この記事はBBSakuraNetworksアドベントカレンダー2022の13日目の記事です。
はじめに
多くのエンジニアがキーボードをカスタムし、自分に合った環境を構築してるかと思います。
今年久々にキーボード買って色々いじったので、備忘録も兼ねて記事にしてみました。
またせっかくなんで、キーボードカスタムを題材に少し深堀りもしてみました。
ことの始まり
もともとは以下をメインに使ってました。
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仕事用
- 東プレの"REALFORCE 91UBK"
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お家用
- Archissの”ProgresTouch RETRO TKL”
- FILCOっぽいキーボード
- CHERRY-MX、茶軸
- Archissの”ProgresTouch RETRO TKL”
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全部日本語配列キーボード
しかし転職を気に心機一転、英語配列キーボードを仕事用のメインにしようかなと思ったのがきっかけです。
実際出張が増えることも見据えてたので、持ち運びしやすいキーボードを欲してました。
カスタムするに至った経緯
もちろん最初から完成されたものが売られてたらそれを買いたいところなんですが、買うにあたり色々個人的な条件があって、それを満たすためにやむなくカスタムすることになった感じです。
ちなみに個人的にキーボード選定の条件は以下です。
※だいぶ細かいので興味があれば見てね
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- 独立配置
- Functionキー
- 自分のタイピング的にFunctionキーは必要
- 日本語文章を書いているときの、カナ変換「F7」、ローマ字変換「F10」
- エクセルやパワポなどのドキュメント編集時の、選択したオブジェクトに対して文字入力する「F2」(これがあるとダブルクリックする必要がなくイライラが減る)
- 自分のタイピング的にFunctionキーは必要
- 十字キー
- 今まで十字キーがないものを使ったことがなく、ないと不安
- 若干手癖みたいな話しですが、カーソル移動操作を右手親指でポチポチやりたいんですよね
- 今まで十字キーがないものを使ったことがなく、ないと不安
- PrintScreenキー
- ショートカット覚えられない、、、
- Deleteキー
- ショートカット覚えられない、、、
- Functionキー
- 軸を選べる
- 個人的には静かにさらさら打てるやつが好みなので、茶軸赤軸付近で静音ありのやつが好き
- MacBookに収まるサイズ感
- いわゆる尊師スタイル利用用途があったため
- とくにカフェで使うとき、机が結構狭いのでコンパクトになるのは大事
- そんな言葉があるのかと買ったあとから知りましたw
- いわゆる尊師スタイル利用用途があったため
- 持ち運び可能な重さ
- 出張先やカフェでもできるだけ使いたいので、軽いやつ
そんなこんなで色々調べた結果、"Keychron K3"というロープロファイル75%キーボードをベースに、少しだけカスタムする形で使うことを考えました。
軸はKeychron光スイッチの赤軸(CHERRY-MX互換)。
- 細かい決め手
- ロープロファイルを選んだ理由としては、もともとMacBookのキーボード(今のやつではなく2011年くらいのバタフライ)が結構好きで、似た感じになるかなと思って選んだ
- "Keychron K2"というフルサイズ版と迷ったが、軽さとか掃除のしやすさとか考えてK3にした
- 分離式キーボードが巷で流行ってる(自社でも使ってる人多い)が、私のタイピングが特殊でして、、、
- "Y"/"H"/"B"を左手で打つという手法のため、分離式は選べない
- 個人的に白軸も気になってて公式で買って交換する予定だったが、円安影響と、赤軸で丁度いい軽さだったので買わずに済んだ
- ロープロファイルを選んだ理由としては、もともとMacBookのキーボード(今のやつではなく2011年くらいのバタフライ)が結構好きで、似た感じになるかなと思って選んだ
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てことで、量販店のネット注文でポチっと購入!
※以下カスタムは、全部で4つあります。
【カスタムその1】Enterキーとの段差をつける
購入当初から唯一気になってたのが以下です。
- Enterキー/BackSpaceキーがある列と、PageUp/PageDown/Home/Endの列の間に空間がなく、タイポを引き起こしやすい
実際過去にこの配列のノートPCを操作することがあり、タイポを連発してて発狂した経験あり
この部分は買う前からフルサイズに変更することを前提としてました。(高さによる違いを出すことで、タイポを防止する作戦)
想定してたとおり、ここの打ち間違いはほどんど起きてないです。
ということで、一件落着。
【カスタムその2】ロープロファイルからフルサイズに変更
購入当初想定してた形になったので、うきうきでタイピングしていると、
- ロープロファイルについて、採用したはいいものの思った以上に慣れない
- 最初は慣れてないだけだと思って1ヶ月ちょっと使ったが、全然慣れない
- 休みの日にひたすらタイピング練習サイトで打ち込みましたけどダメでした
- 最初は慣れてないだけだと思って1ヶ月ちょっと使ったが、全然慣れない
ていう不満にいきなりぶつかりました。
原因を考えてみたところ、ある結論にたどり着きました。
写真を見ていただくとわかるかと思いますが、横幅が結構違います。
ブラインドタッチの場合、全部感覚で打ってるので、この微妙な違いにかなりの慣れが必要だったんだと思います。
正直そこまでロープロファイルにこだわりもないし、フルサイズのほうが音とかはいいと思ってるんで、替えれる箇所は全部フルサイズに替えました。
【カスタムその3】アルファベット部分のキートップ変更
フルサイズ変更し、るんるんでタイピングしてると、
- なんかたまに指が引っかかる、、、別にキーの種類に不満はないのになぜだろう
- ホームポジションの突起が浅くて、ずれるときがある
などの新しい不満が出てきました。
ホームポジションの不満は突起のしっかりしたものに替えればいいだけなんですが、
指が引っかかる件は謎です。原因を考えてみたところ、ある結論にたどり着きました。
- 指紋防止加工としてついてる表面のザラザラが、指の滑り感と合わない
ということで、手元にもともと持ってたFILCOっぽいやつのキートップを移植したら(買うのもったいないし)、
めちゃんこ打ちやすくなりました。自分でもびっくりしてます。
ついでにアルファベット部分とそれ以外の雰囲気的違いも付いて、よりタイピングしやすくなった気がします。
なによりかっこいい!
