こんにちは、17日目の投稿になります。
この記事は私がPerl 6の公式アドベントカレンダーに13日目の記事として寄稿したMining Wikipedia with Perl 6の翻訳記事です。
はじめに
今日はWikipediaのInfoboxをPerl 6を使ってマイニングする方法について紹介します。
WikipediaのInfoboxは自然言語処理の分野ではとても重要な言語資源の一つになっています。
その証拠に、下記のように応用例がいくつもあります:
- 知識ベースを作る (e.g. DBpedia [0])
- 属性情報(e.g. 年齢、身長、出身大学)の重要度のランキング [1]
- 質問回答システム [2]
これらの中でも、今回はInfoboxをそもそもどうやって抽出すればよいのかという問題に着目していきたいと思います。
とても複雑な構造をしているこのInfoboxをどうやってGrammarとActionsを使ってパースしていけば良いのか、実例を交えて解説していきたいと思います。
GrammarとActionsの学習コストって高い?
全然そんなことはありません!
たったの5つのことを覚えるだけです:
- Grammar
-
token
は一番基本的なものです。おそらく一番使うのがこれでしょう。 -
rule
はsigspaceの効果をもたらします。 -
regex
はマッチエンジンをバックトラックできるようにします。
-
- Actions
-
make
はmade
が呼び出されたときのためにオブジェクトを保存します。 -
made
はmake
で保存されたオブジェクトを呼び出します。
-
より詳しく知りたい方をこちらを参照してください: https://docs.perl6.org/language/grammars
そもそもInfoboxって何?
Infoboxという言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかと思うので、簡単に説明しようと思います。
いきなりごちゃごちゃ説明するよりも例を見てもらうのが早いでしょう。
これはPerl6のページのInfoboxの例です:
ページの右上に、そのページのサブジェクトの属性-値ペアを提示しています。
例えば、この例では、Perl 6の設計者はラリー・ウォールですといったことが記述されています。
より詳しく知りたい方はこちらを参照してください: https://ja.wikipedia.org/wiki/Help:Infobox
最初の例: Perl 6
初めに断っておきますが
- ユニコードをPerl 6が簡単に処理できることを示したい
- 日本語を処理することが
my $DAYJOB
という理由で日本語版Wikipediaを使っていきます。
では、一番最初の例として、Perl 6のページのInfoboxをパースしてみましょう。
Wiki記法で書かれたソースコードを見ると下記のようになっています:
{{Comp-stub}}
{{Infobox プログラミング言語
|名前 = Perl 6
|ロゴ = [[Image:Camelia.svg|250px]]
|パラダイム = [[マルチパラダイムプログラミング言語|マルチパラダイム]]
|登場時期 = [[2015年]]12月25日
|設計者 = [[ラリー・ウォール]]
|最新リリース = Rakudo Star 2016.04
|型付け = [[動的型付け]], [[静的型付け]]
|処理系 = [[Rakudo]]
|影響を受けた言語 = [[Perl|Perl 5]], [[Smalltalk]], [[Haskell]], [[Ruby]]
|ライセンス = [[Artistic License 2]]
|ウェブサイト = [https://perl6.org/ Perl6.org]
}}
{{プログラミング言語}}
'''Perl 6'''(パールシックス)は、[[ラリー・ウォール]]により設計された[[オブジェクト指向]][[スクリプト言語]]である。
Perl 6は、[[2000年]]に[[Perl]]の次期メジャーバージョンとして設計が始められ、[[2015年]]12月25日に公式のPerl 6正式安定版がリリースされた。しかし、言語仕様は現在のPerl (Perl 5)と互換性がなく、既存のPerl 5のソフトウェアをPerl 6用に「アップグレ
ード」するのは極めて困難である。したがって現在はPerl 5とPerl 6は別の言語であると考えられており、Perl 6はPerl 5の次期バージョンではないとされている。換言すれば、Perl 6はPerl 5から移行対象とはみなされていない。
ここで、解くべき問題は3つあります。
-
Infoboxの後に余計な要素がいくつか続いています。例えば、
{{プログラミング言語}}
とか '''Perl 6'''から始まるリード文です。 -
Infoboxの値側を観察すると:
-
[[Rakudo]]
とアンカーテキストになっている箇所 -
Rakudo Star 2016.04
と平文になっている箇所 -
[https://perl6.org/ Perl6.org]
とwebサイトへのリンクになっている箇所
の3種類があります。これらを区別する必要があります。
- Infoboxは文書の先頭で始まっているわけではありません。この例の場合、文書の先頭は
{{Comb-stub}}
です。
では、Grammar, Actions, Caller(i.e. GrammarとActionsを呼び出しているコード)の順にどうやって上記の問題を解決していったか説明していこうと思います。
