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余ったPCをNASにする - TrueNASとUnraidの比較検討

Last updated at Posted at 2022-03-31

はじめに

10年ぶりにPCを新調しました。とはいえ以前のPCもまだまだ使える代物なので、NASにしてみようと思いました。

PCをRAID対応NAS化する場合、TrueNAS(旧名称FreeNAS)が鉄板のようですが、調べていると海外ではUnraidというNAS OSも結構人気なのが分かりました。

以下、自分都合でのTrueNASとUnraidのいいところ、いまいちなところです。なお、TrueNASを実際に使ったわけではないので印象レベルです。

TrueNAS

TrueNASのいいところ

  • エンタープライズ向けをターゲットにした本格的な設計で、耐障害性と高性能を両立。これにつきます。もちろんRAID6にも対応
  • 一日24時間常に読み書きの高負荷がかかる環境でもばっちり
  • ZFSなのでスナップショット機能がある
  • TrueNAS COREは無料。個人利用ならこれでも十分以上
  • Unraidに比べてGUIがかっこいい。特にダッシュボード
  • GUIが一応日本語対応されてる
  • blogなどでの日本語解説記事が比較的多い

TrueNASのいまいちなところ

  • 要求システムリソースが高い。その高性能を発揮するには最低でも16GBのRAMが必要。また、ネットワークも1Gbpsでは物足りない
  • 使用するHDDはすべて同じサイズにする必要がある
  • 後からディスクを追加することはできない
  • 正直ガチすぎて家庭用としてはオーバースペックな印象
  • FreeBSDベース。Sun-3以降BSD系のOSは使っていないのできつい(個人の感想です)。なお、LinuxベースのTrueNAS Scaleが2022年2月に正式リリースされてますが、肝心のNASとしてのパフォーマンスがかなり劣る模様(ただしβ版時点での話なので、現行版は違うかもしれません)
  • Dockerが使えない(TrueNAS Scale除く)
  • BSDの文化を感じさせる厳格なユーザコミュニティ(個人の感想です)

Unraid

Unraidのいいところ

  • TrueNASに比べると設定が比較的簡単
  • 要求システムリソースが低く(RAMは4GB)、余ったPCで動かすのにちょうどいい
  • 使用するHDDのサイズを合わせなくていい。サイズ違いのHDDを気軽に追加して後からNASの容量を増やすことができる
  • USBメモリからブートするため、全てのSATAインタフェースをデータ用HDDにまわせる。システムのバックアップ・復旧も簡単
  • Parityディスクを割り当てることで、RAID5やRAID6のようにHDDが1台もしくは2台故障しても復旧させることが可能
  • 1つのファイルは1つのHDD内に保存されるので、RAID5,6と違ってHDDの多重障害時にも全滅はしない
  • HDDの分散アクセスをしないので、RAIDに比べてHDDのスピンダウン時間が増えやすい。また同様の理由でSMRのHDDでもさほど問題ないはず
  • 慣れ親しんだLinuxベース(個人の感想です)。とはいえ懐かしのSlackwareだそうですが
  • Dockerが使える
  • Linuxの文化を感じさせる素人にやさしいユーザコミュニティ(個人の感想です)

Unraidのいまいちなところ

  • 有料。HDD 6台接続のライセンスで\$59、12台で\$89、無制限で\$129。ただし30日のトライアルが可能です。
  • HDDの分散アクセスをしないので、TrueNASに比べて読み書き速度がかなり劣る。読み込みは単体のHDDと同じ速度ですが、書き込み性能が悪くHDD本来の速度の半分以下になる。ただし、Turbo Writeモードか、SSDキャッシュの利用である程度対応は可能。
  • SSDを使った読み書きキャッシュの機能が、TrueNASに比べてかなりいまいち
  • ホットスワップには対応していない
  • GUIの日本語対応無し(仕組みは用意されてるのですが...)
  • 日本語での解説記事はTrueNASに比べて少ない

Unraidにした理由

今回以下の理由からUnraidを使うことにしました

  • バックアップ用途をメインとし、読み書きパフォーマンスはほどほどでいいとする
  • 余り物のPCとHDDを有効活用できる
  • 後からディスクの追加が行える
  • 気合い入れなくてもゆるく運用できそう

Unraidをお勧めしないケース

実際にUnraidをインストールして試してみたのですが、Sambaで小さいファイルを書き込むパフォーマンスがあまりにも悪く、1MB/s以下の速度になってしまいます。写真など比較的小さい大量のファイルを書き込む用途には全く向いていないことがわかりました。

Unraidの肝となる分散ファイルシステムの実装がいけてないのが理由らしいので、やっぱりTrueNASにしようかと正直かなり悩みましたが、適当にディスク入れて使える魅力には勝てませんでした。

インストール編

参考

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