TL;DR
- 緯度経度と平面直角座標系について記載します。
座標系と測地系
この2つは別のものです。
座標系
座標系は、丸い地球を平面の地図としてをどのように表すのか、というものです。(学校でメルカトル座標系とか習ったことがあったかと思います)。
座標系とはものさしのあて方であり、「いずれかの座標系が正しい。」といった類のものではありません。例えば、「日本測地系と世界測地系の差は450mである」という表現が適切であり、「日本測地系は450m間違っている」ということではありません。
測地系
測地系は、経緯度(経度・緯度)および標高を用いて位置をどのように表すのか、という基準です。
地球は完全な球体ではないので、目的によって選択する必要があります。
システム間のやり取り
以上のことから、システム間で座標系における座標情報の取り込みと出力を想定している場合などであれば、入力元のシステム、出力先のシステムの座標系と測地系を正しく把握する必要があります。
平面直角座標系
日本で平面地図に基本的に使用されている平面座標系です。
地球は丸いので、日本全体を平面であらわすと誤差が大きくなるので、19個に分割(系番号)しています。
中心位置からの相対位置をmで表します。よく間違えがちですが、垂直方向をX、水平方向をYと記載します。
測地系
- 平面直角座標系で使われる測地系:楕円体:測地成果は、以下の3つです。単に日本測地系といった場合は、日本測地系(旧日本測地系)を表すことが多いです。
測地系 | 楕円体 | 測地成果 |
---|---|---|
日本測地系(旧日本測地系) | ベッセル楕円体 | |
日本測地系2000(世界測地系) | GRS80 楕円体 | 測地成果2000 |
日本測地系2011 | GRS80 楕円体 | 測地成果2011 |
-
日本測地系と世界測地系は「変換(Transformation)」可能です。つまり次のような考え方となります。
(1) 日本測地系(旧日本測地系)・ベッセル楕円体の緯度、経度、楕円体高(B, L, H)から三次元直行座標系(X, Y, Z)に換算(Conversion)する。(この時点では座標系は変わっていない)
(2) (1)の三次元直行座標系(X, Y, Z)を、異なる座標系、日本測地系2000(世界測地系)・GRS80 楕円体の三次元直行座標系(X, Y, Z)に変換(Transformation)する。
(3) (2)の三次元直行座標系(X, Y, Z)を緯度、経度、楕円体高(B, L, H)に換算(Conversion)する。 -
日本測地系2011は、2011年の東北太平洋沖地震により、東日本が影響を受けた(地面が移動して基準位置等がずれたので)もので、西日本は影響を受けていません。
-
東京測地系という言葉がでてくることがありますが存在しません。日本測地系(旧日本測地系)の英語名、Tokyo Datumから来た誤用です。
-
WGS系という測地系をみかけることがあるかもしれませんが、これは主に船舶が採用しています
参考
https://www.gsi.go.jp/LAW/jgd2000-AboutJGD2000.htm
https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jgd2000-2011.html
https://www.gsi.go.jp/LAW/G2000-g2000faq-i.htm