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Perl 6Advent Calendar 2016

Day 5

Perl 6でNLP 5本ノック 『第2章: UNIXコマンドの基礎』 15 ~ 19

Last updated at Posted at 2016-12-04

こんにちは、Perl 6アドベントカレンダーの五日目の投稿になります。

NLP 5本ノックということで、東北大学の言語処理100本ノックの『第2章: UNIXコマンドの基礎』の 15~19までの5本をPerl 6で解きつつ解説をしていきたいと思います。

問題文は掲載しませんので、ブラウザの別窓で下記ページを参照しながらお楽しみください:
http://www.cl.ecei.tohoku.ac.jp/nlp100/#ch2

読み進める前に

注意!

  • 読者レベルとしては、Perl 6アドベントカレンダー1日目で紹介したPerl 6 introductionなどのチュートリアルを一通り終えたレベルを想定しています。
  • わかりやすく紹介するために、正確ではない表現がところどころ出てくるかもしれません。
  • より正確な情報を知りたい場合は、Perl 6アドベントカレンダー1日目で紹介した公式ドキュメント や公式テストケースのroastなどを参照ください。
  • 日本語訳が定着していないようなPerl 6独特の英単語を目にするかもしれません。基本的に解説中ではそのまま英単語で書き、その後補足しますのでご容赦ください。
  • Perl 6のモットーはTMTOWTDI (やり方は一つじゃない) です。特に正解はありません。でも、「これのほうがもっとかっこよく簡潔に書けるよ!」といった指摘は大歓迎です!
  • 《一列目の要素》といった表記が出てくるかと思いますが、 "《"や"》"は単に強調のために使っているだけでありPerl 6自身の文法ではないので注意してください。

15. 末尾のN行を出力

コード

15.p6
sub MAIN(Int :$N!) {
    .say for gather for $*IN.lines { take $_ }.tail($N);
}

解説

  • sub MAINを使うとコマンドライン引数を受け取とれるようになります
    • :$N!!はrequiredの意味です。つまり必須オプションです。 ちなみに?だと任意のオプションになります。
  1. gather for take イディオムで遅延リストを生成します
    • $*IN.lines { take $_ } で各行を取り出します
  2. .tail($N) でコマンドライン引数Nで与えた値と同数の行を遅延リストの末尾から抜き出します
  3. .say for 《.tail($N)の返したリスト》 で各行を出力していきます

16. ファイルをN分割する

コード

16.p6
sub MAIN(Int :$N!) {
    my @filenames = ["xaa".."xzz"];
    repeat {
        state $idx = 0;
        my @group = do for ^$N {
            last if $*IN.eof;
            ~$*IN.get;
        }
        my $fh = open(@filenames[$idx], :w);
        $fh.say(@group.join("\n"));
        $fh.close;
        $idx++;
    } until $*IN.eof;
}

解説

  1. ["xaa".."xzz"]で出力ファイル名のリストを生成し、変数に代入します
  2. repeat-until文を使って、標準入力が尽きるまで:$N行ごとにファイルに書き出していきます
  3. state $idx = 0で現在のファイル(e.g. 0なら@filename[0] eq "xaa", 1なら@filename[1] eq "xab")を示すための変数を宣言します。stateは初期化を一度しか行わないという宣言子です。
  4. do for ^$N 《ブロック》で《ブロック》内の操作を$N回呼び出し、結果をリストに代入します。《ブロック》内では$*IN.getを使って標準入力から一行ずつ読み取りを行います
  5. @filename[$idx]で書き込みモードでファイルハンドルをオープンします
  6. $fh.say(@group.join("\n"))でファイルに書き込みます
  7. $fh.closeでファイルハンドルを閉じます
  8. $idxをインクリメントし、次のループへ進みます

17. 1列目の文字列の異なり

コード

17.p6
$*IN.lines.map({ .split("\t")[0] }).Set.elems.say;

解説

  1. $*IN.linesで標準入力から遅延リストを生成します
  2. .mapを使って各行を変換します
  • .split("\t")[0]でタブで分割して一列目だけ取り出します
  1. .SetでSet型に変換します
  2. .elemsで要素数を算出します
  3. .sayで出力します

18. 各行を3コラム目の数値の降順にソート

コード

18.p6
.say for $*IN.lines.map({ .split("\t") })\
.sort({ $^b[2] <=> $^a[2] })>>.join("\t");

解説

  1. $*IN.linesで標準入力から遅延リストを生成します
  2. .mapを使って各行を変換します
  • .split("\t")でタブで分割してリストにします
  1. .sort({ $^b[2] <=> $^a[2] })で3列目の数字の降順にソートします
  2. >>.join("\t")で各行を再度タブ区切りに戻します
  3. .say for 《4.で生成されたリスト》 で各行を出力します

19. 各行の1コラム目の文字列の出現頻度を求め,出現頻度の高い順に並べる

コード

19.p6
.say for $*IN.lines.map({ .split("\t")[0] })\
.categorize({ $_ })\
.map({ (.key, .value.elems) })\
.sort({ $^b[1] <=> $^a.[1] })>>.join("\t")

解説

  1. $*IN.linesで標準入力から遅延リストを生成します
  2. .mapを使って各行を変換します
  • .split("\t")[0]で一列目だけ取り出します
  1. .categorizeで要素それ自身をキーとして、valueも要素それ自身を入れます(※)
  2. .map({ (.key, .value.elems) })でinvocantを(《ハッシュのキー》,《そのキーに紐づく値の要素数》)のリストに変換します
  3. .sort({ $^b[1] <=> $^a.[1] })でinvocantのリストの列の2番目(i.e. 《そのキーに紐づく値の要素数》)の要素の降順に並べ替えます
  4. >>.join("\t")で各要素をタブ区切りの文字列にします
  5. .say for 《6. で出力されたリスト》で各行を出力します

補足

  • (※)適当なサンプルコードで回すと.categorizeはこんな感じです
profession
$ perl6 -e '.say for ("エンジニア","バーサーカー","バーサーカー","バーサーカー","アルケミスト").categorize({ $_ })'
アルケミスト => [アルケミスト]
バーサーカー => [バーサーカー バーサーカー バーサーカー]
エンジニア => [エンジニア]

以上、Perl 6でNLP 5本ノック 『第2章: UNIXコマンドの基礎』 15 ~ 19 でした。

P.S.
あらかじめ書いておくと、私がNLP5本ノックに取り組んでいるのは2つ目的があります:

  1. Web検索しても現行のPerl6をNLPのシーンで真面目に使っている例があまり見つからないので、そういうのをちょっとは作っておきたい
  2. 拙作p6-MeCabでサクッとPerl6ishに0~39の問題を解いてみるため

というわけで、今年のアドベントカレンダーで100本全部をやりきるつもりは全くないので、期待していた方はすみません。
また、せっかくなので別のネタを書いてみたいというのもあります。

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