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太陽フレアが活発なのでChatGPTに画像解析させてみた

Last updated at Posted at 2024-05-14

やったこと

ChatGPT-4o に太陽の磁場画像を与えて、フレアが発生しそうな活動領域 (黒点) がどれか理由込みで説明してもらいました。

前置き

ChatGPT-4o が無料版でも利用可能 (制限あり) なので、遊んでみようと思った次第です。
ファイル添付ができるので画像と一緒に質問を投げたり、あと気づきにくいですがweb URLなどを投げると検索して返答してくれる機能もありますね。

何をやってもいいのですが、最近は大規模フレアが頻発しておりニュースにもなっていますし、僕が学生時代に太陽物理を専門としていたので、布教も兼ねて適当な太陽画像の解析をやってみましょう。

手順と結果

画像はこちらをスクショします。

何でもいいんですけど外観で分かりやすいのは磁場画像なので、SDO/HMI の画像を Chat GPT に送りつけます。

image.png

ちなみに SDO (Solar Dynamics Observatory) が衛星の名前で、HMI (Helioseismic and Magnetic Imager) は搭載されている観測機器 (望遠鏡的な) の名前です。SDOには他にも AIA と EVE というものがありまして...

そんなことよりGPTさんの回答ですね。

image.png

ありがとうございます。
博士号まで取得している僕よりも簡潔で分かりやすい説明です。

そこまで説明できるなら、ちょっとした予測みたいなこともできるのでは?と思ったので、太陽フレアが発生しそうな活動領域を教えてもらいます。
何気に太陽フレアの発生予測は大きな研究テーマで、ピンポイントな予測は難しいです。まぁ今回はそこまで深入りしません。

しかし今日の画像だと答え合わせができないので、1週間ほど前の画像で改めて質問し直します。

スクリーンショット 2024-05-14 17.39.26.png

ちなみに大規模フレアの発生しやすい活動領域の見分け方ですが、端的に言うと 「大きくて、白い部分 (正極) と黒い部分 (負極) が互いに食い込んでる」やつです。デルタ型とか呼ばれます。

この中だと13663と13664が問題児ですね。実際にどちらもXクラスフレアを乱発しています。研究対象としては最高ですね。

スクリーンショット 2024-05-14 17.41.34.png

スクリーンショット 2024-05-14 17.40.58.png

GPTさんの回答は以下の通りでした。

--
この太陽の磁場画像は、2024年5月6日に撮影されたもので、NOAAが識別した活動領域がいくつか表示されています。大規模な太陽フレアの発生リスクが高い活動領域を特定するためには、以下の要素に注目します:

  1. 磁場の複雑さ: フレアが発生する可能性が高いのは、特に磁場が複雑である領域です。磁場が複雑であるほど、磁場エネルギーが蓄積されやすくなります。

  2. 白斑の集中: 白斑(白く表示されている部分)は、強い磁場を示しています。これが集中している場所はフレアの発生リスクが高くなります。

  3. 活動領域のサイズ: 大きな活動領域はエネルギーの蓄積が多く、強いフレアを起こしやすいです。

これらの要素を考慮すると、以下の活動領域が特に大規模な太陽フレアの発生リスクが高いと考えられます:

  • 活動領域 13668: この領域は非常に複雑で、強い白斑が広範囲にわたって集中しています。これにより、高い磁場エネルギーが蓄積されている可能性があり、フレア発生のリスクが高いです。

  • 活動領域 13664: こちらも白斑が非常に強く、磁場が複雑な構造をしています。このため、大規模なフレアが発生する可能性があります。

  • 活動領域 13669: この領域も強い磁場が存在し、複雑な磁場構造を持っています。規模はやや小さいですが、フレアのリスクは依然として高いと考えられます。

これらの活動領域は、磁場の複雑さと強さから判断して、特に大規模な太陽フレアの発生リスクが高いといえます。

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うーん白斑は大規模フレアとはあまり関係ないと思いますし、「白く表示されている部分」というのは誤りですね。可視光で見て黒点のまわりに見える白い斑点が白斑です。まぁでも強い磁場が大規模フレアのリスクを高めているという説明自体はまちがってなさそうですが。

13664 は、実際にやばいやつなので、いい予測ですね (白斑はさておき)。

13668 は 13664 のお隣さんですね。どの数字がどの活動領域を示しているのか、位置関係からは正確に理解できていない可能性が高いですかね。

13669 は、13668 のさらにその隣にいる活動領域ですね。こちらもシンプルな構造で、大規模フレアは発生させていないですね。

これだけで性能の良し悪しは判断できないですが (遊びだし)、思った以上にそれっぽい回答が返ってきたのは驚きです。

終わりに

無料で ChatGPT に画像解析してもらう機会だったので、遊んでみました。
実際のところ、機械学習を黒点の分類やフレアの発生予測に応用するという研究は僕の学生時代にはすでに盛んに行われていました。
とはいえ活動領域を正確に検出・分類するだけでも大仕事なわけですが...(そもそも人間が見た場合でさえ意見が分かれることもある)
もっと正確にフレアを予測しようと思うと、磁場のスナップショットだけでなく、時間変化や他の望遠鏡での観測データも組み合わせる必要がありそうですね。
最近の研究は追っていないので、生成AIがどう利用されているのかはわかりませんが、きっと何かしらの活用はされるのでしょうね。

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