_account_file
は空白のままEnter - 高度な設定は
n
(デフォルト) - 自動設定は
y
(デフォルト)
ブラウザが開いてGoogleの認証画面が表示されるので、Googleアカウントでログインして許可してください。
3. 設定の保存
設定完了後、以下のような画面が表示されます:
Configuration complete.
Options:
- type: drive
- scope: drive
- token: {"access_token":"..."}
- team_drive:
Keep this "drive" remote?
y) Yes this is OK (default)
e) Edit this remote
d) Delete this remote
y/e/d>
y
を入力して設定を保存し、q
で終了します。
4. マウントポイントの作成
mkdir ~/GoogleDrive
5. Google Driveのマウント
rclone mount drive: ~/GoogleDrive --daemon
6. 動作確認
ls ~/GoogleDrive
Google Driveの内容が表示されればOKです!
基本的な使い方
ファイルの操作
# ローカルファイルをGoogle Driveにコピー
cp ~/Documents/example.txt ~/GoogleDrive/
# Google Driveからローカルにコピー
cp ~/GoogleDrive/example.txt ~/Downloads/
# ディレクトリの内容を確認
ls -la ~/GoogleDrive/
マウント状況の確認
df -h | grep GoogleDrive
アンマウント(取り外し)
fusermount -u ~/GoogleDrive
自動マウント設定
起動時に自動でマウントしたい場合:
1. スクリプトの作成
nano ~/mount-gdrive.sh
内容:
#!/bin/bash
rclone mount drive: ~/GoogleDrive --daemon
2. 実行権限の付与
chmod +x ~/mount-gdrive.sh
3. 自動起動への追加
- システム設定 → 自動起動するアプリケーション
- 「追加」で作成したスクリプトを指定
トラブルシューティング
よくあるエラーと対処法
エラー: Transport endpoint is not connectedの場合
fusermount -u ~/GoogleDrive
rclone mount drive: ~/GoogleDrive --daemon
権限エラーが発生する場合
sudo usermod -a -G fuse $USER
その後、ログアウト→ログインしてください。
パッケージが見つからない場合
パッケージ名のスペルを確認してください。
私は以下のスペルミスをしました↓
-
devfs2
→davfs2
-
google-drive-ocamlfuse
のハイフンの位置
便利なrcloneコマンド
# Google Driveの容量情報を表示
rclone about drive:
# 設定の確認
rclone config show
# ファイルの同期(一方向)
rclone sync ~/Documents/ drive:Documents/
# ファイルのコピー
rclone copy ~/Documents/file.txt drive:
注意事項
- インターネット接続が必要です
- 大きなファイルの同期には時間がかかる場合があります
- マウント中はGoogle Driveの容量制限に注意してください
- 終了時は必ずアンマウントしてください
マウント方法比較
最後に今回取り上げなかったマウント方法について比較します。
rclone を選ぶべき場合
本格的にGoogle Driveを活用したい場合、ファイル同期やバックアップが必要な場合、複数のクラウドサービスを使用する場合、パフォーマンス重視の場合
google-drive-ocamlfuse を選ぶべき場合
Google Driveのみ使用する場合、シンプルなファイルアクセスで十分な場合、コマンドラインに慣れていない場合
ファイルマネージャーを選ぶべき場合
とりあえず試してみたい場合、時々ファイルを確認するだけの場合、GUI操作しか使いたくない場合、設定を一切したくない場合
まとめ
Linux MintでGoogle Driveをマウントする方法として、rcloneは安定しており推奨されます。一度設定すれば、Google Driveを通常のローカルフォルダのように使用できるため、クラウドストレージの利便性を最大限に活用できます。