はじめに
世の中には、MS-DOS互換のOSが沢山ありますが、ここにFreeDOSという素晴らしいオープンソースソフトウェアがあります。
これを利用して、様々な用途に用いることが出来る環境を構築することとします。
主な用途は以下の通りです。他にもいろいろあるでしょう。
- 8086リアルモードでプログラミングする
- テキストWebブラウザでネットサーフィンする
- MS-DOS時代を懐かしむ
※本記事は下記の記事から分離したものとなります。
アセンブラを理解したいのならアセンブラを学べ(INT 21Hもあるよ) - Qiita
準備するもの
下記作業に移る前に、以下のソフトウェアを予めインストールしておく必要があります。
- Oracle VirtualBox
FreeDOSのインストール
公式サイトの記事が素晴らしく分かりやすいので、これに従って環境構築します。
基本的な流れは下記の通りです。
- "standard" installerをダウンロードする。
- VirtualBoxでFreeDOS用の仮想マシン(以下、VMと呼ぶ)を作り、CD-ROMドライブを追加する。
- 「"standard" installer」CDをマウントする。
- VMを起動させるとCD-ROMからブートするので、そこからインストーラを起動する。
- 必要なツールをインストールする。
- FreeDOSが起動する。
"standard" installerをダウンロードする
インストールCDはここからダウンロードできます。「CDROM “standard” installer」というリンクがそれです。
http://www.freedos.org/download/
VirtualBoxでFreeDOS用の仮想マシン(以下、VMと呼ぶ)を作り、CD-ROMドライブを追加する。
Vagrantは使わずに、Oracle VM VirtualBoxマネージャーからプリミティブにVMを作っていきます。
VMの名前は「FreeDOS12」としておきます。
タイプは「Other」、バージョンは「DOS」とします。
「必要なメモリーサイズは32MBです。」なんて表示されますが、多すぎじゃないでしょうか。32MB、なんと大容量なのでしょうか。これだけあれば何でもできる…!
この後HDDサイズも聞かれますが、基本的にはデフォルトの500MBで十分でしょう。というかこれも多すぎじゃないでしょうか。
昔はHDD1MBで1万円だった時代があったなんて、いったい誰が信じてくれるでしょうか…
あとは画面の案内に従って、作成を完了させます。するとこんな感じでVMが出来ます。よく見たらSoundBlaster 16互換のサウンドボードもついてますね。
先ほどダウンロードした"standard" installerのISOイメージを、VMのCD-ROMドライブにインサートします。
先ほど作ったVMを選択して「設定」ボタンを押し、ポップアップされたウィンドウの「ストレージ」を選択します。IDEのセカンダリが空になっているので、ここに先ほどダウンロードしたISOイメージを登録します。
念のためブート順序を確認し、CD-ROMドライブが優先されていることを確認します。
後はVMを起動するだけです。
VMを起動させるとCD-ROMからブートするので、そこからインストーラを起動する。
公式のインストール手順はこちらです。非常に丁寧に書かれています。
途中、どのパッケージをインストールするか聞かれますが、迷わずFull installationしてください。
Install Howto - FreeDOS
FreeDOSが起動する。
必要なツールをインストールする。
Full installationと言いつつも、開発ツールはインストールされません。FreeDOSのパッケージマネージャである、「FDIMPLES」を起動します。
C:\> FDIMPLES.COM
「Development」カテゴリのチェックが全て外れているので、カテゴリごとチェックを入れます。全部併せても大したディスク容量ではないので問題ありません。
後はエディタも入れましょう。とりあえずvi互換エディタであるelvisがあれば当面は困りません。ただ、よく見るとバイナリエディタみたいなものもあり、便利そうです。これも併せてインストールします。
おや?「Networking」なんてカテゴリもあります。すごい…ちゃんとTCP/IPが使えます…!
とりあえずこのあたりもチェックを入れておきましょう。
必要なパッケージのチェックが完了したら、TABキーで「OK」にフォーカスをあわせたのち、Enterを押し、処理を続行させます。
AUTOEXEC.BATのPATH設定を追加する。
パッケージをインストールしただけでは、elvisやJWasmにパスが通りません。elvisでAUTOEXEC.BATを編集しましょう。
C:\> \ELVIS\VI AUTOEXEC.BAT
デフォルトでは下記のパスしか設定されておりません。
SET PATH=%dosdir%\BIN
以下のように書き換えましょう。
SET PATH=%dosdir%\BIN;C:\ELVIS;C:\DEVEL\JWASM
最後に、書き換えたPATH環境変数を有効にするため、AUTOEXEC.BATを実行します
C:\> AUTOEXEC.BAT
これでセットアップは完了です。
おわりに
インターネット老人会案件だと思います、これ。