Azure Machine Learningではコンピュータリソース毎にvCPUの制限が掛かっており、使いたいリソースの上限が0になっている場合や上限に引っかかって使えない場合は、サポートへ連絡してクォータを引き上げる必要があります。今回はそのvCPUクォータを引き上げるための申請方法に関して解説します。
推論用GPUクラスターとして「NCv3 シリーズ」を使いたい場合を考えてみましょう。
クォータの確認
Azure Machine Learning Studioにアクセスし、[コンピューティング]->[コンピューティング クラスター]->[新規]をクリック。
場所は「Japan East」バーチャルマシン層「専用」仮想マシンの種類「GPU」仮想マシンサイズ「すべてのオプションから選択」を選択しましょう。
NCv3シリーズである「Standard_NC12s_v3」のクォータが足りていないことが確認できます。
クォータはサブスクリプションごと、リージョンごとに設定されています。例えば「Japan East」でNCv3シリーズが使えない場合でも、例えば「Asia East」で使える、ということがあります。他リージョンのクラスターを使った場合、ジョブ実行時にリージョン間のデータ転送が発生しますのでその分ジョブの実行が遅くなりますが、お試しで使ってみたい場合に活用しましょう。
クォータ引き上げの申請
一度ポータルに戻り、[Azure Machine Learning]->[(ワークスペース名)]->[使用量とクォータ]をクリックします。
「NCSv3 ファミリのvCPU」のクォータは確かに「0」になっており、クォータが不足していますね。それでは、クォータの上限を引き上げるために「クォータの増加を要求」をクリックしましょう。
[概要]に「Machine Learning クォータの申請(任意でOK)」を入力し、[クォータの種類]は「Machine Learning サービス:仮想マシン クォータ」を選択し、「次へ」をクリックします。
[詳細を入力]をクリック、今回は[場所]を「Japan East」、[VMの種類]を「専用」、VMシリーズは「NCSv3 シリーズ」を選択します。
申請の単位はvCPU(仮想CPUのコア数)となります。例えば「Standard_NC6s_v3」を10台使いたい場合、6(vCPU)×10(台)=60(vCPU)として申請します。
[高度な診断情報]は特にこだわりがなければ「はい」を選択し、ご希望の連絡方法と連絡先の情報を入力して「次へ」をクリックしましょう。
最後に[作成]をクリックし、申請は完了です。リソースの種類にもよりますが翌日~数日でメールにて申請結果が通知されると思います。
特にGPUサーバは22年7月時点で枯渇しているリージョンもありますので、申請が通らなければ別のリソースか別リージョンで申請しましょう。
まとめ
Azure Machine LearningのvCPUクォータの引き上げ申請について解説しました。Azure Machine Learningのその他クォータに関してはこちらのドキュメントに記載されていますので、合わせてご確認いただければと思います。