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ElasticBeanstalk の環境を Node.js12 から 16 にアップデートする際の躓きポイント

Last updated at Posted at 2023-02-06

はじめに

フルカイテンではフロントの WEB サーバ構築に ElasticBeanstalk を使用しており、Node.js 12 系で開発を行っていました。
しかし ElasticBeanstalk の Node.js12 プラットフォームは2023/02/01 時点で既に EOL を迎え、 リタイア状態となっています。
環境を複製できなかったり、セキュリティ面でのサポートも切れているため、早期に開発環境の Node.js バージョンアップと EB の Node16 プラットフォームを使用した新しい環境を作成する必要がありました。
実際に作業を行うと色々と躓いたポイントがあったため、本記事ではその具体的な内容と解決策を紹介します。

本記事の対象読者

  • ElasticBeanstalk(Node.js@12 Platform) で WEB サーバを構築している
  • Node.js のバージョンを12系から16系にアップデートする予定がある

バージョンアップ時の躓きポイント

(1) 環境のクローンができない

Beanstalk のプラットフォームのブランチアップデート(今回のように Node12 から 16 にあげるような場合)では、環境のクローンを作成したりすることはできません。
Beanstalk はマネージドサービスのため多種多様な設定項目がありますが、(コード管理していない場合) すべてのパラメータを目視で確認し同設定を反映する必要があるのか...? と一瞬絶望しました。
が、実際はそんなことはありません。
Beanstalk には現在の設定されているオプションを yaml で出力するという便利機能があります。 
今回は、プラットフォームブランチのアップデートのみが目的のため、以下の手順で新しい環境を作成することができました。

既存環境設定を引き継いで、新規環境を作成する

1. 現在稼働している環境の設定ファイルを保存する

AWS の公式ドキュメント を参考に現在稼働している環境の設定ファイルを保存後、 yaml ファイルを DL します。

2. 保存した yaml ファイルを複製し、 PlatformArn 指定を書き換える

今回は Node12 から Node 16 へプラットフォームブランチの変更のみ実施しました。

new-eb-config.yaml(us-east-1リージョンの場合)
Platform:
-  PlatformArn: arn:aws:elasticbeanstalk:us-east-1::platform/Node.js 12 running on
-    64bit Amazon Linux 2/5.5.0
+  PlatformArn: arn:aws:elasticbeanstalk:us-east-1::platform/Node.js 16 running on
+    64bit Amazon Linux 2/5.6.3

3. 変更した yaml ファイルから新しい環境を作成する

# プラットフォームを変更した yaml のファイル名を指定して、設定ファイルをアップロード
$ eb config put eb-new-config
# eb create ${新しい環境名} --cfg {設定ファイル名} で設定ファイルから新しい環境を作成する
$ eb create new-eb-node16 --cfg eb-new-config --sample

以上の手順だけで、既存環境の設定を引き継いだ、新しいプラットフォーム(Node.js16)の環境を作成することができます。
※ 新しい環境の作成は、ebcli を使用していますがコンソール上から行うことも可能です。

(2) node-sass のバージョン不整合

これで、新しいプラットフォーム(Node16)の環境はできたので、あとはデプロイするだけ…と思っていたら、今度は EB デプロイ時にエラーが発生しました。
ローカル環境では一切発生していないエラーで、なぜ Beanstalk のインスタンスだけ...?と色々調べていたら、
原因は node-sass と npm のバージョン不整合 でした。
node-sassの公式 にも対応している Node バージョンのサポートポリシーが記載されています。

  • ローカルの開発環境ではパッケージ管理ツールに yarn を使用していた
  • Beanstalk の Node.js プラットフォームは yarn ではなく npm を使用する

上記の問題により、 Beanstalk 環境でのみエラーが発生していました。
今回は node-sass は未使用のパッケージだったため、 package.json から node-sass の記載を削除するだけで問題は解消しました。

(3) npm のアップデートによる husky install エラー

(2) の問題を解消し、再度 Beanstalk にアプリケーションをデプロイすると、また違うエラーが発生していました。

husky install

sh: husky: command not found
npm ERR! code 127
npm ERR! command failed
npm ERR! command sh -c husky install

husky はGitのコミットやプッシュなどの特定のアクションが起こった時、リントなど任意のコマンドを実行できる開発者ツールで、フルカイテンでもコード品質の担保のために使用しています。
今回エラーになっている husky install は package.json の prepare で指定していました。
※ husky の公式ドキュメントでも prepare に記述するように記載されています
こちらも調査をしたところ、以下が原因でした。

・ Nodeアップデートに伴う npm のバージョンアップにより、prepare コマンドが実行されるようになったこと

▼ npm の Github にも issues が上がっています。

対応方法はいくつかあり、husky の issues でも議論されていますが、
今回は ignore-scripts というオプションを Beanstalk 環境でのみ true にする ( prepare コマンドを実行しない)という手法で対応しました。

手順は以下のプラットフォームフックファイルを、Beanstalk のデプロイアーティファクト(zip) に含めるだけです。

.platform/hooks/prebuild/01_npm_set_ignore_scripts.sh
#!/bin/bash
npm set ignore-scripts true

上記のファイルを含めて再度デプロイすると、正常にデプロイが完了し、Node16 環境でアプリケーションが動作することを確認できました:tada:

おわりに

本記事の内容以外にも「FULL KAITEN V3」の開発で工夫した点、改善点、苦労した部分などまだまだあります。

また、Rust、Athena、PySparkでビッグデータ処理に関わりたいエンジニアも募集しています。

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ぜひご覧ください!!

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