【カスタムその4】十字キー部分のキートップ変更
見た目もタッチ感も改善し、らんらんでタイピングしてると、
- なぜかEnterキーと十字キーの"↑"のタイポがときどき起こる、、、
という新たな不満が出てきました。
これは結構困りました、なぜなら、【カスタムその1】でやったような段差作戦が使えません、もう段差のつけようがないからです、、、、
ロープロファイルより低いキートップなんて、これはもうオーダーメイドするか自作するしかないのか。。。(沼の予感しかない)
実際調べたら売り物としてあるにはあったが超高い、十字キー4つのために下手したら安いキーボード買えちゃう。。。
そんなときに見つけたのがこれです。
そう、イヤーピースですw
切れ込みを入れて付けてみると、これがCHERRY-MXの規格にまさかのシンデレラフィット!
(TWSイヤホン用の浅めのやつ、接続部分が太めのタイプは流石に入らないので全てがフィットするわけではない)
見た目も奇抜でかっこよくなり大満足、色々試してみるもんですね。
その他カスタム
その他、ちょっとした部分もカスタムしてます。
※細かいので興味があれば見てね
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ControlをCommandキーにOS内で変更(逆にCapsをControlにする)したうえで、左下のキーだけフルサイズにする
- これにより、Command系ショートカットが、左手を寝かせるだけでできますw
- 親指Command押しの従来のやり方でもできるので、ショートカット毎に押しやすいやり方で両刀使いしてます、超便利
- 変な手首の使い方をしなくなったおかげで、腱鞘炎気味だった左手首はすっかり良くなりましたw
また、キートップ以外も色々調整しました。
- 静音ゴムリング
- 軸にシリコンスプレーかける
- 最初キーキー擦り音がなってて、それの対策にぶっかけた、自己責任だけど十分効果あり
- ある程度使ったら軸が馴染むので以降はぶっかける必要なし
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最終形態
様々なカスタムを経て、軽くて疲れにくくて打ちやすい、ベストなキーボードに仕上がりました。
家でもカフェでも出張先でも基本使ってます。キーボードを使いたいがために仕事したくなるくらい打ってて気持ちいいです。
ロープロファイルのフルサイズだからなのか、レスポンスが超リニアで、ほんとサラサラ打てます。
ちなみに、MacBookのキー配置からほぼほぼずれてないので、ラップトップのキーボードを使う必要がある場合(現地作業や物理検証作業時)、全く違和感なく使えます。そこも大事。
キートップカスタムを通して感じたこと
めっちゃいいカスタムキーボードできました!ちゃんちゃん!
だとただの個人ブログなんで、、、
今回はアドカレ用に少しは仕事っぽい話につなげてみたいと思います。
色んな問題ごとにカスタムを考え解決していく様を見ていただきましたが、個人的にはここまで使いやすいものができるとは思ってませんでした。
なので、なぜ上手くいったのかを抽象度を広げて考えてみました。
必ず課題が先にある
要は「イシューからはじめよ」ということです。
プロトタイプを作った後、1つ1つ明確に課題やゴールを浮き彫りにしてから、解決策を考えていけたのが良かったなと思ってます。
また、課題をある程度把握したうえで、解決方法を考えていったことも良かったなと思いました。
私のカスタム話を例にするとこんな感じ
- ロープロファイルでスムーズにタイピングができない
- 原因3つのそれぞれの対応
- ただ慣れてないだけ
- 1ヶ月ほどまずは使ってみる
- 自分のタイピングそのものに問題がある
- 感覚的な部分が強く、流石に十数年の積み上げは簡単には変えられない、、、
- キートップなどの物理部分に問題がある
- 比較してみると結構違う、変えてみよう
- ただ慣れてないだけ
- 【検証と考察の結果】
- キートップの変更でうまくいった
- 原因3つのそれぞれの対応
仮説&トライ&エラーの繰り返し、今後も心がけていきたいです。
ありとあらゆる方向から解決方法を模索する
イヤホンがわかりやすい例だと思いますが、とにかく色々考えて試すことってほんと大切だなと思いました。
共通規格などの汎用性の高いものを意識する
今回はCHERRY-MX規格だったので、様々なキートップとの互換性があります。
現代において、モノでも技術でもドンピシャのものを探すことはとても難しく、ある程度近いものをカスタムして使うほうが解決が早いことが多いと感じます。
それを前提に考えるとき、共通規格/標準規格は意識してるといいのかなと思います。
まとめ
今回はキーボードという、エンジニアにとって馴染みの深い物をベースに、カスタムの様子や色々な妄想を書いてみました。
1つ注意が必要なのは、エンジニアにとってキーボードは既にかなりの時間を費やしてる物であるということです。
仮に全く新しい物に対して取り組む場合は、上記の事柄は全く当てはまらないと思います。
新しい物は、とにかく触って遊び倒すことが大切だと思います。(キーボードだって初めてのときは皆そうだったはず)
このあたり割と、技術においても同じことではないでしょうか。
気負いしない程度に普段の生活から意識して取り組んでいると、役に立つかもしれないです。おわり。