##概要
SB Cloudの提供しているAlibaba CloudのECS(仮想サーバ)にOracle Databaseをインストールし、Swingbenchを実行した時のメモです。
##目的
以下の点を明らかにするために行った。
- ECSにOracle Database 12cがインストールできるか
- どのぐらい構築に苦労するか
- Swingbench(Order Entry)のトラヒックがかかるか
- デフォルトの状態での性能値はどのぐらいか
- 非CDBとCDBで性能に違いはあるか
- 上記の確認を行った際に費用はいくらか
##結果
以下の点が分かった。
- ECSにOracle Database 12cがインストールでき、起動されることが可能であることを確認
- オンプレミスで構築する際と同様の手順で構築でき、全く苦労はしなかった
- エラーなく動作した
- デフォルトの状態でSwingbenchを動作させたため、限界値が分からなかった
- ほとんど同じ
- 95円(Oracle費用は検証なので除外)
##スペックなど
###Alibaba Cloud
項目 | 値 |
---|---|
インスタンス | 世代 III 汎用タイプ n4 |
システムディスク | /dev/xvda Ultra クラウドディスク |
CPU | 4Core |
Mem | 8GB |
OS | CentOS 7.3 64bit |
リージョン | 日本 |
ネットワークタイプ | VPC |
###Oracle Database
項目 | 値 |
---|---|
バージョン | 12.2.0.1.0 |
Edition | Enterprise Edition |
その他 | インストーラのデフォルト |
###Swingbench
項目 | 値 |
---|---|
バージョン | 2.5.971, Updated March 17th 2015 |
ベンチマーク | Order Entry |
ユーザ数 | 20 |
その他 | デフォルト |
##構築
###IaaS
SB CloudのAlibaba Cloudコンソールより、ECSを構築した。従量課金で1時間23.38円だった。このほかにNetworkトラヒックなどに費用がかかり、4時間くらい稼働させたので、合計95円の請求となった。
Alibaba CloudのECSインスタンスは非常に早く、1分程度で構築できた。従量課金の場合はこの構築時間の速さが費用削減に繋がる。
###Database
オンプレミスにインストールする場合の手順と同じでインストールできた。
Swingbenchも同じマシンで動作させるので、GNOME環境もインストールした。
リモートから画面に接続するために、tigervnc-serverもインストールを行った。
###Swingbench
ダウンロードして、展開して実行した。
セットアップで以下の画面が長いので、気長に待つ必要がある。
以下の画面で完了となる。
##実行結果
###Swingbench
以下が実行結果の画面キャプチャです。
####CDB
コネクションプール:なし
####CDB
コネクションプール:25
####非CDB
コネクションプール:なし
####非CDB
コネクションプール:25
##Q&A
Q. SwingBench 2.6を使用しないのですか
A. CentOS 7.3ではグラフの描画が動作しませんでした(Exceptionが出力されているようでした)
Q. Alibaba CloudのECSを選択する理由
A. Alibaba CloudのPaaSにOracleがないため、Oracle使用はIaaSを使うしかないため
##雑感
予想していた通り、非常な安価な費用で確認を行うことができた。
オンプレミスでRACを使用していない構成であれば、クラウド移行の検討対象になると考えられる。