Grammar
Grammar部分のコードは下記のようになっています:
grammar Infobox::Grammar {
token TOP { <infobox> .+ } # (#1)
token infobox { '{{Infobox' <.ws> <name> \n <propertylist> '}}' }
token name { <-[\n]>+ }
token propertylist {
[
| <property> \n
| \n
]+
}
token property {
'|' <key=.key-content> '=' <value=.value-content-list>
}
token key-content { <-[=\n]>+ }
token value-content-list {
<value-content>+
}
token value-content { # (#6)
[
| <anchortext>
| <weblink>
| <rawtext>
| <delimiter>
]+
}
token anchortext { '[[' <-[\n]>+? ']]' } # (#2)
token weblink { '[' <-[\n]>+? ']' } # (#3)
token rawtext { <-[\|\[\]\n、\,\<\>\}\{]>+ } # (#4)
token delimiter { [ '、' | ',' ] } # (#5)
}
-
問題1の解決策
-
<Infobox> .+
のように.+
を使って余分な部分も考慮するようにします (#1)
-
-
問題2の解決策
- anchortext (#2), weblink (#3), rawtext (#4)の3種類のトークンを用意するようにします
- また上記3種類のトークンは
,
といったデリミタで区切られることがあるため delimiterトークンを用意します (#5) - anchortext, weblink, rawtext, delimiterの4トークンから構成される任意長のシーケンスとしてvalue-contentを表現します (#6)
Actions
Actions部分のコードは下記のようになっています:
class Infobox::Actions {
method TOP($/) { make $<infobox>.made }
method infobox($/) {
make %( name => $<name>.made, propertylist => $<propertylist>.made )
}
method name($/) { make ~$/.trim }
method propertylist($/) {
make $<property>>>.made
}
method property($/) {
make $<key>.made => $<value>.made
}
method key-content($/) { make $/.trim }
method value-content-list($/) {
make $<value-content>>>.made
}
method value-content($/) {
my $rawtext = $<rawtext>>>.made>>.trim.grep({ $_ ne "" });
make %( # (#1)
anchortext => $<anchortext>>>.made,
weblink => $<weblink>>>.made,
rawtext => $rawtext.elems == 0 ?? $[] !! $rawtext.Array
);
}
method anchortext($/) {
make ~$/;
}
method weblink($/) {
make ~$/;
}
method rawtext($/) {
make ~$/;
}
}
- 問題2の解決策
- value-contentをanchrtext, weblink, rawtextの3つがキーとして構成されるように表現します (#1)
Caller
Caller部分のコードは下記のようになっています:
my @lines = $*IN.lines;
while @lines {
my $chunk = @lines.join("\n"); # (#1)
my $result = Infobox::Grammar.parse($chunk, actions => Infobox::Actions).made; # (#2)
if $result<name>:exists {
$result<name>.say;
for @($result<propertylist>) -> (:$key, :value($content-list)) { # (#3)
$key.say;
for @($content-list) -> $content {
$content.say;
}
}
}
shift @lines;
}
- 問題3の解決策
- 一行ごとに読み込むようにし、そして現在の行から最後の行までをすべて含むチャンクを生成するようにします。(#1)
- チャンクがInfoboxを含んでいないと判定された場合、undefinedな値が返されます。こういう場合、
$
シジルの変数に格納するのが良い方法のひとつです。(#2) - チャンクがInfoboxを含んでいると判定された場合、
@()
contextualizerを用いてリストとして解釈するようにします。 (#3)
実行
準備はいいでしょうか?
