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あまり難しく無い技術記事執筆のパターン5選

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⁠経緯

アドベントカレンダーの運営に引き続き、メンバーによる技術的発信を促す活動をしています1。今回はその活動の一環として、私の経験に基づき表題の内容を社内 LT 会で発表しました。その結果は好評で、社外にも公開することを勧められたので投稿しました。

記事の構成としては、あまり難しく無い技術記事執筆のパターンを5つ記事の例を含めて紹介し、それぞれのメリットデメリットを執筆の難易度、読み手への価値提供、採用貢献、キャリアアップの観点で説明しています。

パターン1. うちではこうやっている

採用貢献ならばこれがやりやすいと考えます。シンプルに現場で使っている技術を紹介するだけです。その技術選定になった経緯を説明できるとなお良いですが、紹介するだけでも、その技術スタックが十分にモダンならば、求職者は開発者体験が良い状態で仕事ができるという安心感を持って入社して頂けます。

⁠記事の例

前職で Android エンジニアの採用担当をしていた時に書きました。元ネタ紹介はありますが、ほぼ列挙しただけの記事です。

こちらは私の所属チームの先輩の記事です。ただ単にトランクベースで開発していますだけでなく、チーム内での認識合わせの様子や参考文献の紹介など、レベルの高い「うちではこうやっている」だと思います。

⁠メリット

  • 実態を紹介するだけなので⁠書くのは簡単
  • 直接的に採用貢献になる

⁠デメリット

  • 技術そのものの解説でないので、列挙しただけでは高い技術力のアピールにはならない
  • 現場の技術より、より良いソリューションがあり、そちらがメジャーな場合は、採用貢献としては逆効果になる

パターン2. ⁠課題解決

個々の技術はありふれたものですが、それらを組み合わせることで、課題解決する様子を紹介する記事です。

⁠記事の例

当時の Qiita にはデイリーランキングがあり、最高3位になった記事です。やっていることは ffmpeg コマンド、Google Cloud Platform の AI 系サービス、畳み込みニューラルによる画像分類とありふれた技術を組み合わせただけです。

⁠メリット

  • 課題解決の様子を紹介するだけなので、書くのは簡単
  • 課題解決のための柔軟性や引き出しの多さはアピールできる

⁠デメリット

  • 技術そのものの解説でないので、高い技術力のアピールにはならない
  • 解決できる課題が無いと書けない

⁠パターン3. 新技術の応用方法

新しい OSS のリリースなど、新技術が出てきたら、応用方法を紹介する記事です。

⁠記事の例

Konsist という Kotlin プロジェクトのクラスやメソッドの命名や構成がガイドラインに沿っているかを確認するツールがリリースされたので、会社のプロジェクトでよくやる書き忘れが無いかを確認する方法を記事にしました。

⁠メリット

  • 新技術をすぐに使うアンテナの高さをアピールできる
  • 新技術で解決した課題の内容を通じて、現場の開発体制を紹介できる

⁠デメリット

  • 新技術に対して応用方法が毎回思いつくとは限らない

⁠備考

モバイルでは Android Dagashi, iOS Osushi で新技術が紹介されます。

⁠パターン4. 和訳

英語しか情報が無いものを日本語で紹介する記事です。

⁠記事の例

iOS/Android クロスプラットフォーム技術のひとつである SKIE は英語で書かれている公式サイトに十分に情報があり、これはサンプルコードを作成しながら日本語でまとめただけの記事です。

⁠メリット

  • 学習にはなる
  • 英語に抵抗感がある読者には価値提供になる

⁠デメリット

  • 英語慣れしている読者には新たな価値提供ができない
  • 高い技術力のアピールにはならない

⁠パターン5. 実装のハマりどころ解決

プロダクトを実装していて、問題があって対処したところを紹介する記事です。

⁠記事の例

Android アプリ内に iOS と共通に使えるレイアウトを載せたときに発生した問題と、その解決方法を紹介しています。

⁠メリット

  • 同じところでつまづいた人に対しては価値提供になる
  • 問題が複雑な場合は、高い技術力のアピールになる

デメリット

  • 他人の日本語の記事で解決してしまった場合は、記事のネタにならない

このデメリットに対しては社内でご意見がありました。他人の日本語の記事があっても、なぜ解決できたのかの説明が不十分なケースがあるので、詳しい理由を掲載することで、新たな価値提供になることがあります。

まとめ

今回は採用やキャリアアップのために技術記事執筆を検討しつつも、テーマ探しが難しかったり、書こうとしている記事はすでに他の人が公開しているという人に向けて、あまり難しく無い技術記事執筆のパターンを5つ紹介しました。参考になれば幸いです。

  1. Mobile チームの EM である makiyama との 1on1 で活動内容をすり合わせながら進めています。また、会社のメンバーからはアンケートのへの回答などのご協力を頂いています。

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