「その3 消化管粘膜病変検出とその表示方法の新システムつくりの基礎」の最後で、エコー操作中に発見した病変をふくむそのスライスを3D表示することを試みた。
すなわち、
show_slice_in_volume_2.py
あるいは、3DSliceViewer_2.py
である(閾値設定もこのコード内で指定し、main_pyvista_3d.pyと同じようなコードで、3D上でそのスライスを赤く表示した)
今回はそれをさらにすすめ、 ターゲットスライス上にある「ポイント」(病変などの場所をピンポイントで示す)を青く表示できるようにした。
click_view_center.py
スライスNoを指定すると、その平面を表示。そしてその平面内のターゲットポイントをクリック(赤まる)。すると、座標がでる。この座標(x,y)とそのスライスの番号(z)を控えておく。そして、その3つの値(x,x,z)を、次に示す、 view_polyp_2.pyのコード内に入力し、実行すると。
view_polyp_2.py
3Dを、外から観察
上の図で、ポイントの座標は、point_x = 493、point_y = 264、point_z = 92で、ポイントは胆のう内にある。なので、3D画像を外から見ても、点は存在しない。
しかし、胆のう内部にはいりこんだ内部からの視点では下記のように、ポイントがみえる。
view_polyp_2.py
上と同じ3Dを、内から観察
次に、下図のように、ターゲットポイントを胆のうの外(point_x = 519、point_y = 273、point_z = 92)にもってくる。
view_polyp_2.py
POIは胆のう外
そうすると、今度は、外からみた3D画像に、POI(青い点)が見える。(当然ながら)胆のう内部にはいってみても、POIはみえない(図は省略)
view_polyp_2.py
今回、POIが胆のう外にみえる
試しにに、下図のように、ターゲットポイントを胆のうの内外の境界(point_x = 505、point_y = 275、point_z = 92)にもってくるとどうなるか?すると、 胆のう外からの視点でも、胆のう内からの視点でも、両方みえるのである。
view_polyp_2.py
今回、POIが胆のう外から半分みえる
view_polyp_2.py
今回、POIは胆のう内からも半分みえる
(参考)なお、画面の左下のスライダーを動かすと、青が透明にちかづき青が隠れたり、また青くみえるようになったりする。
この、臓器内部からの視点は、いわゆる大腸CTで「まるで内視鏡をおこなっているように変化していく内部画像の表現」の第1歩である。しかし、エコーの、解像度の限界や多いアーチファクトの存在などのため、大腸CTのように「内視鏡をおこなっているように変化していく内部画像」を得るまでには、まだ時間が要しそうである。