1.本ページの概要
Box利用にあたり、ファイルサーバやクラウドストレージからデータをBoxに移動して、Box上で社内データの一元管理を行い、セキュリティの向上や、業務効率性の向上を目指すケースが増えてきています。
本ページでは、Box Consulting松浦より、Boxへのデータ移行時にどのような考え方が必要になるか、説明させていただきます。
なお、Box社では、データ移行を行うツールとして、Box Shuttleという製品を提供しています。
契約ライセンスによりデフォルトで利用できる移行データ量は決まっていますが、最低10T/年は無償で利用可能になっていますので、こちらの製品の利用方法は以下サイトからご確認ください
https://support.box.com/hc/ja/sections/21356760348691-Box-Shuttle
2.データ移行では何をするのか?
データ移行を行うにあたり、純粋にデータを移す作業だけではない事が、データ移行の難しい所です。
部門で使っているファイルサーバは、常時データが更新されたり、アクセス権も複雑になっていたり、フォルダもエンドユーザーが自由に使っているので、影響が少ないタイミングで切り替えをする必要があるなど複雑な要素が絡み合ってきます。
データ移行の実現に向けては、事前準備やスケジュール作成、社内アナウンス等を行い、社内にしっかりと浸透させた上で、進めていく事が必要となります。
今回は大枠として、どのような作業が必要になるかを紹介します。
2-1 データ移行の準備
データ移行準備では、移行方針を決定するフェーズになります。
移行をリードする部門の中で移行にあたり必要なポイントをまとめていきます。(詳細は挿絵をご確認ください)
例えば、
・データ移行の方式として、差分移行を行い、エンドユーザーの影響を最小限にして移行する
・移行先フォルダはこれまでの構成のまま進めるのか?Boxにあった形へ修正するのか?
・アクセス権がBoxとファイルサーバでは考え方が異なるので、Box上でどのように権限をつけるか
など設計前に決めておく項目は多々あります。
これまでの事例では約1.5ヵ月程度かけて方針を決めていく事が多いフェーズになります。
2-2 データ移行計画
データ移行のジョブ設計や、詳細スケジュール、移行手順を決定するフェーズになります。
Boxへ実際にデータ移行テストを行い、速度測定を実行したり、
移行準備で決めた移行元、移行先に対してどのようなジョブで設計を行います。
例えば、データ移行テストでは100G程度の塊で実際にデータ移行を行い、現実的な速度を確認したり、処理上のボトルネックとなるポイントを確認したりします。
よくやるパターンとしては、ファイル数が多いパターンと少ないパターンのテストデータを同じサイズで容易し、どのくらい違いが出るかを確認します。
※注意点:
Boxへのアップロードは1ユーザにつき4Files/secとなっているため、ファイルが多い場合に速度が出ない場面は多々あります。その場合は、移行できるユーザ(所有者)を移行先で分けて移動するなどの工夫が必要になります。
データ移行スケジュールについては、当日作業の手順まで準備を行う必要があり、データのみShuttleで移動した場合、Box上での権限設定は、移行完了後にBox上で行う必要があるため、移行時間に作業も含めて調整が必要になります。
また、スケジュール作成が完了するフェーズでもあるので、これまでの方針も含めてユーザ説明会を行い社内周知等も行います。
2-3 データ移行実施
データ移行の実施フェーズは、ジョブの実行やユーザへの利用開始アナウンスを行うフェーズになりますので、基本的にはデータ移行計画までに作成した手順やスケジュールに沿って実行となります。
そのため、その場で方針を決める事はないですが、エラーハンドリングや想定外への対処が中心となります。
3.まとめ
ここまで大枠ではありますが、データ移行時のポイントを紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
データ移行を行う上では、今回紹介した内容以外にも検討事項があり、ある程度リソースが発生する作業となりますので、ご注意いただければと思います。
Box Consultingでは、過去のデータ移行ノウハウを持ったうえでお客様を支援する「計画策定支援サービス」やデータ移行時のQA対応を受け付ける「技術QAサービス」を準備しておりますので、もしもデータ移行でお困りの場合はお声がけいただければと思います。