はじめに
近年、ビットコインと従来の金融市場との関連性が注目を集めています。特に、テクノロジー株の代表的な指標であるNASDAQ指数との関係性は、多くの投資家や研究者の関心事となっています。本記事では、2022年12月から2024年10月までのデータを用いて、両者の関係性を詳細に分析していきます。
環境設定
本分析で使用する主なライブラリとバージョンは以下の通りです:
import numpy as np # version 1.21.0
import pandas as pd # version 1.3.0
import matplotlib.pyplot as plt # version 3.4.2
import statsmodels.api as sm # version 0.12.2
データの準備と前処理
データは MongoDB から取得していますが、以下のコードでは一般的なデータフレーム操作に焦点を当てています:
# 日付をdatetime型に変換
df_btc['date'] = pd.to_datetime(df_btc['date'])
df_nasdaq['date'] = pd.to_datetime(df_nasdaq['date'])
# dateカラムをインデックスに設定
df_btc = df_btc.set_index('date')
df_nasdaq = df_nasdaq.set_index('date')
# 欠損値の前方補完
df_nasdaq = df_nasdaq.fillna(method='ffill')
分析結果と考察
1. 価格推移の比較
提供された最初のグラフは、ビットコン価格(青線)とNASDAQ指数(赤線)の推移を示しています。以下の特徴が観察できます:
- 初期段階(2023年初頭): 両者とも比較的低い水準から開始
- 上昇トレンド(2023年後半): 特に2023年10月以降、両者ともに顕著な上昇傾向
- 変動性の違い: ビットコインの方がNASDAQ指数と比較して、より大きな価格変動を示している
2. 相関分析
30日間の移動相関を示す2つ目のグラフから、以下の興味深い特徴が読み取れます:
- 相関係数の変動: 0.9(強い正の相関)から-0.75(強い負の相関)まで大きく変動
-
期間による特徴:
- 2023年初頭: 強い正の相関(0.75-0.95)
- 2023年中期: 相関の著しい低下と負の相関期間
- 2024年: 再び強い正の相関期間と変動の増加
3. 重要な観察点
- 市場センチメントの共有: 特に2023年後半以降、両者は似たような価格動向を示しており、市場センチメントの共有が示唆されます
- 相関の非安定性: 移動相関分析から、両者の関係性は時期によって大きく変動することが分かります
- リスク管理への示唆: 相関の変動性が大きいことから、分散投資効果は時期によって大きく異なる可能性があります
まとめと実務への応用
この分析から、以下の実践的な示唆が得られます:
- ポートフォリオ管理: 相関係数の大きな変動は、動的なポートフォリオ調整の必要性を示唆します
- リスク評価: 両資産の関係性は固定的でないため、リスク評価は定期的に見直す必要があります
- 市場監視: 相関係数の変化は、市場環境の変化を示す重要な指標として活用できます
注:本分析は教育目的で作成されており、投資助言を目的としていません。