では実行してみましょう!
$ perl6 parser.p6 < perl6.txt
プログラミング言語
名前
{anchortext => [], rawtext => [Perl 6], weblink => []}
ロゴ
{anchortext => [[[Image:Camelia.svg|250px]]], rawtext => [], weblink => []}
パラダイム
{anchortext => [[[マルチパラダイムプログラミング言語|マルチパラダイム]]], rawtext => [], weblink => []}
登場時期
{anchortext => [[[2015年]]], rawtext => [12月25日], weblink => []}
設計者
{anchortext => [[[ラリー・ウォール]]], rawtext => [], weblink => []}
最新リリース
{anchortext => [], rawtext => [Rakudo Star 2016.04], weblink => []}
型付け
{anchortext => [[[動的型付け]] [[静的型付け]]], rawtext => [], weblink => []}
処理系
{anchortext => [[[Rakudo]]], rawtext => [], weblink => []}
影響を受けた言語
{anchortext => [[[Perl|Perl 5]] [[Smalltalk]] [[Haskell]] [[Ruby]]], rawtext => [], weblink => []}
ライセンス
{anchortext => [[[Artistic License 2]]], rawtext => [], weblink => []}
ウェブサイト
{anchortext => [], rawtext => [], weblink => [[https://perl6.org/ Perl6.org]]}
簡単すぎたでしょうか?どうでしょう。
次はもっと難しい例に挑戦してみましょう!
もっと難しい例: アルベルト・アインシュタイン
では、物理学者アインシュタインのページのInfoboxをパースしてみましょう。
Wiki記法で書かれたソースコードを見ると下記のようになっています:
{{Redirect|アインシュタイン}}
{{Infobox Scientist
|name = アルベルト・アインシュタイン
|image = Einstein1921 by F Schmutzer 2.jpg
|caption = [[1921年]]、[[ウィーン]]での[[講義]]中
|birth_date = {{生年月日と年齢|1879|3|14|no}}
|birth_place = {{DEU1871}}<br>[[ヴュルテンベルク王国]][[ウルム]]
|death_date = {{死亡年月日と没年齢|1879|3|14|1955|4|18}}
|death_place = {{USA1912}}<br />[[ニュージャージー州]][[プリンストン (ニュージャージー州)|プリンストン]]
|residence = {{DEU}}<br />{{ITA}}<br>{{CHE}}<br />{{AUT}}(現在の[[チェコ]])<br />{{BEL}}<br />{{USA}}
|nationality = {{DEU1871}}、ヴュルテンベルク王国(1879-96)<br />[[無国籍]](1896-1901)<br />{{CHE}}(1901-55)<br />{{AUT1867}}(1911-12)<br />{{DEU1871}}、{{DEU1919}}(1914-33)<br />{{USA1912}}(1940-55)
| spouse = [[ミレヴァ・マリッチ]] (1903-1919)<br />{{nowrap|{{仮リンク|エルザ・アインシュタイン|en|Elsa Einstein|label=エルザ・レーベンタール}} (1919-1936)}}
| children = [[リーゼル・アインシュタイン|リーゼル]] (1902-1903?)<br />[[ハンス・アルベルト・アインシュタイン|ハンス・アルベルト]] (1904-1973)<br />[[エドゥアルト・アインシュタイン|エドゥアルト]] (1910-1965)
|field = [[物理学]]<br />[[哲学]]
|work_institution = {{Plainlist|
* [[スイス特許庁]] ([[ベルン]]) (1902-1909)
* {{仮リンク|ベルン大学|en|University of Bern}} (1908-1909)
* [[チューリッヒ大学]] (1909-1911)
* [[プラハ・カレル大学]] (1911-1912)
* [[チューリッヒ工科大学]] (1912-1914)
* [[プロイセン科学アカデミー]] (1914-1933)
* [[フンボルト大学ベルリン]] (1914-1917)
* {{仮リンク|カイザー・ヴィルヘルム協会|en|Kaiser Wilhelm Society|label=カイザー・ヴィルヘルム研究所}} (化学・物理学研究所長, 1917-1933)
* [[ドイツ物理学会]] (会長, 1916-1918)
* [[ライデン大学]] (客員, 1920-)
* [[プリンストン高等研究所]] (1933-1955)
