論文について
Segmentation of Tubular Structures Using Iterative Training with Tailored Samples
Wei Liao, ICCV, 2023
Path-CNNとの関連について
Path-CNNの元論文(同著者)はこちら
解説記事はこちら
本論文はPath-CNNの訓練法について改良した論文になっており、中心線およびマスクセグメンテーションの手法はPath-CNNと同じダイクストラで行う。
(Path-CNNは始点・終点間の最小経路を求めるアルゴリズムになっていた。本論文では、始点から任意のピクセルまで最小コスト経路を求めるアルゴリズムになっている。)
分類用CNNの訓練に使われるサンプルについて
Path-CNNでは中心線アノテーションを直接使用してサンプルを生成(添付図左)するが、このような中心線は推論中に厳密に一致しない。
そこで推論中に遭遇するサンプルに近いもの(添付図中央および右)でCNNを訓練させ、最小経路法の性能を向上させるために、反復的な訓練法を提案した。
訓練に適したサンプルの生成法
Path-CNNは中心線アノテーションを用いてサンプルを生成したが、本論文ではマスクアノテーションを用いてサンプルを生成する。
また、訓練中のCNNの分類結果を用いて訓練サンプルを生成し、そのサンプルでCNNを訓練することを繰り返すため、効果的な反復スキームになっている。
アルゴリズムの概要
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初期ステップ
- マスクアノテーションを利用し、エッジの重みを初期化する。エッジの両頂点が前景に含まれるなら1, そうでないなら大きな正定数に設定。
- この初期重みからパス$\pi$を求め、任意のピクセル$x$から$\pi$をたどって局所経路$\gamma_L$を生成、$\gamma_L$に沿ったパッチ$P$($x$が前景ならポジティブ, 背景ならネガティブとしてラベル付け)の集合$\chi$を生成。
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反復ステップ
- CNNモデルをサンプル$\chi$で訓練
- Algorithm 1で最短経路情報$\pi$と推論マスク$M$を生成
- $\pi$を用いて、任意のピクセル$x$から局所経路を生成し、それに沿ったパッチ$P$の集合$\chi$を生成。
- $M$についてDiceスコアを評価し、上昇すればステップ1のモデル学習に戻る。
実験結果
中心線の精度
真の中心線からの絶対距離平均で評価したところ、比較手法と比べて最も低い誤差を達成した。
Path-CNNの中心線抽出の結果と比べても、本論文の手法が適した中心線を抽出する場合が確認できる。
(黄色がPath-CNN, 赤色が本論文)
セグメンテーションマスクの精度
EPFL(衛星画像データセット)で比較手法と比べて良い精度が得られた。
本論文はデータセットが少ない場合に有効であることが強みであり、アノテーション画像が3枚である場合にも良いセグメンテーションマスクが得られている。