【Cocos2d-x】setScaleを使わずにスプライトを拡縮表示する方法

通常CCSpriteを拡縮するにはsetScaleを使うのが一般的です。

ですが、CocosBuilderをはじめとしてプログラムで記述する以外からスケーリングされる場合この方法は使えません。アニメーションの再生中にsetScaleした値が上書きされてしまうからです。

これはたとえば、CocosBuilderで作ったアニメーションしているスプライトをプログラムで拡大させたままアニメーションはCocosBuilderそのまま使いたい、という時に問題になります。

上記の書き方だと特殊な事例のように思えますがCocosBuilderでデータを作ったものの、後からTexture容量削減のために、Textureサイズは半分に、でも表示される画像はそのままにしたい、という時にも当てはまります。

ということで、setScaleを使わずに拡縮するには、下記のメソッドをオーバーライドします。

void CCSprite::setVertexRect(const cocos2d::CCRect &rect);
void CCSprite::setContentSize(const cocos2d::CCSize &contentSize);

これらを下記のようにすると、2倍に拡大されて表示されるはずです。

void MySprite::setVertexRect(const cocos2d::CCRect &rect) {
    CCSprite::setVertexRect(rect);
    m_obUnflippedOffsetPositionFromCenter = m_obUnflippedOffsetPositionFromCenter * 2;
    m_obRect.size = m_obRect.size * 2;
}

void MySprite::setContentSize(const cocos2d::CCSize &contentSize) {
    CCSprite::setContentSize(contentSize * 2);
}

詳しい中身はCCSpriteのソースを追って頂くとして、上記のように継承したクラスを使うと簡単にsetScaleを使わなくても拡大することができます。

ただし、基本的にこれはスプライト生成時にのみ呼ばれるので、デフォルトのスケーリング、という意味合いが強いです。

上記を踏まえて、CocosBuilderで作ったデータに含まれるCCSpriteを拡大させたい場合は、下記のようにするのが簡単です。

class MySprite : public CCSprite {
public:
    CREATE_FUNC(MySprite);
    void setVertexRect(const cocos2d::CCRect &rect);
    void setContentSize(const cocos2d::CCSize &contentSize);
};

class MySpriteLoader : public CCSpriteLoader
{
public:
    CCB_STATIC_NEW_AUTORELEASE_OBJECT_METHOD(MySpriteLoader, loader);
protected:
    CCB_VIRTUAL_NEW_AUTORELEASE_CREATECCNODE_METHOD(MySprite);
};

このようなクラスを作成し、ccbiファイルを読み込む時のCCNodeLoaderLibraryに

CCNodeLoaderLibrary* ccNodeLoaderLib = CCNodeLoaderLibrary::sharedCCNodeLoaderLibrary();
ccNodeLoaderLib->unregisterCCNodeLoader("CCSprite");
ccNodeLoaderLib->registerCCNodeLoader("CCSprite", MySpriteLoader::loader());

としてやると、CCSpriteをロードするときにMySpriteが使われ拡縮した大きさで表示されるようになります。

拡縮したくない場合には

CCNodeLoaderLibrary* ccNodeLoaderLib = CCNodeLoaderLibrary::sharedCCNodeLoaderLibrary();
ccNodeLoaderLib->unregisterCCNodeLoader("CCSprite");
ccNodeLoaderLib->registerCCNodeLoader("CCSprite", CCSpriteLoader::loader());

として、デフォルトで使われるCCSpriteLoaderに戻しておくことを忘れずに！