* [[カリフォルニア工科大学]] (客員, 1931-33)
}}
|alma_mater = [[チューリッヒ工科大学]]<br />[[チューリッヒ大学]]
|doctoral_advisor = {{仮リンク|アルフレート・クライナー|en|Alfred Kleiner}}
|academic_advisors = {{仮リンク|ハインリヒ・フリードリヒ・ウェーバー|en|Heinrich Friedrich Weber}}
|doctoral_students =
|known_for = {{Plainlist|
*[[一般相対性理論]]
*[[特殊相対性理論]]
*[[光電効果]]
*[[ブラウン運動]]
*[[E=mc2|質量とエネルギーの等価性]](E=mc<sup>2</sup>)
*[[アインシュタイン方程式]]
*[[ボース分布関数]]
*[[宇宙定数]]
*[[ボース=アインシュタイン凝縮]]
*[[EPRパラドックス]]
*{{仮リンク|古典統一場論|en|Classical unified field theories}}
}}
| influenced = {{Plainlist|
* {{仮リンク|エルンスト・G・シュトラウス|en|Ernst G. Straus}}
* [[ネイサン・ローゼン]]
* [[レオ・シラード]]
}}
|prizes = {{Plainlist|
*{{仮リンク|バーナード・メダル|en|Barnard Medal for Meritorious Service to Science}}(1920)
*[[ノーベル物理学賞]](1921)
*[[マテウチ・メダル]](1921)
*[[コプリ・メダル]](1925)
*[[王立天文学会ゴールドメダル]](1926)
*[[マックス・プランク・メダル]](1929)
}}
|religion =
|signature = Albert Einstein signature 1934.svg
|footnotes =
}}
{{thumbnail:begin}}
{{thumbnail:ノーベル賞受賞者|1921年|ノーベル物理学賞|光電効果の法則の発見等}}
{{thumbnail:end}}
'''アルベルト・アインシュタイン'''<ref group="†">[[日本語]]における表記には、他に「アル{{Underline|バー}}ト・アインシュタイン」(現代[[ドイツ語]]の発音由来)、「アル{{Underline|バー}}ト・アイン{{Underline|ス}}タイン」([[英語]]の発音由来)がある。</ref>({{lang-de-short|Albert Einstein}}<ref group="†">{{IPA-de|ˈɑlbɛrt ˈaɪnˌʃtaɪn}} '''ア'''ルベルト・'''ア'''インシュタイン、'''ア'''ルバート・'''ア'''インシュタイン</ref><ref group="†">{{IPA-en|ˈælbə(r)t ˈaɪnˌstaɪn}} '''ア'''ルバ(ー)ト・'''ア'''インスタイン、'''ア'''ルバ(ー)'''タ'''インスタイン</ref><ref>[http://dictionary.reference.com/browse/einstein Einstein] (Dictionary.com)</ref><ref>[http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/albert-einstein?q=Albert+Einstein Albert Einstein] (Oxford Learner's Dictionaries)</ref>、[[1879年]][[3月14日]] - [[1955年]][[4月18日]])は、[[ドイツ]]生まれの[[理論物理学者]]である。
ここで、新たに解くべき問題は5つあります:
- テンプレートに改行が含まれています
- テンプレートがネストしています
- 空の属性-値ペアがあります
- 値側にhtmlにおいて改行を意味する
<br>
タグが含まれています - 値側にアンカーテキストや平文などが混じって生起するようになりました。位置情報がないとトークン間の係り受け関係がよくわからなそうです。
では、Grammar, Actionsの順にどうやって上記の問題を解決していったか説明していこうと思います。
ちなみに、Callerは初めの例と全く同じです。
Grammar
Grammar部分のコードは下記のようになっています:
grammar Infobox::Grammar {
token TOP { <infobox> .+ }
token infobox { '{{Infobox' <.ws> <name> \n <propertylist> '}}' }
token name { <-[\n]>+ }
token propertylist {
[
| <property> \n
| \n
]+
}
token property {
[
| '|' <key=.key-content> '=' <value=.value-content-list>
| '|' <key=.key-content> '=' # (#4)
]
}
token key-content { <-[=\n]>+ }
token value-content-list {
[
| <value-content> <br> # (#6)
| <value-content>
