OpenStackとは
・OpenStack プロジェクトは、あらゆる種類のクラウド環境をサポートする、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットフォームです。シンプルな実装、大規模なスケーラビリティ、豊富な機能を目指しています。世界中のクラウドコンピューティング技術者がプロジェクトに貢献しています。
・OpenStack は、補完関係にある様々なサービスの組み合わせで Infrastructure-as-a-Service (IaaS) ソリューションを提供します。各サービスは application programming interface (API) を提供しており、簡単に連携できるようになっています。
・最低限,Controller Node と Compute Node の2つのノード(ホスト)が必要
・各ノードは少なくとも2つのネットワークインタフェースが必要
公式より引用
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構築方法としては一から手動で入れていく方法と、PackStackという一括でバッとやってくれる方法があります。
- この記事では一から手動で入れていく方法を書いていきます。
- PackStackについては以下あたりを参考に
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基本的に公式のインストールガイドに沿ってやっていきます。
- 単純化のために、hogehoge_PASSみたいなのは統一(root++)
- ずっとrootで操作していたので、root権限がいらないコマンドも
# hogehoge
と書いています。
VM環境
- Windows7(ホストOS)で動作させているVirtualBox上に立ち上げました。
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http://docs.openstack.org/liberty/ja/install-guide-rdo/environment-networking.html の図を見ながらだとイメージつきやすいです。
- 図の左2つのノード(ゲストOS)を立ち上げる感じ。
ネットワーク
Public
- 外と直接繋がるネットワーク
- IP: 192.168.12.0/24
- ゲートウェイ: 192.168.12.1
Management
- VirtualBoxのNAT経由で外と繋がるネットワーク
- IP: 10.0.3.0/24
- ゲートウェイ: 10.0.3.1
ノード(ゲストOS,VM)
- ノードのネットワーク設定は、CentOSのインストール時に設定してしまってもいいし、/etc/sysconfig/networkscriptsで後で書いてもいい。
共通
- user/pass = root/root++
- OS: CentOS7
- Memory: 8GB
- Storage: 10GB
- ネットワークインタフェースは2つ。設定は以下:
- ブリッジアダプター
- ホストOSのインタフェースと繋げて通信する。
- NATネットワーク
- ゲストOS同士の通信を可能にしつつ、VirtualBoxのNATを利用して外と通信する
- VirtualBoxの環境設定->ネットワークでNATネットワークを作成し、上記の設定にした。
- ブリッジアダプター
コントローラノード
- OpenStackの脳ミソ的な役割をするノード。
- PublicNetwork:
- インタフェース: enp0s3
- IP: 192.168.12.11
- NetMask: 255.255.255.0
- ゲートウェイ: 192.168.12.1
- ネームサーバ: 8.8.8.8
- ManagementNetwork:
- インタフェース: enp0s8
- IP: 10.0.3.11
- NetMask: 255.255.255.0
- ゲートウェイ: 10.0.3.1
- hostname: controller.localdomain
コンピュートノード
- OpenStack内のインスタンスを動作させるノード。
- PublicNetwork:
- インタフェース: enp0s3
- IP: 192.168.12.12
- NetMask: 255.255.255.0
- ゲートウェイ: 192.168.12.1
- ネームサーバ: 8.8.8.8
- ManagementNetwork:
- インタフェース: enp0s8
- IP: 10.0.3.12
- NetMask: 255.255.255.0
- ゲートウェイ: 10.0.3.1
- hostname: compute.localdomain
インストール後処理
ネットワークまわり
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/etc/sysconfig/network-script/ifcfg-xxx
を編集BOOTPROT=none
ONBOOT=yes
- IPとかの指定が出来てなればそれも行う。
- ネットワーク再起動
systemctl restart network
- 初回だけOSごと再起動したかも
-
ip addr show
- IPとか確認
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ping google.com
- とかして外と繋がってるか+名前解決できてるか確認
yumまわり
yum update
-
yum install net-tools
- お好みで。慣れ親しんだコマンドが使えるようになるやつ。
hostまわり
- ホスト名の変更
-
$ hostname
で確認できる -
# vi /etc/sysconfig/network
を書き換えて再起動で変更できる- インストール時に名前を設定していたら今回は不要
-
- ホスト入力
# cat /etc/hosts
127.0.0.1 localhost localhost.localdomain localhost4 localhost4.localdomain4
::1 localhost localhost.localdomain localhost6 localhost6.localdomain6
192.168.12.11 controller controller.localdomain
192.168.12.12 compute compute.localdomain
-
ping compute
でつながればOK
Serviceまわり
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NetworkManagerを停止
# systemctl stop NetworkManager
# systemctl disable NetworkManager
-
SELinuxを設定
# setenforce 0
-
# getenforce
- permissiveであることを確認
-
# vi /etc/selinux/config
でSELINUX=permissive
OpenStack
- ここから環境に従って、OpenStackに必要なサービスを入れていきます。
Network Time Protocol(NTP)
サービスをノード間で正しく同期するために、NTP の実装である Chrony をインストールすべきです。コントローラーノードをできる限り正確な(ストラタム値が小さい)サーバーに参照するように設定し、他のノードはコントローラーノードを参照するよう設定することを推奨します。
@コントローラノード
# yum install chrony
-
# vi /etc/chrony.conf
-
server ntp.nict.jp iburst
を追加 allow 10.0.3.0/24
-
-
# systemctl enable chronyd
- OS起動時に起動するようにして
-
# systemctl start chronyd
- サービス起動
コンピュートノード
# yum install chrony
-
# vi /etc/chrony.conf
-
server controller iburst
- を追加し,残りのserver項目はすべてコメントアウト
allow 10.0.3.0/24
-
# systemctl enable chronyd
# systemctl start chronyd
検証
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# chronyc sources
- controllerなら,参照しているNTPサーバのアドレス
- 他のノードならcontrollerが表示される
OpenStack パッケージ
- 全てのノードで行う
-
# yum install centos-release-openstack-liberty
- インスコ
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# yum upgrade
