ゲーム理論から学ぶチームビルディング
目的
ゲーム理論からチームビルディングの難しさを学ぶ
ゴール
- 相手のこと、未来のことを考えられるようになりチームビルディングの際に考えないといけない要素を学ぶ
- ※数学的な部分は深く突っ込まない
ゲーム理論とは?
ゲーム理論とは、「2人以上のプレイヤーの意思決定・行動を分析する理論」です。
ここでいう「プレイヤー」とは、人間だけではありません。
企業、国家などさまざまな「意思決定を行なう主体」を指し、幅広い応用が可能です。
→相手がいるときの問題の意思決定の学問
→数学的な見方、経済学的な見方、心理学的な見方いろいろあるけどマネージメント観点で見てみる。
第一章
囚人のジレンマ
共同で犯罪を行ったと思われる囚人A、Bを自白させるため、警官は2人に以下の条件を伝えた。
「もし、お前らが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつは懲役1年に減刑してやろう。
この場合自白しなかった方は懲役5年だ。
ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役4年だ。」
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、
それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。
なお彼ら2人は別室に隔離される等しており、2人の間で強制力のある合意を形成できない 状況におかれているとする。
この問題の肝
囚人2人にとって、互いに裏切り合って4年の刑を受けるよりは互いに協調し合って2年の刑を受ける方が得である。
しかし囚人達が自分の利益のみを追求している限り、互いに裏切り合うという結末を迎える。
これがジレンマと言われる所以である。
各人思考に関して
このようなジレンマが起こるのは以下の理由による。
まずAの立場で考えると、Aは次のように考えるだろう。
Bが「黙秘」を選んだ場合、自分 (=A) の懲役は2年(「黙秘」を選んだ場合)か5年(「自白」を選んだ場合)だ。だから「自白」を選んで2年の懲役になる方が得だ。
Bが「自白」を選んだ場合、自分 (=A) の懲役は5年(「黙秘」を選んだ場合)か4年(「自白」を選んだ場合)だ。だからやはり「自白」を選んで4年の懲役になる方が得だ。
以上の議論により、AにとってはBがどのような行動をとるかによらず、Bを裏切るのが最適な選択ということになる。よってAはBを裏切ることになる。
囚人のジレンマが面白いところ
現代でも似たような状態がたくさんある
- 牛丼の値段の値下げ競争
- ↑デフレ構造
囚人のジレンマから学ぶべき部分
- 各個人の最適化を選んでも全体でみて最適化になるということではない
- チームビルディングをする際に各個人の最適化を選んでも全体としていい結果にはならない可能性がある。
では(現実問題)どうすればいいか
ぱっと考えられる対応方法
- 善意に訴える
- 基本的にうまくいかない。うまくいく条件は以下である
- 囚人のジレンマのような状況が同じ人々の間で繰り返される(毎回同じ問題が起きてる
- お互いの行動が観察できる(監視できる。注意できる)
それ以外はうまくいかない
(↑ただ上は注意しないといけないという工数がかかるのであまりいい答えとはいえないと思う)
囚人のジレンマには前提の条件がある
- お互いに話せない状況
現実世界ではここまで厳しいことはそこまでない
答えとしてはルールを変えてしまう。
- デフレ問題
- 一定のクオリティ以下なら罰則をつける
- 国の間で話し合う。
- (囚人なら話し合ってもいいにする?
コーディネーション・ゲーム
- 電気自動車のが環境的に明らかにエコなのに一般的に化石燃料自動車を選んでしまう
- スタンドが少ないから
- キーボード配列は確実に覚えにくい
- そっちのほうが普及している
- エスカレーターの右左
コーディネーション・ゲーム
ゲームに参加するプレイヤーが同調することで互いが利益を得るという構造をもつゲーム。
特別な理由はないが、みんなが同じ選択をすることによって、お互いの利益が守られる。
複数のナッシュ均衡から人々にとって望ましくない均衡に陥ることもある。
これを「コーディネーションの失敗」と呼ぶ。
コーディネーションゲームは「良いコーディネーション」、「コーディネーションの失敗」のいづれかに落ち着く。
コーディネーションゲームには、「安定すると変えにくい」という性質があるため、気を付けないと時代の変化に取り残される危険性がある。
逆に、ひとたび良い均衡に落ち着くと、ルールを強制しなくても自然とうまくいく利点もある。
チームでの「コーディネーションの失敗」例
- 某バッチの保守は大変である
- 作り変えるのはもっと大変である
- 某バッチの保守をしてしまう。
上記は - 長期的にみて損しているのは明らかに前者である
- 安定すると変えにくい
チームでもよくある事例である
コーディネーションゲームから学ぶべき部分
- 自然な流れに沿っていても良いものが選ばれるわけではない
- 現場で古くから行っていることが最適だとは思わないこと
では(現実問題)どうすればいいか
- 一斉にスタートを切ることである。(こうすると決めること)
そうすることで損を選ぶ人はいなくなり良い方の結果を選ぶようになる。
第3章
応用編:上記話はあくまで序章、現実的には他にも考えないといけない問題もある
- 時間的な視点
- 時間が立ってみるとメリットがなくなるという場合がある。
- 未来を予測する必要がある。
例:値下げ競争とかは特に他社も値下げするという見込みを立てておかないといけないので
先を予測する力が必要になってくる。
先を予測する力について:
- その人の価値観的な視点
- みんなそんな論理的に動くとは限らない
- MTよりATのが優れているのにMT好きとか
ここらへんは相手のことを考える必要性がでてくる
終わりに
なるべく簡潔にゲーム理論からチームビルディングの際に考えないといけないということを伝えられたらなと思い勉強会で話した内容を記載します。
なにか指摘などありましたら教えて下さい。
引用
マンガでやさしくわかるゲーム理論