| <br>
]+
}
token value-content-list-nl { # (#1)
[
| <value-content> <br> # (#7)
| <value-content>
| <br>
]+ % \n
}
token value-content {
[
| <anchortext>
| <weblink>
| <rawtext>
| <template>
| <delimiter>
| <sup>
]+
}
token br { # (#5)
[
| '<br />'
| '<br/>'
| '<br>'
]
}
token template {
[
| '{{' <-[\n]>+? '}}'
| '{{nowrap' '|' <value-content-list> '}}' # (#3)
| '{{Plainlist' '|' \n <value-content-list-nl> \n '}}' # (#2)
]
}
token anchortext { '[[' <-[\n]>+? ']]' }
token weblink { '[' <-[\n]>+? ']' }
token rawtext { <-[\|\[\]\n、\,\<\>\}\{]>+ }
token delimiter { [ '、' | ',' | ' ' ] }
token sup { '<sup>' <-[\n]>+? '</sup>'}
}
-
問題1の解決策
-
value-content-list-nlという、value-content-listの改行区切り版のトークンを新たにつくります。この手のシーケンスを作るときは
%
(modified quantifier)を使うと便利です。 (#1) -
新たにtemplateトークンを作り、その中でPlainlistテンプレートに対応したシーケンスを定義します (#2)
-
問題2の解決策
-
templateからvalue-content-listトークンを呼び出すようにします。value-content-listトークンはtemplateを含むので再帰処理が起こって、ネストがあってもパースできるようになります (#3)
-
問題3の解決策
-
propertyトークンにおいて、新たに値側が空のシーケンスを定義します (#4)
-
問題4の解決策
-
brトークンを新たに定義します (#5)
-
value-content-listトークンにおいて、value-contentの後にbrトークンが続くことを許容するようにします (#6)
-
value-content-list-nlトークンにおいても同様に、value-contentの後にbrトークンが続くことを許容するようにします (#7)
Actions
Actions部分のコードは下記のようになっています:
class Infobox::Actions {
method TOP($/) { make $<infobox>.made }
method infobox($/) {
make %( name => $<name>.made, propertylist => $<propertylist>.made )
}
method name($/) { make $/.trim }
method propertylist($/) {
make $<property>>>.made
}
method property($/) {
make $<key>.made => $<value>.made
}
method key-content($/) { make $/.trim }
method value-content-list($/) {
make $<value-content>>>.made
}
method value-content($/) {
my $rawtext = $<rawtext>>>.made>>.trim.grep({ $_ ne "" });
make %(
anchortext => $<anchortext>>>.made,
weblink => $<weblink>>>.made,
rawtext => $rawtext.elems == 0 ?? $[] !! $rawtext.Array,
template => $<template>>>.made;
);
}
method template($/) {
make %(body => ~$/, from => $/.from, to => $/.to); # (#1)
}
method anchortext($/) {
make %(body => ~$/, from => $/.from, to => $/.to); # (#2)
}
method weblink($/) {
make %(body => ~$/, from => $/.from, to => $/.to); # (#3)
}
method rawtext($/) {
make %(body => ~$/, from => $/.from, to => $/.to); # (#4)
}
}
- 問題5の解決策
- template, anchortext, weblink, rawtextトークンのmakeを行う際に Match.from, Match.toを呼び出して、マッチのfromの位置とtoの位置を記録するようにします。 (#1 ~ #4)
Caller
- はじめの例と変更点は全くありません
実行
再び実行の時がやってきました!