- パッケージをアップグレード
-
# yum install python-openstackclient
- Openstackクライアントのインスコ
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# yum install openstack-selinux
- openstack用selinuxのインスコ
SQL
ほとんどの OpenStack のサービスは、情報を保存するために SQL データベースを使用します。データベースは、一般的にコントローラーノードで実行します。このガイドの手順では、ディストリビューションによりますが、 MariaDB か MySQL を使用します。OpenStack のサービスは、PostgreSQL などの他の SQL データベースもサポートしています。
- コントローラノードにて行う
-
# yum install mariadb mariadb-server MySQL-python
- インスコ
-
# vi /etc/my.cnf.d/mariadb_openstack.cnf
- 作成して以下を記入
[mysqld]
# 管理ネットワーク経由で他のノードによりアクセスできるようにする
bind-address = 10.0.3.11
# 有用なオプションとUTF-8文字セットを有効にする
default-storage-engine = innodb
innodb_file_per_table
collation-server = utf8_general_ci
init-connect = 'SET NAMES utf8'
character-set-server = utf8
# systemctl enable mariadb
-
# systemctl start mariadb
起動設定 -
# /usr/bin/mysql_secure_installation
- mysqlの設定を行う。
NOTE: RUNNING ALL PARTS OF THIS SCRIPT IS RECOMMENDED FOR ALL MariaDB
SERVERS IN PRODUCTION USE! PLEASE READ EACH STEP CAREFULLY!
In order to log into MariaDB to secure it, we'll need the current
password for the root user. If you've just installed MariaDB, and
you haven't set the root password yet, the password will be blank,
so you should just press enter here.
Enter current password for root (enter for none): //enter
OK, successfully used password, moving on...
Setting the root password ensures that nobody can log into the MariaDB
root user without the proper authorisation.
Set root password? [Y/n] Y // rootパスワードの設定
New password: // root++
Re-enter new password:
Password updated successfully!
Reloading privilege tables..
... Success!
By default, a MariaDB installation has an anonymous user, allowing anyone
to log into MariaDB without having to have a user account created for
them. This is intended only for testing, and to make the installation
go a bit smoother. You should remove them before moving into a
production environment.
Remove anonymous users? [Y/n] Y // アノニマスユーザの削除
... Success!
Normally, root should only be allowed to connect from 'localhost'. This
ensures that someone cannot guess at the root password from the network.
Disallow root login remotely? [Y/n] Y // rootユーザのリモートログインの禁止
... Success!
By default, MariaDB comes with a database named 'test' that anyone can
access. This is also intended only for testing, and should be removed
before moving into a production environment.
Remove test database and access to it? [Y/n] Y // テストDBの削除
- Dropping test database...
... Success!
- Removing privileges on test database...
... Success!
Reloading the privilege tables will ensure that all changes made so far
will take effect immediately.
Reload privilege tables now? [Y/n] Y // 権限の変更を再読み込みする
... Success!
Cleaning up...
All done! If you've completed all of the above steps, your MariaDB
installation should now be secure.
Thanks for using MariaDB!
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# mysql -u root -p
- root++を入力して操作ができることを確認
NoSQL
Telemetry サービスは、情報を保存するために NoSQL データベースを使用します。このデータベースは一般的にコントローラーノードで実行します。このガイドの手順では MongoDB を使用します。
- コントローラノードで行う
-
# yum install mongodb-server mongodb
- インスコ
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# vi /etc/mongod.conf
以下の設定を記述-
bind_ip = 10.0.3.11
- コントローラノードのIPアドレスに変更
-
smallfiles = true
- コメントアウトを解除 ジャーナルファイルのサイズを減らす
-
- 起動処理 (mongodをenableにしてstart)
メッセージキュー
クライアントからのリクエストを適切なワーカーに渡す。ジョブ完了後、出力をクライアントに返す。
OpenStack は、サービス間での操作と状態をやり取りするのに、メッセージキュー を使用します。メッセージキューサービスは、一般的にコントローラーノードで動作します。OpenStack は RabbitMQ, Qpid, ZeroMQ などのメッセージキューサービスをサポートしています。しかしながら、OpenStack のパッケージを提供しているほとんどのディストリビューションでは、特定のメッセージキューサービスだけがサポートされています。このガイドでは、ほとんどのディストリビューションがサポートする RabbitMQ メッセージキューサービスを導入します。別のメッセージキューサービスを導入したければ、関連ドキュメントを参照してください。
- コントローラノードで行う
# yum install rabbitmq-server
- 起動処理 (rabbitmq-serverをenableにしてstart)
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# rabbitmqctl add_user openstack RABBIT_PASS
- openstackユーザとパスワードを追加
- RABBIT_PASSにはroot++を入力
# rabbitmqctl set_permissions openstack ".*" ".*" ".*"
- openstack ユーザーに対して、設定、書き込み、読み出しアクセスを許可する。