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医療用超音波診断装置の動画情報の活用~その3 消化管粘膜病変検出とその表示方法の新システムつくりの基礎~

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① 胆のうポリープは、そのままエコー画像をみればあきらか。CTよりよりわかるくらい。なんの工夫もいらない。

これを、Canny法の変法(ある点=中心部、より1度おきに360度、放射状に線をひき、急にピクセル値が変化する、中心部よりもっとも近いところを点表示)であえてあらわしてみた。赤点の乱れが凹凸である。

image.png

中心(黄色〇)はポリープ直上にある。このとき、→のところは、死角になって放射状の線がとどかない。

image.png

中心(黄色〇)は胆のう起始部にある。このとき、2つの→の先端をつないだ部分は、死角になって放射状の線がとどかない。

image.png

中心(黄色〇)は胆のう底部にある。このとき、→のところは、死角になって放射状の線がとどかなかったり、粘膜のところで「ピクセル値の差が少ない」と、粘膜を検出せずさらに遠くを検出したり、する。

このような観察は肉眼であきらかにわかる今回の胆のうポリープの検出では不要。しかし、今後、胃腸粘膜の凹凸を目視でとらようとするときには、補助的な役割をはたすと考える。

なぜなら、エコーで描出される正常の胃腸粘膜は、UGIやBa-enemaと違い内腔が狭いため凹凸がわかりづらく、またGIF,CFといった内視鏡で観察されるような粘膜の色調変化がみられず、わかりづらいからである(CTよりは、サイズが大きく、周囲組織とのピクセル差があってわかりやすいと思われる。だが、病変と正常の差を知る手がかりは残念ながら凹凸くらいしかないのが現状。もちろん、RTEが少しは役立てばいいと夢想もするがほぼ役に立たないと予想される)。

つまり、エコーのスライスを、目視+Canny法、を用いて微妙な凹凸を観察するだけでは、病変を正常から区別することができない可能性も高い。結局、あとは、やってみるしかない、のである。ただ、正常粘膜と違い、病変粘膜は内腔や粘膜の性状に変化がみられ、検出の可能性がでてくることを祈るだけである。

実際に使うために、下記のような、数百枚のスライスを次々と目視とCanny法でチエック(やり直し、次へ、前へ)するアプリを作成して次に備えた。= CannyViewer_FINAL_FIXED.py

image.png

(参考)このCanny法により作成した赤い点をたーゲットにすると、ピクセル値の閾値の差を使った方法とは別のアプローチで下記のような3D画像が作成すぎる。

image.png

しかも、この場合、内腔は「空」なので、理論的には、内腔から粘膜をとらえる「内視鏡観察のような」が画像もつくることができる。

② 3D画像を構成する、数百のスライス画像のチエックをしてもし病変の候補がうつっているものを見つけたとき、その病変部のありそうなスライスが3D画像の中でどこに位置にありそうか示すことは重要なことである(その後にGIFやCFがおこなわれるとすれば、その際の重要情報になる)

CTのように、スライダー(最下部に□)をうごかすと、スライス部位がわかるようにしたものが下記。 = 3DSliceViewer_1.py

image.png

だが、実際に役立つのは、スライスの名前を指定して、そこを(たとえば赤く)表示する下記のようなアプリだ。図には、胆のうポリープがみえるスライスframe_0092.png部位が赤くしめされてる。= show_slice_in_volume.py_1

image.png

 (参考)Mesh Lab(https://www.meshlab.net/)
を用いると、ノイズのない下記のような画像を作成できる。3D画像のノイズをいわゆる「ケシゴム」でけせるSlicer(https://www.slicer.org/)
にもこのような機能があった)。
だが、プレゼンテーションの際、ノイズのない画像を提示するのには役立つが、診断にはあまり貢献しないと思われる。

image.png

図は、先ほどの、show_slice_in_volume.py_1を用い3D画像内のframe_0092.png部位を赤くしめした画像から、Mesh Labにてノイズを除去後の画像である。
たとえば、これをPowerPointスライドに組み込み、プレゼンテーション時にマウスで動かすことが理論上は可能でsる。
 

③ 現状の臨床検査でのエコー利用方法から考えると、エコーで胃腸の粘膜病変を診断するシステムをつくるというのはそれだけでかなりチャレンジングなテーマある(誰も、そんなことは不可能だ、と言うだろう)。

今後の展開はこの診断の精度をあげるため

(1)特に、胃の体上部、直腸の最深部を描出するためのエコー操作は、皮膚に対して平行移動するだけではうまくできない。プローブを固定し、前後に傾ける、(円柱の部分としての)扇形スライスの積み重ねによる3D画像の作成が不可欠である。その精度をあげるため、プローブに「位置、角速度センサー」を導入(M5Stic Cplusをプローブに固定して実現)する工夫を報告する。これを、次回(その4)で報告する予定である。

 そして、

(2)正常粘膜はむずかしくても、病変粘膜はよりよくわかる可能性がある(3)大きな病院にある、さらにスペックの高い装置をもちいれば、検出感度があがるかもしれない

ことを考えると、他病院、他施設との共同研究も視野にするべきと思われる。

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