38
24

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

AWS CDKで既存リソースをCDK管理下に置く方法

Last updated at Posted at 2020-10-11

注意
CDK v2.20.0, v1.152.0より cdk import 機能がリリースされています。 使い方
原理的にはこの記事で紹介する方法と同じですが、より簡易な手順でインポートできますので、ぜひお試しください。

CloudFormationには Resource importing機能 があります。
これを利用して、CDKで既存のリソースを管理できないかなと思いました。
実験してみたらできたので、その方法を共有します。

なお、これは fromArn 系のメソッドで既存リソースを 参照する 方法ではなく、CDKネイティブのリソースとして既存リソースを扱うことができる方法です。
参照: https://github.com/aws/aws-cdk-rfcs/issues/52

今回対象にするケース

Toy example として、既存のSQSキューをCDK管理下にインポートする方法を紹介します。

前提として import_test_queue という名前のSQSキューがすでに作成されているとします(下図。)

このいわば野良SQSキューをCDK管理下に置くことを、この記事での目標にします。

スクリーンショット 2020-10-11 22.38.57.png

手順

1. CDKでインポートしたいリソースを定義するコードを書く

CFnのResource importingを使うには、CFnテンプレートを用意する必要があります。
このテンプレートを生成するためのCDK Stackを定義します。
このコードは、これらの手順が完了した後同リソースを管理するためにそのまま利用することができます。

import-test-stack.ts
import * as sqs from '@aws-cdk/aws-sqs';
import * as cdk from '@aws-cdk/core';

export class ImportTestStack extends cdk.Stack {
  constructor(scope: cdk.App, id: string, props?: cdk.StackProps) {
    super(scope, id, props);

    new sqs.Queue(this, 'queue', {
      queueName: 'import_test_queue',
    });
  }
}
cdk.ts
#!/usr/bin/env node
import * as cdk from '@aws-cdk/core';
import { ImportTestStack } from '../lib/import-test-stack';

const app = new cdk.App();

new ImportTestStack(app, 'import-test-stack', {
    stackName: 'import-test-stack',
});

注意点として、 queueName は既存リソースと合わせてください。(今回は import_test_queue
また、Stack名についても今後作成するStackの名前と同一にする必要があります。(今回は import-test-stack

2. テンプレートを生成する

上記のCDKコードから cdk synth でCFnテンプレートを作成します。

npm run build
npm run cdk synth

cdk.out ディレクトリには下記の import-test-stack.template.json が生成されるはずです。

import-test-stack.template.json
{
  "Resources": {
    "queue276F7297": {
      "Type": "AWS::SQS::Queue",
      "Properties": {
        "QueueName": "import_test_queue"
      },
      "Metadata": {
        "aws:cdk:path": "import-test-stack/queue/Resource"
      }
    },
    "CDKMetadata": {
      "Type": "AWS::CDK::Metadata",
      "Properties": {
        "Modules": "aws-cdk=1.64.1,@aws-cdk/assets=1.64.1,@aws-cdk/aws-applicationautoscaling=1.64.1,@aws-cdk/aws-autoscaling=1.64.1,@aws-cdk/aws-autoscaling-common=1.64.1,@aws-cdk/aws-cloudwatch=1.64.1,@aws-cdk/aws-codeguruprofiler=1.64.1,@aws-cdk/aws-ec2=1.64.1,@aws-cdk/aws-eks=1.64.1,@aws-cdk/aws-elasticloadbalancingv2=1.64.1,@aws-cdk/aws-events=1.64.1,@aws-cdk/aws-iam=1.64.1,@aws-cdk/aws-kms=1.64.1,@aws-cdk/aws-lambda=1.64.1,@aws-cdk/aws-logs=1.64.1,@aws-cdk/aws-s3=1.64.1,@aws-cdk/aws-s3-assets=1.64.1,@aws-cdk/aws-sqs=1.64.1,@aws-cdk/aws-ssm=1.64.1,@aws-cdk/cloud-assembly-schema=1.64.1,@aws-cdk/core=1.64.1,@aws-cdk/custom-resources=1.64.1,@aws-cdk/cx-api=1.64.1,@aws-cdk/region-info=1.64.1,jsii-runtime=node.js/v14.13.0"
      }
    }
  }
}

3. 生成されたテンプレートをResource importing用に加工する

CFnのResource importingを利用するには、CFnテンプレートがいくつかの制約を満たしている必要があります。
このうち、上記のテンプレートが問題になるのは下記です:

  • DeletionPolicy が指定されている必要がある
  • AWS::CDK::Metadata リソースを含んではならない

この条件を満たせるように、先のテンプレートを手で編集します。
編集後のテンプレートは下記です。

import-test-stack.template.json
{
  "Resources": {
    "queue276F7297": {
      "Type": "AWS::SQS::Queue",
      "DeletionPolicy": "Retain",
      "Properties": {
        "QueueName": "import_test_queue"
      },
      "Metadata": {
        "aws:cdk:path": "import-test-stack/queue/Resource"
      }
    }
  }
}

なお、これらの制約ですが、最初からすべて予見して編集するよりは、実際に何度かインポートを試してみてエラー文を見ながら編集するのが良いと思います。

4. CFnのResource Importing機能でStackを作成する

ウェブコンソールから、下記の手順でStackを作成します。

スタックの作成既存のリソースを使用 をクリックし、Resouce importingのウィザードを開始します。
image.png

先程作成したテンプレートを指定してください。
image.png

インポートしたいキューの QueueUrl をSQSコンソールからコピーします。
スクリーンショット 2020-10-11 22.58.45.png

スタックの名前は、 cdk.ts で指定したものと同一にします。
image.png

これまで正しく実行できていれば、インポートできます。
リソースをインポート ボタンをクリックしてください。
スクリーンショット 2020-10-11 23.00.15.png

インポート完了です!
image.png

5. cdkから同じスタックをデプロイする

これで、CDKからStackを操作できるようになりました。
試しに cdk diff してみてください

diff
$ npm run cdk diff import-test-stack

Stack import-test-stack
Resources
[~] AWS::SQS::Queue queue queue276F7297 
 └─ [-] DeletionPolicy
     └─ Retain

先程手で追加したDeletionPolicyを削除するようなdiffが表示されています。
想定通りですね。

cdk deploy してみましょう。

$ npm run cdk deploy import-test-stack

import-test-stack: deploying...
import-test-stack: creating CloudFormation changeset...
[██████████████████████████████████████████████████████████] (3/2)

 ✅  import-test-stack

こちらもうまくいきました。

コンソールからStackを見ると、CDK Metadataリソースが合わせて作成されていることが分かります。
スクリーンショット 2020-10-11 23.18.37.png

以上で、手順は完了です。

CDKのコードを変更することで、CDKネイティブのStackと全く同様にリソースを変更できます。
これは fromArn などによる参照を取得する機能では実現できなかったものです。

$ npm run build && npm run cdk diff import-test-stack

Stack import-test-stack
Resources
[~] AWS::SQS::Queue queue queue276F7297 
 └─ [+] MessageRetentionPeriod
     └─ 1200

まとめ

  • CDKでも間接的にCFnのResource importingを使うことができます
  • 多くのサービスはResource importingが対応されているので、使うと良いでしょう
  • fromArn などを使うよりは、こちらのほうがCDKのメリットを享受しやすいです
38
24
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
38
24

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?