はじめに
10月26〜27日に京都大学宇治キャンパスで開かれた第33回地理空間情報システム学会学術研究発表大会に参加。PLATEAUや点群データのアカデミックな利用について注目して聴講しました。
セッション:地域分析1
ProjectPLATEAUのデータを使った発表が1件ありました。
多様な地理空間情報を活用した京都市内の京町家分布の時空間的変容
立命館大学の学生さんの発表。「京町家まちづくり調査」に関して滅失の検証をゼンリンの建物データとPLATEAUの建物データを活用して行っていました。
セッション:3次元データ
ProjectPLATEAUのデータを使った発表が2件ありました。
「PLATEAUを用いた過去の3D都市モデルの構築」
京都産業大学の先生の発表。過去の建物を米軍が1946年撮影した空中写真を活用して再現構築する研究。PLATEAU建物データに建築年の属性を付与して1946年時点で存在する建物を抽出し、別に用意した京都市明細図の建物データと比較して差分となる建物を抽出するといったことに利用していました。
「3D都市モデルを用いた歩行空間ネットワークデータ整備効率化の検討」
アジア航測さんの発表は2022年度のPLATEAUユースケース開発「エリアマネジメント・ダッシュボードの構築」に関連した報告。PLATEAUの道路データから歩行空間ネットワークデータを生成するもので、現在のCityGMLに含まれている属性では、幅員が活用できるものの、それ以外の属性が足りていないという話。
セッション:GISの可能性
VIRTUAL SHIZUOKAの点群データを使った研究が1件ありました。
「近世絵画史料『公余探勝図巻』風景モチーフの写実性の検証」
東海大学の生成の研究「景観視点場推定表示システム」に点群データを組み合わせたもの。絵画に描かれた風景の視点の場所を割り出して点群データと重ね合わせていました。
参考文献
ポスター
沼津高専の学生さんが「オープンデータを用いた静岡県東部伊豆地域における土砂災害可能性マップの作成」という発表をしていました。VIRTUAL SHIZUOKAの点群データを活用していました。
まとめ
企業や自治体などがPLATEAUや点群データを活用しようとするとワンパターン(失礼!)になりがちですが、アカデミックな分野では意外な活用法があって感心してしまいました。他にも活用事例が無いか探してみたいと思います。