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OCI Data Integration から OCI Functions を呼び出す

Last updated at Posted at 2021-10-14

はじめに

OCI Data Integration のデータフローで「ファンクション演算子」が利用できるようになりました。これにより従来 OCI Data Integration の組み込み機能だけでは対応が難しかったデータ変換処理を OCI Functions のアプリケーションに任せることができます。
image.png
ドキュメントはこちらから

ここでは、OCI Data Integration と OCI Functions 間のインターフェース(入出力データ)の話と、それに即した Pythonアプリケーションの書き方についてお話ししたいと思います。

OCI Data Integration 側の準備

ファンクション演算子のプロパティ設定で

  • 入力属性 (Input Attributes)
  • 出力属性 (Output Attributes)
  • 機能属性 (Function Configuration)

を構成します。入力属性と出力属性はOCI Functions アプリケーションのリクエスト/レスポンスの Json データのスキーマとなります。機能属性の情報もリクエストデータに含まれますので、これをアプリケーションの実行パラメータとして使うことができます。

OCI Functions の送受信データ

  • Request: Jsonオブジェクト
{
  "data" : "{{ 入力属性スキーマを持つレコードのjsonオブジェクトを複数改行区切りでまとめてbase64エンコードした文字列 }}"
  "parameters : {{ 機能属性のjsonオブジェクト}}
}

具体的には、このようなJsonとなります。

{
  "data": "eyJmaXJzd...(途中略)...WMwNi02MDExLTMwYjQtNTllOC1kMTY0N2VlZDQ5ZjEifQo=",
  "parameters": {
    "param1": "param1value"
  }
}

さらに、"data" の値であるbase64エンコードされた文字列をデコードすると

{"firstname":"James","lastname":"Brown","secret_id_field":"0927e5a8-9097-4cad-a7fa-b6167184c744"}
{"firstname":"David","lastname":"Paich","secret_id_field":"58e25c06-6011-30b4-59e8-d1647eed49f1"}

のように、各レコードが改行で区切られた形になっています (Json Linesフォーマット)。
"secret_id_field" はOCI Data Integrationによって入力データの各レコードに振られる一意のIDで、出力データを返す時も各レコードに必ず同じIDをつけなければなりません。OCI Data IntegrationはこのIDを使って、レコードの紐付けをおこないます。

  • Response: Jsonオブジェクト
[
  {{ 出力属性スキーマを持つレコードのjsonオブジェクト }},
  {{ 出力属性スキーマを持つレコードのjsonオブジェクト }},
  ...
  {{ 出力属性スキーマを持つレコードのjsonオブジェクト }}
] 

こちらはごく一般的なJson配列です。

OCI Functions で変換アプリケーションを書く

多分一番シンプルな "無変換" する変換アプリケーションを公開しています。入力データをそのまま出力データとして返すプログラムです。

プログラム本体が func.py、テストプログラムの方が functest.py、ですが、functest.py ではOCI Data Integration に代わって入力データを作成しているので、こちらを参考にしてもらうと、全体の入出力が理解できると思います。

import io
import json
import base64
from fdk import fixtures
import pytest
import func

@pytest.mark.asyncio
async def test_request():
    rows = [
        {"firstname":"James","lastname":"Brown","secret_id_field":"0927e5a8-9097-4cad-a7fa-b6167184c744"},
        {"firstname":"David","lastname":"Paich","secret_id_field":"58e25c06-6011-30b4-59e8-d1647eed49f1"}
    ]
    parameters = {"param1" : "param1value"}
    data = []
    for row in rows:
        data.append(json.dumps(row) + '\n')
    request = {
        "data" : base64.b64encode(''.join(data).encode('utf-8')).decode('utf-8'),
        "parameters" : parameters
    }
    input_content = io.BytesIO(json.dumps(request).encode("utf-8"))
    call = await fixtures.setup_fn_call(func.handler, content=input_content)

    content, status, headers = await call

    assert 200 == status
    assert rows == json.loads(content)

プログラム本体の func.py では地道に io.BytesIO から改行区切りされた Json レコードまで戻していきます。

body: bytes = data.getvalue() # io.BytesIO -> bytes
request: json = json.loads(body) # jsonオブジェクト("data" と "paramteres" ノードが存在)
rows: str = base64.b64decode(request.get("data")).decode() # 改行区切りされた Json 文字列

変換処理のポイントとしては、改行区切りのJsonレコードを扱うために pandas の DataFrame を使っている点です。

df = pandas.read_json(rows, lines=True)

読み込んだ後 DataFrame のまま処理を続けて最後にJson配列の文字列に落とすと、そのままレスポンスの出力データとして使えます。実際に変換処理を行う場合は

def process(df: pandas.DataFrame) -> str:
    df['lastname'] = df['lastname'].apply(lambda x: str(x).upper()) # 姓を大文字に変換
    return df.to_json(orient='records')

などとやって下さい。

注意点など

  • 一度にOCI Functionsに渡されるレコード数は、OCI Data Integration の機能属性 BATCH_SIZE でコントロールできます。OCI Functionsのメモリーが足りなかったり、タイムアウトにひっかかるような場合は BATCH_SIZE を小さな値にします。
  • 出力データに "secret_id_field" を忘れずに。

まとめ

ということで、OCI Data Integration から OCI Functions に渡すデータが少しだけ分かりづらいですが、この投稿を参考していただいて、バリバリ OCI Data Integration を活用していただければ幸いです。

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