BTC オプションのデルタ分析 - 96500ドルストライクのケーススタディ
はじめに
こんにちは!今回は、BTC(ビットコイン)のオプション取引における重要な指標である「デルタ」について、実際の市場データを使って詳しく解説していきたいと思います。
デルタとは?
オプション取引において「デルタ (Delta)」は、オプション価格が原資産(ここではBTC)の価格変動に対してどの程度敏感に反応するかを表す指標です。具体的には、以下の微分係数で表されます:
\text{デルタ} = \frac{\partial (\text{オプション価格})}{\partial (\text{原資産価格})}
これは「原資産が1ドル(1円)動いたとき、オプション価格が何ドル(何円)動くか」を示します。
コールオプションのデルタの特徴
- デルタは通常 0≤Δ≤1 の範囲をとります
- 深いインザマネー状態では、デルタは1に近づきます
- 深いアウトオブザマネー状態では、デルタは0に近づきます
- アットザマネー付近では、デルタは概ね0.5前後となります
分析対象のデータ
今回分析するのは「BTC-26DEC24-96500-C」という以下の特徴を持つオプションです:
- 行使価格:96,500ドル
- 種類:コールオプション
- 満期:2024年12月26日
BTCとオプション価格の関係性分析
このグラフから以下のような特徴が読み取れます:
- BTC価格は93,000~99,000ドル付近を推移
- オプション価格は、BTCが行使価格を超えると上昇傾向
- 12月26日頃に急激な価格スパイクが発生
BTCとデルタの関係性分析
特徴的な動きとして:
- デルタは当初0.3~0.6の範囲で推移
- BTC価格が行使価格を上回ると0.8~1.0まで上昇
- 満期近くでデルタが急激に0付近まで下落
オプション価格とデルタの関係性分析
主な観察点:
- デルタが1に近いほど、一般的にオプション価格も高値
- 12月25日~26日にかけて、デルタ≒1でオプション価格が急上昇
- その後、両者とも急激に下落
まとめ
デルタは原資産価格の変動に対するオプション価格の感応度を示す重要な指標です。今回の分析からは:
- BTCの価格変動に応じてデルタが大きく変動
- 特に満期近くでの価格変動の影響が顕著
- デルタとオプション価格には一定の相関関係が見られる
といった特徴が確認できました。
参考文献
- Options, Futures, and Other Derivatives (John C. Hull)
- Bitcoin Derivatives: A Guide to Trading and Risk Management