こんにちは、tmrtjと申します。
私は現在株式会社音圧爆上げくんという会社に所属しており、プロKagglerとして活動しています。
私は現在プロKagglerとして、業務の一環で、現在Kaggleで行われているコンペの一つであるJPX Tokyo Stock Exchange Predictionに参加しています。
また、今回の記事は、Kaggle上にNotebookとして同じ内容の記事を英語で投稿しています。
リンクはこちらです。
はじめに
JPX Tokyo Stock Exchange Predictionではオプションのデータが提供されています。
オプションとはデリバティブの一種で、ある期間に対象の資産を決められた価格で買う/売る権利です。
オプションを持つことは値動きに対する保険のような役割を果たします。
オプションの基本的な仕組みについては他にわかりやすい記事が多くあると思うのでそちらに譲ります。
今回は、オプションについて調べていたところ、市場に携わっている人たちの間では知られている経験則について学んだので、紹介したいと思います。
オプションについての理解がまだ浅いのでわかりにくいところもあるかと思いますがご容赦ください。
マグネット効果
まず紹介するのはマグネット効果です
マグネット効果とは、オプションの大きな建玉がある行使価格に原資産の価格が引き付けられるというものです。
例えば、日経平均先物のコールオプションで、権利行使価格28000円に大きな建玉があるとします。
日経平均先物の価格が28000円付近まで上がったとします。
このときコールオプションを持っている投資家は利益を確定したいという心理が働きます。
その場合、投資家はどうするかというと、日経平均先物をショートし、コールオプションのデルタをヘッジします。
つまり、大きなコールオプションの建玉がある場合、そのコールオプションの権利行使価格を原資産(今の例で言えば日経平均先物)が上回ると、その原資産に対して売りが出やすい、ということです。
プットオプションの建玉が大きい場合はその逆の現象が起きやすいです。
すなわち、プットオプションの権利行使価格を下回ると、そのプットオプションの原資産に買いが出やすいということです。
このようなメカニズムで、原資産の価格が権利行使価格に引き付けられることが磁石のようであることからマグネット効果と呼ばれます。
分散リスクプレミアム
オプションの価格はブラックショールズモデルなどを用いてプライシングされます。
逆に、こうした計算式を用いて、オプションの実際の市場価格から原資産のボラティリティを求めることができます。
こうして算出されたボラティリティを、「インプライドボラティリティ(IV)」と呼びます。
こうして算出されるインプライドボラティリティは、オプションの権利行使の期日ごとに異なることが知られています。
そこで、こうした、異なるオプションを組み合わせて算出したものがVIXや日経VIと呼ばれるものです。(詳細な計算式は複雑なので割愛します。)
これらの指数は、オプション市場全体による、この先の原資産のボラティリティの予測値と解釈できます。
このようなオプション市場に織り込まれているインプライドボラティリティと実際の原資産市場のボラティリティから算出できるものを「分散リスクプレミアム」と呼びます。
この分散リスクプレミアムは、「オプション市場が、実際の原資産価格のボラティリティに対して、どの程度、この先の価格変動を予測しているか」と解釈できます。
そして、この分散リスクプレミアムは原資産価格のリターンについて予測力を持つことが様々な文献で指摘されています。
最後に
株式会社音圧爆上げくんではプロKagglerを募集しています。
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今回の記事がコンペティションに取り組むにあたり、何らかの参考になれば幸いです。