はじめに
※この記事はKLab Engineer Advent Calendar 2023 11日目の記事です。
この記事では、今年になってだいぶ馴染み深くなったLLMを活用し、記事を効率よく作るための工夫の具体例を述べています。
LLM(Large Language Model) は、文章生成のための強力なAI技術です。大量の文書データを学習することで、人間が書くような流暢で自然な文章を生成することが可能になります。
さらに、その生成速度は人間が手でタイピングする速度をはるかに超え、ライティング作業の時間を大幅に短縮することができます。
LLMを活用した思考の可視化と文書化
STEP1 思いつくままに書く
思考を文章化・構造化する最初のステップは、思いつくままに書くことです。
頭の中に浮かんだアイデアや考えを箇条書きにしてみましょう。
この段階では、完璧な文章を書く必要はありません。
大切なのは、思考を具体的な言葉に変換し、それを記録することです。
箇条書きにすることで、思考の断片を可視化し、全体像を掴みやすくなります。
STEP2 LLMに整理させる
次に、この箇条書きをLLMに整理させます。
LLMは関連する情報を見つけてそれらを適切にグルーピングすることにも使えます。
また、それぞれの項目をより具体的な文章に変換し、一貫したストーリーを形成することも可能です。
このようにして、LLMを使うことで、思考を効率的に文章化・構造化することができます。
STEP3 中身を肉付けする
構造化した項目ができたら、それぞれの項目についてどんな中身にするかを考えます。
詳細な説明や具体的な事例、関連する情報など、項目を肉付けする要素を考えて書き出しましょう。
そして、それらの要素を元にAIに文章化してもらいましょう。
STEP4 編集する
AIが生成した文章はあくまで「原材料」です。
人間が自身の視点で取捨選択や訂正を加え、「書き手の色」を出しながら仕上げていきます。
質の高い記事を効率よく作るための工夫
一度のプロンプトに書く命令は一つにする
同時に複数の指示を出すと、AIはそれらを適切に処理できず、結果的に低品質な文章を生成する可能性があります。
プロンプト作成時に核になる言葉を書く
この核となる言葉は、文章を生成するための基盤となります。
例えば「AIの未来」を核にすると、AIの可能性や課題、将来の展望などについてAIが文章を生成します。
核となる言葉は、あなたが書きたい内容の主題に直結するものを選びましょう。
プロンプトで方向性も示す
核となる言葉だけではAIは広範な内容を生成してしまう可能性があります。
そのため、具体的な視点やアプローチをプロンプトに含めることで、AIに記事の方向性を示すことができます。
例えば「AIの未来とその社会への影響」のように、具体的な視点を加えると、AIはその視点に沿った内容を生成します。
内容をAIに丸投げしない
プロンプトはあくまでAIの文章生成を導くための道具であり、最終的な内容はあなた自身の判断によるものです。
AIはあなたの思考を補助するツールであって、代わりに考える存在ではありません。
そのため、プロンプト作成では自分自身の意図を明確にし、それを基にAIを活用することが重要です。
あとがき
実は、この記事の大部分もLLMを活用して書いています。
利用したのはGPT-4です。
まさに記事の内容通り、以下の手順で作成しました。
- 自分の考えていることを思いつくままに並べる
- AIにグルーピングさせる
- AIに記事の構成のアウトラインを出力させる
- アウトラインの分量を調整
- 各項目の中身のアイデアを並べる
- 各項目ごとにAIに文章化させる
- 項目間で重複した内容を削除したり構成の修正をする
- AIに誤字脱字などを修正させる
これらの手順を踏むことで、手間や頭の疲労度が大幅に減りました。
筆者は伝わりやすい文書を一発で書くことを苦手としていて、推敲にもかなり苦労していました。
しかし、LLMの活用により、その疲労度は約1/3程度に軽減されたと感じています。
最後に、この文章を書く時に最初に使ったプロンプトを紹介します。
このくらいの分量を与えることでかなりスムーズに整理、執筆ができました。
何かの参考になれば幸いです。
頭を整理して記事に書く内容を検討したいので、以下を関連度が高いものをグループにまとめて欲しいです。
最終的にLLMのAIの使い方に関する初心者向けの記事にしようと思っています。
ただ作らせるだけでは質が低い
質の高い中身を効率よく作るための工夫
頭の中のとっちらかった内容を文章化したり構造化・分類するのに役立つ
手を使う方が早いものとAIを使うことが良いこと
工程を分解しつつ1工程だけ実施する
文脈が近いものをグルーピングする
文章力のサポート
情報整理のサポート
文章校正や編集のサポート
プロンプトを作る時に気をつけるテクニックや流れ
AIの癖を試行錯誤で
取捨選択は人が最終判断するがAIにサポートさせることはできそう
機械に処理しやすいように箇条書きの文体を揃える形もありそう