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オプションの「ギリシャ指標」って何?初心者にもわかる基礎解説!

Last updated at Posted at 2024-12-28

はじめに

オプション取引をしていると、しばしば耳にする「デルタ(Δ)」「ガンマ(Γ)」「ベガ(V)」「シータ(Θ)」「ロー(ρ)」といった言葉。これらは**ギリシャ指標(Greeks)**と呼ばれ、オプション価格がどんな要因でどれくらい変化するかを数値で表したものです。

ポイント: ギリシャ指標を学ぶと、オプションの価格形成の仕組みやリスクの捉え方がぐっとわかりやすくなります。

各ギリシャ指標の詳細解説

1. デルタ (Delta, Δ)

「原資産(BTCや株など)の価格が1単位動いたら、オプション価格はどれくらい動くの?」を示す指標です。

  • **コール・オプション(買う権利)**はデルタが正(0~1の間)
  • **プット・オプション(売る権利)**はデルタが負(-1~0の間)

たとえば、コール・オプションのデルタが0.5なら、原資産が1円(1ドル、1BTCなど)上がるとオプション価格が約0.5円上がる、というイメージです。原資産価格に対する"感度"として使われるため、オプションを使ってヘッジする際の基本的な考え方になります。

デルタ・ヘッジ

オプションの合計デルタが0になるように、原資産のポジションを調整することを「デルタ・ニュートラル」といいます。

  • たとえば、コールを買った(Δがプラス)なら、原資産を一定数ショートする(空売りする)ことでデルタ合計を0付近にすることができます
  • こうすることで、原資産が上がっても下がっても(ある程度は)値動きの影響を抑え、ボラティリティや時間価値など"他の要因"から収益を狙いやすくなります

2. ガンマ (Gamma, Γ)

ガンマは「原資産価格が1単位動いたときに、デルタがどれだけ変化するか」を示します。

  • **"デルタの変化率"**と覚えるとわかりやすいです
  • オプションを"買っている"場合はガンマがプラス、"売っている"場合はガンマがマイナスになります

ガンマが大きいということは、原資産が動いたときにデルタが激しく変わる=ポジション調整を何度も行わなければならない可能性がある、ということ。裏を返すと、ガンマがプラスのポジション(オプションを買っている側)は、原資産価格が大きく動くほど有利になるケースが多いです。

3. ベガ (Vega, V)

ベガは「インプライド・ボラティリティ(IV)が1%変化したときに、オプション価格がどれくらい変わるか」を示します。

  • ボラティリティ(価格変動率)が上がると、コールでもプットでもオプション価格は上がりやすいため、オプション買いポジションはベガがプラス(利益側)、売りポジションはベガがマイナス(不利側)になります
  • 満期までの期間が長いオプションや、アット・ザ・マネー(原資産価格と権利行使価格が近い)なオプションは、ベガが大きくなる傾向があります

ボラティリティ変動リスクを管理したいときは、ベガ・ニュートラル(買いと売りを組み合わせて、ベガの合計を抑える)ようにポジションを組むことも考えられます。

4. シータ (Theta, Θ)

シータは「時間が1日(もしくは1時間など)経過すると、オプション価格がどれだけ変化するの?」を示す指標で、オプションの時間価値の減少ペースを表します。

  • オプションを買っている(ロング)場合はシータがマイナス:持っているだけで時間価値が徐々に減っていきます
  • オプションを売っている(ショート)場合はシータがプラス:時間が経つとオプション価格が下がりやすくなるため、オプションを売る側にメリットが生まれます

満期が近いアット・ザ・マネーのオプションは時間価値の減少が激しいため、シータのマイナスが大きくなりやすい点に注意が必要です。

5. ロー (Rho, ρ)

ローは「金利が1%変動したら、オプション価格がどれくらい変わるか」を示します。

  • 一般には、コールは金利上昇でプラス効果、プットはマイナス効果となりやすいとされています
  • ただし、金利の影響はボラティリティや原資産価格ほど大きくないことが多く、日本のように金利が低い環境では"あまり意識しなくても良い"とされる場合もあります

まとめ:ギリシャ指標を活用してリスクを分解しよう

オプション取引は「ギリシャ指標」を意識することで、以下のようにリスクを細かく管理できます:

  1. デルタ:原資産の価格変動リスク
  2. ガンマ:デルタの変化(再調整頻度など)
  3. ベガ:ボラティリティの変動リスク
  4. シータ:時間経過による損益の変化
  5. ロー:金利変動リスク

たとえば、「原資産の値動き(デルタ)はヘッジしておいて、ボラティリティ(ベガ)だけを狙ってトレードする」といったことが可能になります。これがオプションの大きな魅力でもあります。

ワンポイント: ギリシャ指標を活用しても、急激な相場変動などですべてのリスクを完全に避けられるわけではありません。あくまで"目安"として、どこにどんなリスクがあるのかを把握するツールになります。

おわりに

オプションは少し難しそうに見えますが、ギリシャ指標を理解すると「何に対してどんなリスクを負っているか」がクリアになり、戦略を組み立てる楽しさがぐっと高まります。まずはデルタとガンマの関係あたりからゆっくり学んでみるのがおすすめです。

是非、オプション取引でギリシャ指標を活用してみてくださいね!

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