$ perl6 parser.p6 < einstein.txt
Scientist
name
{anchortext => [], rawtext => [{body => アルベルト・アインシュタイン, from => 27, to => 42}], template => [], weblink => []}
image
{anchortext => [], rawtext => [{body => Einstein1921 by F Schmutzer 2.jpg, from => 51, to => 85}], template => [], weblink => []}
caption
{anchortext => [{body => [[1921年]], from => 97, to => 106} {body => [[ウィーン]], from => 107, to => 115} {body => [[講義]], from => 117, to => 123}], rawtext => [{body => , from => 96, to => 97} {body => での, from => 115, to => 117} {body => 中, from => 123, to => 124}], template => [], weblink => []}
birth_date
{anchortext => [], rawtext => [{body => , from => 138, to => 139}], template => [{body => {{生年月日と年齢|1879|3|14|no}}, from => 139, to => 163}], weblink => []}
birth_place
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{anchortext => [{body => [[ヴュルテンベルク王国]], from => 194, to => 208} {body => [[ウルム]], from => 208, to => 215}], rawtext => [], template => [], weblink => []}
death_date
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death_place
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{anchortext => [{body => [[ニュージャージー州]], from => 296, to => 309} {body => [[プリンストン (ニュージャージー州)|プリンストン]], from => 309, to => 338}], rawtext => [], template => [], weblink => []}
residence
{anchortext => [], rawtext => [{body => , from => 351, to => 352}], template => [{body => {{DEU}}, from => 352, to => 359}], weblink => []}
{anchortext => [], rawtext => [], template => [{body => {{ITA}}, from => 365, to => 372}], weblink => []}
{anchortext => [], rawtext => [], template => [{body => {{CHE}}, from => 376, to => 383}], weblink => []}
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nationality
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spouse
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children
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{anchortext => [], rawtext => [{body => , from => 949, to => 950}], template => [{body => {{Plainlist|
* [[スイス特許庁]] ([[ベルン]]) (1902-1909)
* {{仮リンク|ベルン大学|en|University of Bern}} (1908-1909)
* [[チューリッヒ大学]] (1909-1911)
* [[プラハ・カレル大学]] (1911-1912)
* [[チューリッヒ工科大学]] (1912-1914)
* [[プロイセン科学アカデミー]] (1914-1933)
* [[フンボルト大学ベルリン]] (1914-1917)
* {{仮リンク|カイザー・ヴィルヘルム協会|en|Kaiser Wilhelm Society|label=カイザー・ヴィルヘルム研究所}} (化学・物理学研究所長, 1917-1933)
* [[ドイツ物理学会]] (会長, 1916-1918)
* [[ライデン大学]] (客員, 1920-)
* [[プリンストン高等研究所]] (1933-1955)
* [[カリフォルニア工科大学]] (客員, 1931-33)
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*[[一般相対性理論]]
*[[特殊相対性理論]]
*[[光電効果]]
*[[ブラウン運動]]
*[[E=mc2|質量とエネルギーの等価性]](E=mc<sup>2</sup>)
*[[アインシュタイン方程式]]
*[[ボース分布関数]]
*[[宇宙定数]]
*[[ボース=アインシュタイン凝縮]]
*[[EPRパラドックス]]
*{{仮リンク|古典統一場論|en|Classical unified field theories}}
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* {{仮リンク|エルンスト・G・シュトラウス|en|Ernst G. Straus}}
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*[[マテウチ・メダル]](1921)
*[[コプリ・メダル]](1925)
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footnotes
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おわりに
Perl 6を使ってWikipediaのInfoboxをマイニングする方法について、実例を交えて紹介していきました。
皆さんも是非、Wikipediaを言語資源として用いる機会があったら自分でパーザーを書いてみましょう。
Perl6だけでなく、Wikipediaについての知識も深まること間違いなしです。
以上、17日目の投稿でした。
引用
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[0] Lehmann, Jens, et al. “DBpedia–a large-scale, multilingual knowledge base extracted from Wikipedia.” Semantic Web 6.2 (2015): 167-195.
-
[1] Ali, Esraa, Annalina Caputo, and Séamus Lawless. “Entity Attribute Ranking Using Learning to Rank.”
-
[2] Morales, Alvaro, et al. “Learning to answer questions from wikipedia infoboxes.” Proceedings of the 2016 Conference on Empirical Methods in Natural Language Processing. 2016.
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