Roni Size “New Forms” (1997)
アメリカで吹き荒れていたヒップホップの嵐。それに対するイギリスからの回答といった趣きのこの音楽はドラムンベースと呼ばれました。こういうの(これに限らず下で紹介するアルバム全ても)を聴く時に最も大事なのは、低音をきちんと再生できる装置で聴くこと。PCのスピーカーから聞こえてくるのは、スカスカの、例えて言えば、音楽の小指の爪の先っぽ。かといって爆音で音楽を聴ける贅沢な環境を持っている人はそれほどいないでしょう。私がオススメするのは、ちゃんとしたオーディオメーカーのイヤフォン/ヘッドフォンです。1〜2万円あればそこそこの音質のものが手に入ると思います。遮音性の高いものであれば音量をそれほど上げなくても、良い音質で音楽を楽しめるでしょう。必要以上に大きな音で聴くのは耳にダメージを与えてしまいます。衰えた聴力は回復しないといいます。これからもっともっと音楽を楽しむために、どうか耳を大事にしてください。
Norah Jones “Come away with me” (2002)
彼女が22才の時に、ジャズの名門ブルーノートから出したファーストアルバム。まるで湧き出る泉のように音楽が溢れてくる。
The Jimi Hendrix Experience “Axis: Bold As Love”(1967)
アメリカからイギリスに渡って、誰も聴いたことがない音楽を創り出し、6年ほどの活動期間の後、27歳で早逝するという、嵐のような人生を歩んだ人。奇妙なファッションに身を包み、ギターを叩き壊して燃やすという過激なパフォーマンスのせいで、キワモノ的な扱いをされることもあった。でも、彼の音楽性の高さは、その音楽が半世紀を経た今でも人々の心を揺さぶり続けていることで証明されています。
David Bowie “Heroes”(1977)
ベルリンの壁(=立ちはだかる悪)を憎み、立ち上がった人々による、愛と勇気の勝利(1989年のベルリンの壁崩壊)を予言したかのようなアルバムタイトル曲。いつ聴いても勇気を与えてくれる。
Miles Davis “Kind of Blue”(1958)
ジャズは難しい? そんなこと全然ないです。響きを楽しみ、音の流れに身を任せるだけでいいんです。何度も聴いて、偉大なミュージシャン達のソロを口ずさめるようになる頃には、頭のキレがそうとうよくなっているはずです(マジで)。
Metallica “Master of Puppets”(1986)
アメリカの国民的作家であるスティーヴン・キングがファンであることを公言し、執筆中に彼らのアルバムをガンガンかけている、とインタビューで語っているのをどこかで読んだ。もしかしたらコーディング中に聴けば1980年代のキング作品みたいに「キレた」コードが量産できるかも、と思ってやってみた。「スラッシュメタルなんて」などとバカにしていると損をする。これは本当に効く。
The Beatles “Rubber Soul”(1965)
まさか「ビートルズ」を聴いたことがない、という人はいないと思うけど、もしいたら可哀想なのでご紹介します。その昔、世界中の若者から熱狂的に支持され、大人たちから眉をひそめられたバンド。これは彼らが20代前半の頃に作ったアルバム。音楽の神に愛されていたんでしょうね。奇跡のように輝く曲たち。
村治佳織 “ポートレイツ“(2009)
世界中のクラシック音楽ファンから愛されている本物の響き。聴きはじめると「あ、オレいま体に良いものを取り込んでるな」っていうのがすぐに分かる、それくらい本物。
プログラマーは技術だけでなく、知性を身につけるべきだと私は思っています。知性を身につけるには、よい映画をたくさん観て、よい本をたくさん読んで、よい音楽をたくさん聴くこと。
スティーブ・ジョブズはiPodのことを”Device for heart”と呼びました。ここで私が知性と呼んでいるものは、そのハートのことです。
この記事が、これからみなさんがよいものを見つけていくきっかけになってくれればうれしいです。